第2回シネマトーク@書肆吉成は終了しました

書肆吉成・丸ヨ池内GATE6F店を会場に、

毎月第3土曜日午後2時~開催する

ミュージアムイベント「シネマトーク」。

第2回「わたしのシネマ・グラフィティー フランス番外編

ー1年間のパリ研修を終えてー」が20日、開催されました。

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北海学園大学教授の大石和久理事が、

パリ研修の経験談を語りました。

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ご参加くださった方々、ありがとうございました。

第3回は8月17日(土)午後2時から。

理事の加藤敦(北海道新聞出版センター)が

「映画で旅する駅」について語ります。

どうぞお楽しみに!

最後のシネマ塾レポート「空の穴」

5月19日、このミュージアムで最後となる

「北のシネマ塾」が行われました。

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取り上げた作品は2001年の熊切和嘉監督、

帯広ロケ「空の穴」。

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トークを担当した安倍雄也理事は、

「まさか自分が最後を担当するとは思っていませんでした」

と緊張しつつ、作品への思いを紹介。

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学生時代に映画館で見たことを振り返り、

「見れば見るほど、噛めば噛むほど味の出る映画」と語りました。

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熊切監督の描く北海道について

「暗い閉塞感が漂っているよう。帯広出身の監督だからこそ

描ける雰囲気であり、風景ではないか」と説明。

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また、熊切監督と高校の同窓生だという知人に聞いた

秘話なども交え、貴重な監督の素顔を明かしました。

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さらに、出演者のコメントを取り上げ、

その後の活躍ぶりとして、自分の好きな作品を紹介。

「熊切監督をこれからも応援したい」と力強くまとめました。

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最後は、司会の佐々木純理事長とあいさつした安倍理事は、

「別な場所で次があれば、ぜひ『シムソンズ』を紹介したい」とも。

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ご参加くださった方々、ありがとうございました。

またいつか、お目にかかる日を楽しみにしています。

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4月「北のシネマ塾」レポート!ソ連映画の傑作「鶴は翔んでゆく」

4/21(土)、ミュージアムで行われたイベント「北のシネマ塾」。

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1957年のソ連映画「鶴は翔んでゆく」をテーマに、高村賢治副館長がトークを担当しました。

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1958年時、日本では「戦争と貞操」というスキャンダラス(?)なタイトルで公開されたという本作。実は、わたしスタッフ・アラタメも、この日司会を務めた和田由美理事も、そして、この日ご参加くださった方々の多くも、どんな作品なのかよく知りませんでした。

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なぜこの映画を選んだのか。
高村副館長は一枚の映画チラシを取り出しました。

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昨年9月、日本公開されたエミール・クストリッツァ監督の映画「オン・ザ・ミルキー・ロード」です。

この作品の前半、ヒロインのモニカ・ベルッチが観て、涙した作品が、これなのだとか! 「わずかですが、ラストシーンが劇中に映ります。そして、この映画に泣いた女性なら結婚相手にふさわしい…という流れになるのです。この作品を選んだエミール・クストリッツァ監督の意図を汲み取りたくて、皆さんと考えたいと思いました」と高村副館長。(わたしはこの映画をきっかけにクストリッツァ監督ファンになったので、大喜びでした!)

というわけで、まずは本作のご紹介を。
映画「鶴は翔んでゆく」は、1941年のモスクワが舞台。

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ヒロインの女性・ヴェロニカ(タチアナ・サモイロワ)は、恋人・ボリス(アレイクセイ・バターロフ)との愛を戦争によって引き裂かれ、さらなる悲劇に見舞われながらも生きていく物語。

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戦後、官僚的映画行政の締め付けで無味乾燥な作品が大半を占めたソビエト。本作は、イデオロギーではなく、男女の恋愛を中心に描き、ソビエト映画初のカンヌ国際映画祭グランプリに!〝ニュー・ソビエト・シネマ〟の到来を世界に発信した名作なのだそう。
全世界の名監督が見て、自作に取り入れています。たとえば、戦後未亡人というモチーフは、『東京物語』『おかあさん』などにみることができます」と高村副館長。

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本作の冒頭とラストに登場する大事なモチーフ「鶴」について、高村副館長は「〝希望〟と〝国の変革〟のイメージを投影し、集約させています」と説明。
そして、この映画の魅力を「悲恋を読み取らせる〝光と影〟」「絵画的な構図の素晴らしさ」「ネオリアリズム的な家庭の描き方」…など次々と解説し、「見事な〝映画言語〟が組み込まれています!」と絶賛しました。

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さらに、「カメラ技術の凄さ」に注目し、その秘密を説明。「まるで生き物のように素早い動きは、劇中の小道具・リスのぬいぐるみをイメージし、それが映画のアクセントになっています。これは、ヴェロニカの性格も表現しているのではないでしょうか」と持論を展開しました。

ほかにも、モンタージュの秀逸なシーンや、映画史における影響などなど、高村副館長ならではの深くて面白い映画の楽しみ方を紹介。ラストシーンに触れ、「赤ちゃんを登場させるのは、次世代への継承を意味し、見事な演出! 北海道を舞台にした名作『大地の侍』にも共通します」と読み解きました。

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最後に、クストリッツァ監督とのつながりについても紹介。劇中に美しい花嫁が出る点を挙げ、「実は、クストリッツァ監督の作品も〝花嫁〟が隠れたテーマなのです」と紹介したところ、参加者の方々も興味深げ。

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実はこの日、たまたま札幌プラザ2・5で、クストリッツァ監督の「アンダーグラウンド」の上映会が予定されていました。ちょうどシネマ塾の直後だったのでご案内したところ、2人の参加者が「行ってみます!」と当日券を買い求めに行かれました。

60年前のソ連の映画が、数々の名作や現代映画につながっていることを実感できる、貴重なひとときでした。ご参加くださった方々、ありがとうございました。

お伝えした通り、「北のシネマ塾」はあと1回(5/19「空の穴」※詳しくはこちら)で終了となります。ぜひ次回もお越しください。

「北のシネマ塾」4月終了&5月が最後になります

先週土曜日に行われた「北のシネマ塾」。

ソ連映画「鶴は翔んでゆく」をテーマに

高村賢治副館長が魅力を語りました。

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トークの内容は後日ご紹介するのでお楽しみに。

さて、そして大事なお知らせです。

「北のシネマ塾」は、移転に伴い、

予定を変更し、次回5月が最終回となります。

6月の映画グラフィティーを楽しみにされていた方、

申し訳ありません。

次回ラストは・・・

5/19(土)午後2時~

「空の穴」をテーマに、安倍雄也理事が語ります。

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ぜひぜひお越しください!

今日は「北のシネマ塾」!「鶴は翔んでゆく」

ミュージアムの月イチトークイベント「北のシネマ塾」。

本日午後2時からは、

1957年のソ連映画「鶴は翔んでゆく」

(ミハイル・カラトーゾフ監督)をテーマに開催します!

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公開時のタイトルは「戦争と貞操」。

トークは映画研究家の高村賢治副館長!

入場無料、当日参加OK!

どうぞお越しください。

3/17(土)は「北のシネマ塾」!テーマは「網走番外地 大雪原の対決」

毎月第3土曜日の午後にミュージアムで開催している

トークイベント「北のシネマ塾」。

3月17日(土)午後2時からは、

「網走番外地 大雪原の対決」をテーマに、

北海学園大教授の大石和久理事が語ります。

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入場無料、ぜひご参加を!

2月の「北のシネマ塾」レポート「飢餓海峡」

2月17日(土)、ミュージアムのミニイベント

「北のシネマ塾」が開催されました。

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今回は大作「飢餓海峡」(1965年、内田吐夢監督)がテーマ。

初参加者の方も含め約10人が集まりました。

残念ながら私・新目は途中退席したので、

トークを最後まで聞けませんでしたが、

トーク担当の小田島敏朗常務理事に事前に伺ったところ、

映画のモチーフとなる「洞爺丸台風」が、

いかに北海道の産業、歴史に爪痕を残したか。

また、彼独自の見方として、作品と満州のつながりを披露。

満洲映画協会理事長を務め、終戦直後、 服毒自殺した

(その場で内田吐夢監督が看取った)甘粕正彦と、

映画で三國連太郎演じる主人公・犬飼との

関連性を指摘したそう。

かなり刺激的なトークだったようで、

この日参加された方々はラッキーだったと思います!

改めて参加者の方々、ありがとうございました。

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さて次回は・・・

3月17日(土)午後2時~、

「網走番外地 大雪原の対決」を紹介。

トーク担当者は、北海学園大教授の大石和久理事です。

どうぞお楽しみに!

2/17の「北のシネマ塾」は「飢餓海峡」!午後1時からスタート

ミュージアムで行うトークイベント「北のシネマ塾」。

2月17日(土)のテーマは「飢餓海峡」(1965年、内田吐夢監督)。

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トーク担当は小田島敏朗常務理事です。

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今回は、通常より1時間早い

午後1時からスタートとなります!

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参加無料、当日参加OK。

お待ちしております。

1月のシネマ塾レポート!「私の好きなミュージカル映画」

1/20(土)にミュージアムで行われたイベント「北のシネマ塾」。
「第8回映画ファンの集い」と題して、
「私の好きなミュージカル映画」をテーマに語り合いました。

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年明け最初、雪深い休日の午後、
どれだけの人にお越しいただけるかちょっと心配でしたが、
常連さんのほか、関西から旅行中の若者の飛び入り参加も含め15人。

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さっそく机を囲み、順番に思い出深い作品を発表。
口火を切ったのは、映画に詳しい常連のIさん。
なんと、ライザ・ミネリ主演「キャバレー」の曲を
自ら和訳してきてくださいました!

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その曲の歌詞の良さに触れ、
「昨年の社会派映画の傑作『わたしは、ダニエル・ブレイク』
にも通じるメッセージを感じる。先見の明が素晴らしい!」と熱弁。

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また、「ウエスト・サイド物語」を挙げた方には、
「オープニングシーンから驚いた」「ジョージ・チャキリスの紫のシャツに憧れた(笑)」 「札幌の松竹座の封切で見た人は幸せ!」などの会話が飛び交いました。

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近作では、「ラ・ラ・ランド」も話題に。
劇中に一瞬登場するランプについて、
「コレクターに人気の高い有名なランプなんです!」という豆知識が飛び出し、改めて、ワンシーンの細部までこだわる作り手の情熱を実感しました。

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ほかにも、「シェルプールの雨傘」「ダンサー・イン・ザ・ダーク」「グリース」「ヘアスプレー」「サウンド・オブ・ミュージック」「マイ・フェア・レディ」「メリー・ポピンズ」…などなど、次々映画タイトルが出てきて、ミュージカル映画の幅広さを改めて再認識。

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和田由美事務局長は、ミュージアムの礎を築いた
故・竹岡和田男さんに教わった作品として「トップ・ハット」を紹介。 フレッド・アステア&ジンジャー・ロジャースの名コンビによる優雅なダンス、華麗な衣装、豪華なミュージカルセットに酔いしれる一幕もありました。

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ミュージカル映画の名作から話題作まで、
その魅力を堪能し、盛り上がったひとときとなりました。

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ご参加くださった方々、ありがとうございました。(新目)