6回にわたってご紹介した
「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」(2月21~25日)
トークイベント「北海道ロケトークスペシャル
~映画が地域に出来ること、地域が映画に出来ること」。
リポート最終回をどうぞ。
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司会/澤田さん、面白かったですね。
ゆうばり映画祭・澤田直矢さん(以下、澤田)/ここまでバリエーションがあるとは・・・改めて、映画って自由だな、と感じました。
司会/さらに皆さんから、一言ずついただきましょう。
「スイート・ハート・チョコレート」の篠原哲雄監督/地域ならではのチカラ、北海道独自のチカラもあるけれど、やっぱり「人」なんですね。北海道の方とは、ロケの後もコミュニケ―ションが続いているんです。それは、映画への愛情もあるだろうし、今回のイベントのように、映画祭でもつなげていこうとする動きなど、とにかく「人」が大切。函館も夕張も、またロケに来たいと思うのは、映画に対する「人」の愛着に魅かれてる部分が大きいです。
「じんじん」・深津修一プロデューサー/映画作りは、お金集めが本当に大変なんです。「志」だけでやって失敗すると、本当に辛いし、実際わたしは多額の借金も背負っています。いま日本映画は年間600本以上作られていて、公開は400本ほど。知名度のない原作を映画化しても勝てない現状です。それでも、既存の映画館だけに頼らず、地域の人と一緒に!という意気込みで、北海道のテーマを自分たちで映画にする取り組みを続けたい。地方から発信したいと思っています。「じんじん」、応援してください。
「探偵はBARにいる2」・須藤泰司プロデューサー/ちなみに、僕が言うのも何なんですけど、深津さんの関わった「レオニー」も、「ピアノ・レッスン」みたいな雰囲気で、非常に好きな映画。もっと多くの人に見られてしかるべき作品だと思います。僕は札幌で生まれ育った人間なので、もっと素敵な作品が北海道で撮られればいいな、と思っています。「探偵」は、札幌に腰を落ち着けてシリーズ化し、「北海道の映画」として、映画史の片隅においてもらえる作品にしたいと思っています。
さっぽろ産業振興財団・一橋基さん/このメンバーで、唯一わたしだけが映画の作り手ではなく、地域代表。産業振興の観点から、コンテンツ特区に取り組んでいますが、映画が地域にくることは、地域を元気にするんです。今後は、ただ地域が映画を待つだけではなく、売りたいもの、見せたいものを映画の中に取り入れてもらう、映画作りにより関われる、応援できるようになればと思っています。
「しあわせのパン」・鈴井亜由美プロデューサー/北海道には景色や食だけでなく、家具や食器などの「プロダクツ」も素晴らしいものがあります。一橋さんがおっしゃったように、そうしたものを伝え、北海道の魅力を詰め込むことで、コンテンツ産業だけでなく、ほかの産業にもつながっていくはず。北海道のプロダクションとして、道民を応援する映画作りを続けていかなければと思います。
司会/ありがとうございました。苦労話から希望に満ちた話まで伺いましたが、最後に澤田さんいかがですか?
澤田/実は、今後もまだまだ北海道ロケの新作が公開される予定です。暗いニュースも多いですが、これだけの想いを持って映画を発信することに、希望を感じました。
(おわり)