オープンまでの道のり⑫~オープン&記念上映会!

本日は、不定期連載「オープンまでの道のり」の最終回。

いよいよオープン!

ミュージアム&上映会場の様子をご紹介します。

◆ ◆ ◆

2011年9月17日、活動の拠点となる「北の映像ミュージアム」が

入る「さっぽろ芸術文化の館」では、

オープニングセレモニーが開かれました。

これまでお世話になった方々、映画関係者の方々を招き、

華々しくテープカットで幕開け!

小檜山館長が、その喜びと感謝を語りました。

同じ日、狸小路5丁目の「札幌プラザ2・5」では、

開館記念上映会として

旧拓殖銀行の拓友会からフィルムの寄贈を受けた「大地の侍」と

「喜びも悲しみも幾歳月」を上映。

行列ができ、急きょ追加上映をするほどの人気ぶりに

我々スタッフも、嬉しい悲鳴を上げました。

映画評論家の川本三郎さんによる

函館出身の女優・高峰秀子さんの魅力を語るトークも実施。

北海道のロケ地としての魅力、映画の奥深さを

再認識するイベントになったと思います。

このイベントから一年が経った今年、開館一周年を記念して、

2012年9月に「シネマの風景フェスティバル2012」を開催します!

※イベント詳細はコチラ

北海道ロケの名作を、一人で多くの方と楽しみたいと思います。

オープンまでの道のり⑪~コレクションの展示

本日は、不定期連載「オープンまでの道のり」をご紹介。

映写機の搬入につづく、

ミュージアムのオープン準備作業を振り返ります。

◆ ◆ ◆

2011年9月17日のオープンまで

カウントダウンが始まったころ。

スタッフは、コレクションの展示作業に取り掛かりました。

竹岡・山田・品田コレクションをはじめ、

理事の高村賢治さんが持参した展示品など

膨大な資料をみなさんにどうお見せするか。

助っ人も駆けつけ、みなで相談しながら並べていきます。

その傍らで、新聞社の取材を受ける和田由美事務局長。

竹岡さんの集めたキネマ旬報も

バックナンバーを確認しながらみんなで並べました。

このときからまもなく一年。

1万人を超える来館者の方々に

展示品を見ていただき、感謝の思いでいっぱいです。

(つづく)

過去の「オープンまでの道のり」を更新しました

2011年9月17日にオープンした「北の映像ミュージアム」。

ホームページリニューアル前にアップした

過去の「オープンまでの道のり」記事を更新しました。

http://kitanoeizou.net/blog/?cat=10

開館までに至る10年間の取り組みを、振り返っています。

オープンまでの道のり⑩~映写機を搬入!

本日は、不定期連載「オープンまでの道のり」をご紹介。

いよいよ開館間近!

ミュージアムのオープン準備作業を振り返ります。

◆ ◆ ◆

2011年、4月にシンポジウムを終え、

スタッフは具体的な開館準備に取り掛かりました。

借りることになったスペースは、当時このような状態。

ここをどうデザインし、何を展示するか。

プロの仲間の助けを借りながら、

何度も話し合いを重ね、頭を悩ませ、

少しずつ作業を進めていきました。

 

そうして9月17日のオープンを前にした8月30日。

まずは、スペースを大掃除し

書籍の一部を搬入。

さらにこの日、展示の目玉となる映写機も設置!

この搬入・設置作業が大変でした。

何と言ってもその重さ、200㎏!

まずは分解した部品を、業者さんがそっと移動します。

梱包を取って、パーツごとに並べます。

1976年製だけあって、レトロな感じがします。

続いて土台を置き、その上にスタンドと呼ばれる足部分を設置。

ここからは、映写機専門の業者さんにバトンタッチです。

このプロ2人組が、慣れた手つきで組み立てていく様子は

とても興味深いものでした。

光を放つ「ランプハウス」をスタンドの上に乗せて

レンズをはめる部分を設置。

フィルムを通す部分は、通称「ミシン」と呼ばれていると

仲間の映写技師さんが教えてくれました。

レンズは画面サイズによって交換するそう。

ここにあるのは、シネマスコープ用の「アナモフィックレンズ」です。

続いて、ランプハウス内に特殊ガラスを設置。

このガラスは熱を遮断する特殊なもの。

フィルムが燃えないよう、光だけ透過する仕組みです。

反射板の部分には、キセノンランプを設置。

この丸い部分は、フィルムを入れる「マガジン」です。

約1時間で作業は終了!

かつて、札幌の「サンピアザ劇場」で

20年間活躍したこの映写機。

いまはミュージアムで、近年急速に失われている

フィルム映写の黄金期を伝えています。

(つづく)

過去の「オープンまでの道のり」はコチラ↓

http://blog.livedoor.jp/nanae7ishiguro/archives/cat_123677.html

オープンまでの道のり⑨~シンポジウム

本日は、久しぶりの不定期連載

「オープンまでの道のり」をご紹介。

長年の活動が実を結び、

ようやく開館が決まったあとの取り組みです。

◆ ◆ ◆

2011年9月の開館を控えた4月、ミュージアムは

シンポジウム「北の映像ミュージアムを考える」を

札幌市教育文化会館で開きました。

タイトル通り、ミュージアムの意義や役割を考えるもの。

「なぜ、いま映像ミュージアムなのか?」と題した

パネル討論には、

メディア論の第一人者・竹邑光裕札幌市立大教授、

ミュージアム理事の高村賢治さん、

シアターキノ代表の中島洋さんが登場。

途中から北海学園大の大石和久教授も加わり、

ミュージアムのあるべき姿について語り合いました。

 

話題は、国内外の映像ミュージアムの事例、

映画の魅力、北海道ロケの特性など広く、深い内容に。

(詳細は会報16号にありますので、

ご興味ある方はミュージアムでお読みください)

参加したスタッフ、お客様みなが

オープンへの期待感を膨らませた時間となりました。

 

そしていよいよ、オープンへの

具体的な作業に取り掛かるのです!

(つづく)

過去の「オープンまでの道のり」はコチラ↓

http://blog.livedoor.jp/nanae7ishiguro/archives/cat_123677.html

竹岡コレクションの全貌を公開!

本日は、ミュージアムの大切な財産

「竹岡コレクション」をご紹介します。

といっても、館内のコーナーのことではありません。

これは、コレクションのほんの一部。

実は、竹岡さんのご自宅に

今も膨大な数の資料が保存されているのです。

竹岡邸を訪れた本日、 その全貌をリポートいたします。

 

まず目を奪われたのは、 大量の本が並ぶ書庫。

映画だけではなく、美術、文芸など 幅広いジャンルの書物がずらり。

 

生前の書斎も、そのままの状態に。

机や周囲の棚に並ぶのは、

愛用品や仕事資料 ビデオ、フィルム、スクラップなどなど・・・

 

 

その充実ぶりを見れば見るほど、 竹岡さんの仕事ぶり、

映画への情熱が 非常によく伝わってきます。

同時に、これだけのコレクションを守り続けてきた

奥様・羊子さんの想いも感じます。

これだけの貴重な資料をどう活用するか。

ミュージアムの課題であり、

大きな可能性だと実感した1日でありました。

オープンまでの道のり⑧~ミュージアム実現へ!

今日も冷え込みの厳しい札幌です。

さて、本日は不定期連載

「オープンまでの道のり」をご紹介。

いよいよ、ミュージアム実現の時が近づいてきます。

◆ ◆ ◆

2010年夏、

ミュージアム活動10年を記念して行った

「シネマの風景フェスティバル」

一週間にわたる一大イベントは、

予想以上の大盛況!

北海道ゆかりの名作人気を裏付けると同時に、

さまざまな人たちにミュージアム活動を

知ってもらうきっかけにもなりました。

そして、なんと、こうした活動を見守ってきた

札幌市から、協力を得られることになったのです!

具体的には、

①札幌商工会議所が運営する
「さっぽろ芸術文化の館」1階の一部を借りられる

②コンビニエンスストアチェーン
「セイコーマート」からの寄付金を原資に活用できる

という、長年の課題だった

「場所」「お金」に一定のめどがついたことが

大きな後押しとなりました。

10年間抱き続けたメンバーの「夢」が

「現実」へと変わる、大きなターニングポイントでした。

メンバーはミュージアムの開設を9月と決め、

2011年2月、記者会見で発表。

さらに、ミュージアムの意義を考え、

オープンへの機運を高めようと、

4月にシンポジウムを開くことにしたのです。

(つづく)

「さっぽろ映画塾」に詰まった映画愛

今日は暖かな札幌。溶けた雪が水たまりを作っています。

さて、ミュージアムの礎を築いた故・竹岡和田男さん。

彼が塾長を務めた「さっぽろ映画塾」(1992‐94年)

の全テキスト資料が今日、

スタッフの村井襄之さんより寄贈されました。

「さっぽろ映画塾」は、札幌の文化人が集まって企画。

月2回・年10回、戦前の邦・洋画を16ミリ上映&レクチャーして、

映画の歴史とその良さを見直そうというものでした。

邦画の講師はもちろん竹岡さん。

一方の洋画は、ミュージアムの初期からのメンバー

故・山田昻さんが務めたそう。

村井さんは当時、新聞で開講を知って受講することに。

自分が生まれた頃の映画が

フィルムで観れることに魅力を感じたとか。

「竹岡さんはずいぶん博学の人、という印象。

山田さんは、本当にミュージカルに造詣が深かったね」

と振り返ります。

1992年1月31日に行われた 記念すべき初回は、

山中貞雄監督の「河内山宗俊」(1936年、日活太秦)

めったに観ることのできないラインアップ。

さらに驚くのは、テキストの内容の濃さ!

作品解説はもちろん、批評抜粋が充実していて、読み応え十分です。

竹岡さんの映画への愛が、情熱が、

ギュッと詰まっているかのよう。

戦前の映画に関する貴重な資料として、

ミュージアムで大切に保存しようと思います。

ご興味のある方は、ぜひミュージアムでご覧ください。

オープンまでの道のり⑦~「シネマの風景フェスティバル」

連日の雪と寒さで、道路が凍ってツルツル!の札幌です。

さて、本日は不定期連載

「オープンまでの道のり」をご紹介します。

◆ ◆ ◆

2010年6~7月。

「北の映像ミュージアム」活動を始めて10年

という節目を記念し、 旧東宝プラザで開催されたのが、

「シネマの風景フェスティバル」です。

〝太陽族〟を体現した石原裕次郎さん

マイトガイと謳われた小林旭さん

任侠映画の大ヒーロー高倉健さん

清純なヒロインを演じた浅丘ルリ子さん

など、映画が黄金期を迎えた昭和30年代の息吹を蘇らせるべく、

選りすぐりのスターが出演した6作品をピックアップ。

6月26日(土)~7月2日(金)の1週間にわたって延べ28回上映し、

スペシャルゲストによる

解説やトークで楽しんでもらうという内容でした。

上映作品とゲスト内容は以下の通り。

●道南ロケ 「赤いハンカチ」(函館)
「ギターを持った渡り鳥」(森町)
ゲスト/作家・評論家 川本三郎氏「ロケ地函館と裕次郎&旭」

●道央ロケ 「白痴」(札幌)
ゲスト/映画評論家 品田雄吉氏「黒澤明監督と昭和の札幌」
「Love Letter」(小樽)
解説/ミュージアム理事 喜多義憲「ノスタルジック小樽」

●道東ロケ 「南極料理人」(網走)
ゲスト対談/沖田修一監督&原作者 西村淳氏「ロケ地網走と南極」
「網走番外地」(網走)
ゲスト/作家 小檜山博氏「網走刑務所とその歴史」

往時のマチの記憶を次世代に伝えようと、

会場には、懐かしのポスターや昭和の狸小路の映画館写真も掲示。

その一部を、現在、ミュージアムにも展示しています。

上映活動の集大成となる

我々NPOにとっては未経験の大規模イベントでしたが、

予想以上の大盛況で終了!

しかし、このイベント開催を告知する2010年6月7日発行の会報で、

ミュージアム理事の喜多義憲はこう書いています。

これからの運動はどうなるのか。
NPO内部には「この10年間、やれるだけのことはやった。
フェスティバルを総決算に運動を一時休止しよう」という意見もごく最近まであるにはあった。(中略)
以上のような厳しい状況なのだが、それでも敢えて言いたい。
「夢はあきらめない」。 (中略)
立派な建物でなくてもよい。
北に生きる者たちが愛してきた映画の息吹を次世代に伝えられるような
「出会いの場」を、粘り強く造っていきたいと思う。

この想いがついに通じ、このイベントが終了した約5か月後、

いよいよ、ここミュージアムの拠点開設に向けて

事態は急展開することになるのです!

(つづく)

いい映画はココロの活力!

今日は肌寒い曇り空の札幌です。

さて、ミュージアムの礎を築いた

故・竹岡和田男さんを〝映画の師匠〟と仰ぎ、

この10年余り、中心的な存在として

ミュージアム活動を支えているのが、

和田由美事務局長です。

札幌の出版社・亜璃西社代表であり、

エッセイストとして各方面で活躍する知る人ぞ知る女性。

北海道キネ旬友の会会長を長年務める、

映画大好き人間でもあります。

そんな彼女のインタビューが、

シニア世代向け生活情報誌「悠悠と。」12月号に掲載されています。

ミュージアムのそもそもの始まり、

オープンまでの裏話、今後の課題など、

和田さんならではのアツい想いが伝わる内容。

その中で、映画の話題だとつい盛り上がってしまう理由を

「心の活力を与えてくれるから」と話しています。

好みは人それぞれですが、

やる気、元気、勇気を出してくれる映画はやっぱりいい映画ですよね。

ちなみに同じ冊子内には、

和田さんの連載コーナー「いつだって根無し草」も。

今回のタイトルは「映画ロケ地に観る札幌」。

「探偵はBARにいる」を中心に、

古今の札幌ロケ映画について語っています。

最新号の会報の冒頭、映画評論家・品田雄吉さんの寄稿文の中で、

ミュージアムの〝生きたシンボル〟と紹介された和田さん。

彼女のミュージアムへの、映画への情熱が伝わる一冊。

ご興味のある方は発売元の(株)エヴァナムHPより、

お買い求めください↓

http://www.evanam.jp/