9/12(土)に行われた
北の映像ミュージアム開館4周年記念イベント
「シネマの風景 特別上映会」。

午前の部で、「北の舞台に生きた、健さん」と題して
トークを行ったのは、ミュージアム副館長の高村賢治理事です。

高村さんは、健さん出演作204本のうち、北海道ロケ作31本を
①地方都市の雄大な自然や街並みをうまく魅せてくれた
➁北海道を支える産業の歴史や問題点、行く末を伝えてくれた
の2つの観点から捉えることができると説明。

①の場合、有名な「網走番外地」シリーズ
(18作中、14作が北海道ロケ)のロケ地を取材した経験を語り、
「既に時が風景を変えていた。フィルムの中に残っている風景は
貴重な映像史料だと改めて実感しました」と紹介。

また、➁の場合、
「ジャコ萬と鉄」ならニシン漁のヤン衆における労働問題、
「幸福の黄色いハンカチ」なら石炭産業への敬意、
「遙かなる山の呼び声」なら離農の宿命、
「鉄道員(ぽっぽや)」ならローカル線の現実と展望・・・と
代表作の読み解き方を熱く解説。

「健さんは、北海道の自然、文化、街並み、産業の価値を
映画を通して分かりやすく、面白く見せてくれました」と語りました。

さらに、今回上映した「森と湖のまつり」は
アイヌ民族の宿命がテーマにあるとし、
「北海道の大自然を背景にしたラストの対決シーンは
まるでギリシャ悲劇。映像のレベルも高く、見事な作り!」と絶賛。
最後には、高村さんがかつて、一度だけ健さんにお会いした時の、
とっておきのエピソードを紹介してくれました。

さて、会場にお越しいただいた皆様、
楽しんでいただけたでしょうか。
今後もお話する機会があるので、ぜひ彼の映画愛に触れてみてください!
改めて、今年もイベントが無事終了したことを感謝します。

どうぞ今後も北の映像ミュージアムをよろしくお願いします。