2019年の注目作品③北海道出身のこだま兼嗣監督最新作「劇場版シティーハンター」

2019年のミュージアムおすすめ映画を紹介。

第3弾は、2/8公開「劇場版シティハンター」です!

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裏社会に名を轟かす始末屋スイーパーにして、桁外れの女好き。

〝シティハンター〟冴羽獠(声・神谷明)の物語が、

アニメ放送30周年記念プロジェクトとしてカムバック!

初代監督で、今回総監督を務める

こだま兼嗣さんは北海道出身です。

20年の時を経て完全新作として生み出された

注目の長編アニメーションをお楽しみに。

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2019年の注目作品②せたなロケ「そらのレストラン」~札幌・マスコミ合同取材会レポート!

「しあわせのパン」「ぶどうのなみだ」に続く、大泉洋さん主演の〝北海道映画〟シリーズ第3弾!
映画「そらのレストラン」が1月25日(金)に公開となります。
日本海に面した道南のまち・せたなにある海の見える牧場で、放牧酪農とチーズ作りに励む「亘理(わたる)」。彼を優しく見守る家族や、志高く農業に取り組む仲間たちとの絆の物語です。
深川栄洋監督、出演の大泉洋さん、本上まなみさんによる札幌・マスコミ合同取材会に、北の映像ミュージアムも潜入!

そらのレストラン (1)1

映画を観る前でも、観た後でも楽しめる笑いたっぷりのトーク内容をご紹介します。

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質問/映画の冒頭、大泉洋さんと本上まなみさんが夫婦になるまでの展開が印象的でした。本上さんは、「こと絵」という役を、どう想像して演じられたのでしょうか。

(C)2018『そらのレストラン』製作委員会

(C)2018『そらのレストラン』製作委員会

本上まなみさん(以下、本上さん)/最初に脚本を読ませていただいたとき、確かに「こと絵」はミステリアスに登場すると感じました。ただ、その後の描き方から読み解くと、会社勤めをしている都会の家庭とは違う環境にあり、強い結びつきがあって成り立っている家族なのだと理解しました。「こと絵」は穏やかで優しい女性ですが、しっかりした芯を根底に持ち、そこが家族を支える大きな役割を担っているのだと思います。

質問/監督に、夫婦のシーンを詳しく描かなかった理由を教えてください。

深川栄洋監督(以下、監督)/僕も最初、「いつ、彼女のサスペンダーは弾かれるんだろう」と考えながら脚本を読みました。ただ、この映画は、せたなで肩を寄せ合う男たちの友情を描くことが中心にあり、最後までこと絵さんの〝謎〟は明かされません。それが、映画を見慣れた自分には新鮮でしたし、脚本から与えられた大きな課題のように受け止めました。ですから、こと絵さんに対する観客の緊張感、集中力を利用しながら演出してみました。普通の映画とは少し違う、そんな〝仕掛け〟を楽しんでいただければと思います。

(C)2018『そらのレストラン』製作委員会

(C)2018『そらのレストラン』製作委員会

大泉洋さん(以下、大泉さん)/補足させていただきますと、私も初めて脚本を読んだとき、プロデューサーに、突然奥さんがくるって唐突過ぎやしないかと聞いたんです。するとプロデューサーが、ほとんど本当なんだと答えたんです。この作品は、実際にせたなで安心・安全な食のあり方を提唱する「やまの会」という自然派農民ユニットの方々の関係性を映画化していて、登場人物にはそれぞれモデルがいます。僕の「亘理」という役は、村上牧場の村上健吾さんという方。そして奥様というのは、本当に「海の見える牧場で働きたい」って言って応募してきて、「じゃあ」って面接して、結婚しちゃったらしいんです(笑)。それを聞き、本当の話なんだと納得しました(笑)。

(C)2018『そらのレストラン』製作委員会

(C)2018『そらのレストラン』製作委員会

ちなみに、宇宙人の話についても、「なんでこんな突飛なエピソード盛り込むんだ」と驚かれる方もいるかもしれません。…が、これも本当で、実際にせたなで羊を育てている男性がUFOを見てるらしいんです。ちょっと不思議な映画だなと思う方もいるかもしれませんが、それは「変わった世界観を作ろう」「ファンタジックにしよう」ということではなく、実際のエピソードに基づいているんです。

質問/特に男性陣のキャストの方々の〝仲間感〟がスクリーンから伝わりました。ロケは合宿状態で仲良くなられたとお聞きしましたが、何か面白いエピソードがあれば教えてください。

(C)2018『そらのレストラン』製作委員会

(C)2018『そらのレストラン』製作委員会

大泉洋さん(以下、大泉さん)/(ポスターを見ながら)岡田将生くん、マキタスポーツさん、高橋努さん、石崎ひゅーいくんの4人、あと、安藤玉恵さんにしても、皆さん楽しい方ばかりですからね。本当に仲のいい現場で楽しかったです。そこにきて何が楽しかったかというと、せたなにはキャストやスタッフ全員が泊まれる宿泊施設がなくて、周辺の街に分かれたんです。私は出番が多いので、現場に近いせたな町にしていただきました。でもほかの男性陣は、歓楽街も近い八雲を選んだんです。八雲は、現場まで車で1時間くらいかかるんです。ですから、たとえば出番に多少時間の差があっても、全員一緒の車に乗って来るんですね。すると時間が空くので、彼らは台本の読み合わせを始めていたんです。それで僕たちが現場入りしたときには、まるで劇団のような〝結束〟ができていて、僕は「劇団八雲」と名付けました(笑)。〝八雲さん〟の結束ったら、なかったですよね。

本上さん/(笑)ええ、とっても。

大泉さん/座長は当然、マキタスポーツさんです(笑)。「将生、稽古するぞ!セリフ大丈夫だろうな!」「大丈夫です!」みたいなやりとりが交わされていましたね(笑)。でもやっぱり八雲が現場から少し遠かったのか、途中で彼らはせたなの「あわび山荘」に移ったので、劇団名は「あわび」に変わりましたけれど(笑)。だからある意味、私と本上さんは劇団の客演状態でしたね(笑)。

(C)2018『そらのレストラン』製作委員会

(C)2018『そらのレストラン』製作委員会

質問/せなたの印象はいかがでしたか?

大泉さん/「お店が少ないので食べ物は期待しないでください」と事前に言われていましたが、行ってみたら食材が美味しくて。地元の海苔で作っていただいたおにぎり、もちろん魚介類もおいしかったです。あとは、モデルとなった「やまの会」からの差し入れもおいしかったです。チーズや野菜、あと実際に販売している「パンダ納豆」も。たくさん美味しいものをいただきました。

(C)2018『そらのレストラン』製作委員会

(C)2018『そらのレストラン』製作委員会

本上さん/私は北海道が大好きで、趣味のフライフィッシングをしに年に1回は必ず来ています。でも、せたなは初めてで、行く前からワクワク楽しみにしていました。「海が見える牧場」と脚本にはあったんですけれど、「本当にそんなところあるのかな?」と思っていたところ、見事に海が見えて驚きました。空がとても広くて、日中の撮影が多かったので、お日様が上って沈むまでが本当にゆっくり見られて感動しました。ロケは秋だったので、季節の変わり目というか、遠くに見えた稲光が、だんだんと近づいてくるダイナミックな自然も目の当たりにしました。

質問/監督は、大泉さんと組むのは4回目ですが、何か新しい一面を感じられたとすれば何でしょうか。

監督/2009年の「半分の月がのぼる空」が最初ですが、あのときは〝北海道の大スター〟が東京に進出してきたばかりのときでした。それから毎作大きくなられて、数年前からは映画界・日本の大スターになっています。今回、大泉さんのフィールドである北海道で演出をする感覚で取り組んだのですが、僕は普段より、俯瞰を心がけました。カメラのアングルもそうです。

そらのレストラン (2)

先ほど「劇団八雲」の話がありましたが、実はあの劇団の演出家は、大泉さんなんです。楽屋裏で「劇団八雲」のお芝居を見て、「そうじゃない、こうなんだ」と言い始めたのは、たぶん大泉さん(笑)。だから私は、大泉さんが芝居をつけたものを現場で見て、「それでは、カメラのアングルはこうしましょう」と考えたように思います。演出・大泉洋、総合監督は私みたいなニュアンスがあって、普段より役者の間に入って芝居をつけることをほとんどしなかったです。テストでは色々話をしましたが、9割のカットは1発OK。本番でアクシデントが起きても大泉さんが拾っていく、芝居に取り入れていくのでOKになりました。

質問/「亘理」という主人公は、演じやすかったでしょうか。また、苦労した部分はありますか?

(C)2018『そらのレストラン』製作委員会

(C)2018『そらのレストラン』製作委員会

大泉/〝北海道映画〟シリーズ3作品の中では、仲間との友情がテーマにあったので、感情移入しやすいというか、台本が身近な感じがしました。ただ、「亘理」のチーズの師匠で、父親的存在の「大谷雄二」という役を小日向文世さんが演じていて、これもまたある意味実話でモデルがいらっしゃるんですが、彼にまつわる大事なシーンを演じるのに、小日向さんとのスケジュールが合わなくて、ロケ後半に彼とのシーンを演じることになってしまい、クライマックスシーンを先に撮らなければいけなかったのがちょっと大変でした。ただ、役者さんとして尊敬する方ですから、小日向さん本人をイメージして役に入り込みましたし、あとは監督が耳元でささやいてくれるんですが、その内容が素晴らしいんです! 想像しきれない部分や裏側を監督が補ってくれて、本番に近づくにつれ「なるほどそういう感覚か」と掴むことができました。

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(C)2018『そらのレストラン』製作委員会

(C)2018『そらのレストラン』製作委員会

映画「そらのレストラン」 2019年1月25日(金)全国ロードショー
出演:大泉 洋、本上まなみ、岡田将生
監督:深川栄洋
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追悼・斉藤征義さん

「田んぼdeミュージカル」をはじめ、

むかわの町民映画作りの中心人物だった斉藤征義さんが、

1月6日にお亡くなりになりました。享年75。

2011年12月、スタッフ・新目は

函館港イルミナシオン映画祭でお会いし

(中央の青いマフラーの方です)、

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翌年10月には、斉藤さんが

当時ホテルさっぽろ芸文館内にあったミュージアムに

お越しくださり、過去の作品DVDをご寄贈くださいました。

詩人として活躍され、

宮沢賢治研究者としても知られた斉藤さん。

心より、ご冥福をお祈りいたします

2019年の注目作品①北海道出身の吉田志織が出演!「チワワちゃん」

2019年も、北海道ロケ映画をはじめ、

北海道出身の監督や俳優が活躍します!

続々とご紹介いたします。

2019年のミュージアムお薦め作品①

1/18公開!「チワワちゃん」

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最新の映像と音楽センスを誇る26歳の二宮健監督が

伝説的な漫画家・岡崎京子の短編最高傑作を実写映画化。

〝殺人事件の被害者「千脇良子 20歳 看護学校生」。

それが、あたしの知っている

「チワワちゃん」のことだとは最初思わなかった……。〟

1994年に発表された原作を監督自ら脚色し、

SNSが急速に進化した現代にアップデート。

恋、嫉妬、お金、欲望、夢 ──

キラキラした青春が氾濫する世の中に、

リアルな若者の素顔を叩きつけると共に、

この情報化社会における青春の爆発と終わりの瞬間、

そこから始まろうとする“なにか”までを描き切る話題作です。

タイトルにもなっている「チワワ」役を演じるのが、

北海道出身の吉田志織さん。

オーディションで選ばれた期待の新人だそう!

ぜひ注目してください。

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あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。

ミュージアム新オフィスは昨日7日から

通常オープンしております。

平日午前10時~午後2時まで、

スタッフが常駐しておりますので、

キネ旬バックナンバーの活用などでご利用ください。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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年末のご挨拶

2018年も残すところあとわずか。

昨日27日は新オフィスの大掃除を行いました。

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年明けは1月7日(月)からオープン致します。

今年は、ホテル内スペースの閉館、新オフィスの引っ越しなど

多くの方にご心配をお掛けした一年でした。

優しい励ましの声もたくさんいただき、

活動の意義を改めて実感した年でもありました。

この場をおかりして、皆さまに厚く御礼申し上げます。

恒久的ミュージアムの実現に向けて

来年からも邁進してまいりますので、

引き続き応援・ご協力のほど、よろしくお願い致します。

どうぞよいお年をお迎えください。

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札幌ロケ&大泉洋主演最新作「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」前田哲監督インタビュー!

第35回大宅壮一ノンフィクション賞&第25回講談社ノンフィクション賞をW受賞した、渡辺一史さんの傑作ノンフィクション「こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち」。札幌に実在した重度の筋ジストロフィー患者・鹿野靖明さんとボランティアたちとの心の交流を綴る物語を、大泉洋さん主演で映画化した「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」が、あす12/28(金)に公開されます。

(C)2018映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会

(C)2018映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会

札幌にゆかりのあるベストセラーの映画化!とあって、楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。我々ミュージアムも、札幌フィルムコミッションとの共同企画パネル展(※詳しい記事はこちら)などで応援中! キャンペーンで来札された前田哲監督インタビューをたっぷりご紹介します。

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ーーよろしくお願いします。札幌市長への表敬訪問では札幌市、特にメイン舞台となった西区の方々が協力的だったとお話されていました(※レポート記事はこちら)。札幌ロケの手応えはいかがですか。

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北海道は原作を読んでいる人が多く、まして大泉洋さんが主演だと聞くと「ぜひぜひ」と受け入れてくださって、その〝懐の大きさと温かさ〟が嬉しかったです。札幌は〝画〟になる場所が多いですよね。これだけの都市でありながら、近くに山も川もある。ビルの向こうに山がある風景は全国でもなかなかありません。四季がはっきりしているのも魅力です。札幌のロケ地でいうと、北海道大学が良かったですね。美咲(高畑充希)と田中(三浦春馬)がデートする芝生や、クラーク会館も印象的でした。

サブ⑤

(C)2018「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会

もちろん、札幌フィルムコミッションの存在も大きいです。鹿野さんの住まいは札幌市西区山の手にある団地で撮影しましたが、なんとそこは鹿野さんが実際に住んでいた部屋だったんです。奇跡的に、ロケの日程と空き室になったタイミングが合致して、管理している道庁のご好意もあってお借りできました。鹿野さんが実際に通った病院でロケできたり、当時の主治医の方が協力下さったり…。美瑛の撮影も本当に鹿野さんが泊まったペンションをお借りできたり、まさに鹿野さんに〝招かれている〟感じがしました。

――大泉洋さんが演じる主人公・鹿野は、「いつまでも見たい」と思える魅力的なキャラクターでした。一方で、下半身を動かせない、どんどん話せなくなる…という難しい役どころでもありました。演出で気を遣われた点は?

同じことを、佐藤浩市さんも心配していました。「洋ちゃん大丈夫かな」って。役者は肉体の表現者ですから、体を動かせない制約は、ストレスです。でも、大泉さんの凄いところは、制約があればあるほど、「じゃあ何ができるか」と楽しみながら探せる点。実際の鹿野さんが、病気が進んで動けなくなればなるほど〝生命力〟をアップしていったと原作にありますが、大泉さんの場合、役者としての動きを封じられるほど、発揮できるものを見つけていったんです。目や眉毛、声の強弱、間など、彼はあらゆる工夫をし、素晴らしい表現につなげてくれました。

(C)2018「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会

(C)2018「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会

――ヒロインの高畑充希さんは、前田監督の「ドルフィンブルー フジ、もういちど宙へ」(2007年)が映画初出演。当時はボーイッシュな初々しい演技でしたが、今回は、どんどん女性として成熟し、包容力を感じさせるような役柄でした。

「ドルフィンブルー」で彼女は14歳でしたが、当時から度胸があって自分の意見をしっかり持っていた。僕は、本人が心から出た表現が一番強いと思っているので、彼女はそういうことのできる〝天才〟だと思います。今回も、シナリオに描かれた心理の変化をしっかり確認して、現場に入ってくれました。お芝居はリアクションなので、彼女と大泉さん、三浦さんの3人がどういう〝アンサンブル〟を見せてくれるかが大きな見どころです。

(C)2018「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会

(C)2018「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会

――常に赤いものを身につけているのも印象的でした。

僕の映画に出てくる女性は、強いんです。パキッとして、凛としていて、ぶれない。そして必ず、赤い服を着ているんです。無意識なので、なぜ赤なのかと問われると困りますが、やはり一番強い色だからでしょうね。ちなみに、僕の映画の男性はだいたいアタフタしています。

(C)2018「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会

(C)2018「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会

――確かに、三浦さん演じる「田中」も当てはまりますね(笑)。田中、美咲以外のボランティアと鹿野さんの関係も、原作同様、心地良く描かれていて素敵でした。

ほかのボランティアと鹿野さんとの関係は劇中で具体的には描いていませんが、実は全員、プロフィールがあるんです。たとえば、渡辺真起子さん演じる「前木」の場合、過去に離婚しかけて鹿野に相談したとか、宇野祥平さん演じる「塚田」はバーテンダーだからいつも白いワイシャツを着ているとか…。それぞれストーリーを背負って、それを含んだ演技を見せてくれています。

――友情出演の佐藤浩市さんも、シーンに重みを加えています。監督の助監督時代をよく知る方だそうですね。

彼が「C(コンビニエンス)・ジャック」という1992年の映画に出演されたのが始まりです。助監督時代に触れ合うものがあり、「僕が監督になったら出る」という約束を、今も律儀に守って下さっている侠気のある方です。

―佐藤さんは、増毛ロケも行われた相米慎二監督作「魚影の群れ」にご出演されています。監督も、相米監督のもと「ポッキー坂恋物語 かわいいひと」で劇場映画デビューされていますが、何かご関係は…。

実は、僕はタイミングが合わず、相米監督の現場には入っていないんです。縁あって、相米さんが総監督を務めた3話構成のオムニバス映画「ポッキー坂恋物語」でデビューさせてもらいましたが。…実は当時、ずっと反発していました。若くて生意気だったし、初監督だったので好きに撮らせてもらいたくて。

―そうでしたか…相米監督の思い出はありますか?

相米さんは、僕にとっての〝鹿野さん〟です。甘え上手で、ワガママ放題で、自由な人。でも、僕の師匠的存在であり、親父のような存在です。誰にでも、そういう存在っているんじゃないでしょうか。映画を作っているときは何かと喧嘩を売っていたんですが、彼の大きさと優しさと愛情を知るのは、映画を撮り終わったときでした。もともとプレゼント・ビデオとして作った作品を劇場で上映してくれたのは彼ですし、映画関係者に褒められたとき、相米さんから「今のは誉め言葉じゃないぞ。器用に映画を作るな。小さくまとまるな」と言われたことは忘れられません。

――ありがとうございます。監督のフィルモグラフィーを拝見すると、「命」、それも、きれいごとではない「生きること」を描くことをテーマとしているように思いますが、いかがでしょうか。

「人が生きることって何だろう」というのは、小さいころから疑問でした。楽しいこともあるけれど、つらいことも多い。必ずいつか終わるのに、嫌な思いと共存しながら、格闘して生きていくのはなぜだろう、と。答えがないからこそ、知ろうとする、考えることが、僕にとっては映画作りなのかもしれません。

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映画は、年齢も国境も超えて楽しめ、認知されやすいメディア。社会を変える力があると、僕は信じています。それは何もメッセージを発するということではなく、映画を観た人が「こんな面白い映画観たよ!」と周囲に話すことが小さな一歩です。映画をまず楽しんで、そこからちょっとした気づき、たとえば今回の映画なら、「車いすの生活ってこんな大変なのか」「ボランティアって案外楽しそうだな」でも何でも受け取り方は多様でいいのですが、そういう話をすることで、ひとり一人が社会に対して思いを持つ大事だと思います。問題意識を持って活動することはもちろん重要ですが、一人でも多くの人が、小さくとも声を上げること、小さな一歩でも踏み出すことが、社会を変える力になると信じています。

――最後に、観客へメッセージを。

札幌市内の色々な場所で撮影し、地元市民も多くエキストラ出演いただいています。映画は1000カット以上あるのですが、1カット、1カットの積み重ねが映画なんです。出演して頂いた人たちのおかけで、その1カットが成立し、結果、映画が生まれていくんです。そういう協力者の方々と、北海道というロケ地のおかげで、映画が豊かになりました。ぜひ、その成果を劇場で見届けてもらいたいです。家族で楽しんで、観終わった後にはいろいろな話をしてほしいと思っています。

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映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」
2018年12月28日(金)全国ロードショー
監督:前田哲、出演:大泉 洋、高畑充希、三浦春馬
公式サイトはこちら

年末年始のお知らせ

平成最後の年末も残りあとわずか。

2018年の北の映像ミュージアム新事務所は、

12月27日(木)までオープンします。

年明けは、2019年1月7日(月)から。

何卒よろしくお願いします!

札幌ロケ「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」の前田哲監督が札幌市長を表敬訪問

12月28日に公開される札幌ロケ&大泉洋主演の
最新作「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」。

(C)2018映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会

(C)2018映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会

札幌に実在した重度の筋ジストロフィー患者・鹿野靖明さんと
ボランティアたちとの交流を綴る渡辺一史さんの傑作ノンフィクション「こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち」(文春文庫刊)を原作に大泉さん、高畑充希さん、三浦春馬さん
出演で映画化した、お正月映画です。

12月17日には、前田哲監督らが秋元克広・札幌市長を表敬訪問。
その模様をご紹介します!

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監督「札幌での撮影はどこも温かく迎えて下さりお世話になりました。ロケの交渉で『鹿野さんの映画です』と伝えると、原作を読まれている方も多くて『だったらどうぞ』と協力的で、さらにその後、主演俳優が大泉さんだと知ると『ぜひぜひ』と(笑)。西区でのロケ中は毎日差し入れもいただき、大泉さんは役柄上10キロ痩せなければいけないので大変だったかもしれません(笑)」

市長「私も原作を読みましたが、モデルの鹿野さんは体の面でハンデがあっても、素直な性格で周囲が気付かされたり救われたり、〝共生社会〟を体現するような存在でした」

監督「実際に鹿野さんのボランティアをされた方が現場にきて、当時を話してくれたことがあり、大泉さんは生の声を聞いてその場でそのシーンを演じるなんてこともありました。彼も入り込みが違ったと思います」

監督「まさに大泉さんのキャラクターにピッタリの役どころでしたね。札幌の街に改めて愛着を持ち、魅力を再発見できる映画でもあるので、公開が楽しみです」

(C)2018映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会

(C)2018映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会

監督「障がい者の方と接するとき、知らぬ間にこちらが遠慮して〝壁〟を作っていることも多く、鹿野さんはそれを『取っ払おうよ』という人でした。確かにぶつからないと分からないこともある。それを恐れずにコミュニケーションを取ることが、まさに〝共生社会〟につながることだと思います」

札幌フィルムコミッションも協力した本作。お礼の意味を込めて、監督から市長にバナナの盛り合わせ(!)が贈られました(笑)。

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フィルムコミッションでは、札幌ロケ地マップを作成したほか、真冬のスタンプラリーも開催中!(~2019年2/28、詳しくはこちら
もちろん、ミュージアム協力のパネル展も絶賛開催中です(詳細はこちら)。
年末年始、家族そろって劇場で笑って泣けるひとときをお楽しみください。
※映画の公式サイトはこちら

ちなみに、ミュージアムでは監督にインタビュー!
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後日レポートをご紹介しますので乞うご期待。

函館で三宅唱監督映画ワークショップ

函館ロケ「きみの鳥はうたえる」の監督で

札幌出身の三宅唱さんが講師となる

映画制作のワークショップが、2019年1月12、13日、

函館で開催されます!

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対象は函館近郊に住む13~29歳、両日参加可能の人。

定員は20人。申し込みは12月30日まで!

めったにないチャンスです。

ご興味ある方はぜひ!

問い合わせはGスクエア(0138‐35‐4000)へ。