7月のシネマ塾レポート「流れる」

ミュージアムを舞台にした毎月第3土曜日

午後のトークイベント「北のシネマ塾」。

今月7/15は、「流れる」(1956年、成瀬巳喜男監督)

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をテーマに、安倍雄也理事が話しました。

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芸者の置屋を舞台にしたこの作品。

女主人・つた奴(山田五十鈴)の娘を演じる

高峰秀子さんだけ洋服を着ていることに注目し、

監督の意図などを解説。

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「個人的には、特に杉村春子さんが強烈!

大女優・栗島すみ子さん、田中絹代さん、

色気のある山田五十鈴さん…と、女優さんの演技合戦が

楽しめる凄い作品だと感じました」と熱弁を振るいました。

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原作を読んだ感想を交え、映画との差異の楽しみ方や、

同じく芸者世界を描いた作品、

お手伝いさんが主人公の作品なども紹介。

お客様からも感想や意見が飛び出し、

楽しいひとときとなりました。

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ご参加くださった方々、ありがとうございます!

さて次回は、8/19(土)午後2時から、

取り上げる作品は「遠い雲」です。

遠い雲

トーク担当は高村賢治副館長。

どうぞお楽しみに!

6月のシネマ塾レポート「乱れる」

毎月第3土曜日、ミュージアムで開催する

ミニベント「北のシネマ塾」。

6月17日は、高峰秀子主演「乱れる」

(1964年、成瀬巳喜男監督)をテーマに、

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高村賢治副館長がトークを務めました。

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高村副館長はまず、「メロドラマとサスペンスが合体した珍しい成瀬作品。男女が侵してはならない一線を越えるかどうか、がドラマとしての面白さ」と紹介。

前半は「高峰さんの演技に、加山雄三さんは応えきれていない」と厳しい批評をしたのに対し、「告白シーンからの後半は、成瀬監督の演出が素晴らしく、何度見てもいい」と絶賛!

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特に、劇中に登場する「橋」や「着物」がどんな意味を持つのか、独自に分析したほか、「告白シーンは、照明の使い方や高峰さんの動きによって緊迫感が高まるよう、計算された演出が光る」と解説。

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また、高峰さんの演技が「心の葛藤や乱れを、目や眉毛、口元で表現するなど見事!」と大絶賛。名演シーンを3つ選び、熱く語りました。

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また、ロケ地となった温泉街も紹介。ほかの作品のロケ地も挙げ、「成瀬作品では、男女が愛を完成させるため温泉に行くシチュエーションが出てくる」と紹介。遺作となった「乱れ雲」をリアルタイムで見たときの思い出や、「この作品の加山さんの演技は素晴らしい。ぜひこちらも見てほしい」と語りました。

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ご参加くださった方々、ありがとうございます。

次回は7/15(土)。

テーマは「流れる」です。ぜひどうぞ!

流れる

2017年後期のシネマ塾スケジュールの発表!

先週土曜日に2017年前期最後のシネマ塾

「乱れる」を終えたところですが、

さっそく後期のスケジュールを発表します!

●7月15日 「流れる」(1956年、成瀬巳喜男監督)
トーク:安倍雄也理事

流れる

●8月19日 「遠い雲」(1955年、木下恵介監督)
トーク:高村賢治副館長

遠い雲

※9月はシネマの風景特別上映会のためお休み

●10月21日 「カルメン純情す」(1952年、木下恵介監督)
トーク:大石和久理事

カルメン

●11月18日「永遠の人」(1961年、木下恵介監督)
トーク:小田原賢二副理事長

永遠の人

●12月16日
浦田久&和田由美の映画グラフィティー
〝まだビリー・ワイルダー〟「サンセット大通り」

サンセット

というわけで、好評につき、

後期も高峰秀子さん特集を続けます!

常連のお客さまも、初めての方も、ぜひ。

毎週第3土曜日午後2時から、参加無料です。

お待ちしております!

5月のシネマ塾レポート「女が階段を上る時」

毎月第3土曜日の午後、
映画をテーマにした〝昼下がりトーク〟を楽しむ
ミュージアムのミニイベント「北のシネマ塾」。
5/20(土)は、企画展のテーマ
「映画の女神、今ふたたび。女優・高峰秀子」に関連し、
「女が階段を上る時」(成瀬巳喜男監督)を取り上げました。

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さすが銀幕の大スターだけあって
毎回多くの方にお越しいただいておりますが、
この日は2017年前期最多の30人以上がご来場!

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ありがとうございます!
「成瀬作品の中でもこの作品が一番好き」という
和田由美理事のトークにも熱が入りました。

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和田理事は、『鰯雲』『稲妻』と並んで
〝自立する女〟を描いた成瀬作品のひとつと説明。
「驚くのは、ここまで女を描いた脚本家が
菊島隆三という男性だということ!」と話し、
「誰にも頼らず、ラストシーンでは自分で階段を上っていく。
自立する女性像を、1960年に描いたことが凄い」と語りました。

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そして、この作品の魅力のひとつに
「セット・美術の素晴らしさ」があるとし、
高峰秀子演じる雇われママの働く銀座、アパートのある青山、
実家のある下町の界隈性の見事さを力説。

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また、男・女のタイプがよく描かれている点を挙げ、
森雅之、加東大介ら客の男や、
高峰、淡路恵子、団令子ら銀座の女の設定の妙を紹介。
団の仕草など、細やかな点まで行き届く演出にも注目し、
成瀬監督が〝やるせなきお〟と呼ばれた所以を
ユーモラスに解説しました。

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さらに、セリフに登場する細かい金銭感覚や
今川焼などの小道具にも触れ、
ディティールを味わう映画の楽しみ方も紹介。

「古い映画は、風俗を含めて入りきれず、残念な作品もある中、
ディティールまで古びないのが、名作の凄さ!
これが一流の人たちによる名画」と絶賛しました。

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最後に、高峰秀子の名女優ぶりに触れ、
「悲しいときや嬉しいとき、
少女のように恋をする表情を見ると、
並みの人でないことがわかる。
子役から女優に大成した例は世界でも稀。
そんな女優さんが函館出身であることを
ぜひ覚えていてほしい」と訴えました。

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お客様からも「衣装は高峰さんが担当したの?」
「学生の時に見て、高峰さんの清潔さ、女らしさが印象的だった」
など質問や感想が飛び出し、楽しいひとときとなりました。

ご参加くださった方々、改めてありがとうございました。
次回のシネマ塾は
6/17(土)、テーマは「乱れる」(成瀬巳喜男監督)。
トーク担当は高村賢治副館長です。
どうぞお楽しみに!

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5/20(土)はシネマ塾!「女が階段を上る時」

月に一度のミュージアムミニイベント「北のシネマ塾」。

今月は5/20(土)午後2時から。

「女が階段を上る時」(1960年、成瀬巳喜男監督)をテーマに

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和田由美事務局長が語ります。

お越しの際は、函館出身の女優・

高峰秀子さんの特集展示も併せてお楽しみください。

4月北のシネマ塾リポート「煙突の見える場所」

月イチ開催、ミュージアムのイベント「北のシネマ塾」。

〝映画の女神、今ふたたび。女優・高峰秀子〟のテーマのもと、

4/15は、「煙突の見える場所」をテーマに

安倍雄也理事がトークを務めました。

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まず、「皆さん、何をきっかけに映画を見ますか」と

お客様に問いかけた安倍理事。

好きな俳優、監督…などと同じように、

〝風景〟をキーワードに映画を見る楽しみを解説。

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「この映画に出てくるおばけ煙突も主役のひとつ。

懐かしむ人もいれば、新鮮にうけとめる人もいるはず」と話し、

「4本の煙突が4人の心理描写を表しているとすれば、

最後に1本になることで、4人の気持ちが

ひとつに合わさったといえるかもしれません」と分析しました。

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また、映画のほか、小説やマンガ、アニメなど

おばけ煙突が出てくる関連作品をピックアップし、

「高い建物が東京の下町の象徴とするなら、

東京タワー⇒スカイツリーと移り変わり、

次は何が出てくるでしょう」とユニークな持論を展開。

会場には、常連客のほか、高峰ファンらしき方もいて、

今なお女優・高峰さんの人気の高さを実感したひとときでした。

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さて、次回のシネマ塾は・・・

5/20(土)午後2時から

「女が階段を上る時」をテーマに、

和田由美事務局長が語ります!

どうぞご参加ください。

★ちなみに、この作品にも「おばけ煙突」が登場。

安倍理事いわく「高峰さんと再演を果たしています」!

15日(土)はシネマ塾!「煙突の見える場所」

函館出身の女優・高峰秀子にスポットを当て、

出演作をご紹介している「北のシネマ塾」。

4/15(土)は、

「煙突の見える場所」(1953年、五所平之助監督)がテーマです。

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トークは安倍雄也理事が担当。

午後2時から、参加自由&無料です。

どうぞお気軽に足をお運びください!

4月の「北のシネマ塾」は「煙突の見える場所」!

ミュージアムの月イチ・ミニイベント「北のシネマ塾」。

4/15(土)午後2時からは、

「煙突の見える場所」(1953年、五所平之助監督)を取り上げます。

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トークの担当は、安倍雄也理事。

函館出身の女優・高峰秀子にちなんだ作品を紹介するこの企画。

ご参加の際は、館内の掲示物もご覧ください!

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