「北海道フィルム・アートフェス」特集①~「海炭市叙景」

8月30日(土)から始まる

「北海道フィルム・アートフェスティバル」。

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札幌国際芸術祭の関連事業として、

北海道ゆかりの監督や作品がシアターキノで上映されます。

中には、この機会しか観れないような作品も。

せっかくなので、細かく上映作品や企画をご紹介いたしましょう!

今回はコチラ!

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招待作品のひとつ、函館ロケ「海炭市叙景」です。

2010年公開作で、監督は帯広出身の熊切和嘉さん。

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紋別ロケの最新作「私の男」がモスクワ映画祭最高賞を獲得し、

いま最も注目される監督さんのひとり。

「海炭市叙景」についての詳細はコチラをチェック

ここで力説したいのは、

私アラタメが、この映画ロケをお手伝いしたため、

この作品に並々ならぬ思い入れがあるということ!(笑)

チラシに使われた上の写真も、

実は、私が撮影したものなのですっ!

ということで、今回は秘蔵の撮影風景をご紹介。

熊切監督とトキさん

 

 

 

 

弥生小

 

 

 

 

 

どつく黒沼さん

 

 

 

 

 

山頂2

 

 

 

 

 

山頂5

 

 

 

 

 

集合

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ご覧になった方なら、「あのシーンだ・・・」とわかるはず。

キノでも大ヒットし、その年のベストワンにも選ばれた本作。

当日は、熊切監督も来場し、トークするとのこと。

ぜひ会場へ足をお運びください!

*  * *

「海炭市叙景」
9月4日(木)18:50~21:30(熊切監督トークあり)
会場:シアターキノ
※フェスの詳細はコチラ

函館ロケドキュメンタリー「書くことの重さ」11月に上映!

函館ゆかりの作家・佐藤泰志の生き様に迫る

ドキュメンタリー「書くことの重さ 作家佐藤泰志」

のポスターがこのたび、届きました。

11月9日(土)からシアターキノで公開予定です。

函館ロケの再現ドラマもあるこの作品。

先行上映のレポートはコチラをどうぞ。

全国版の予告編DVDをご寄贈いただきましたので、

ご興味ある方はミュージアムでご覧ください!

函館出身・佐藤泰志ドキュメンタリー先行上映レポート!

5回芥川賞候補になりながら、受賞ならず、

1990年に40歳の若さで亡くなった函館出身の作家・佐藤泰志。

彼の生き様に迫るドキュメンタリー

「書くことの重さ 作家佐藤泰志」が完成しました。

11月の札幌公開に先立ち、6日(火)キノで行われた先行特別上映会での

稲塚秀孝監督と加藤登紀子さんのトークをご紹介します。(以下、敬称略)

稲塚/私は苫小牧出身で、佐藤泰志とはほぼ同世代なんです。第5回有島青少年文芸賞優秀賞に選ばれたものの、道新への掲載を拒否された「市街戦の中のジャズメン」を「北方文芸」(「市街戦のジャズメン」と改題)で読み、同じ高校生として凄まじい筆力だ!と感じました。手紙のやりとりを何度かしたことがあり、亡くなった後も心に残っていたんです。ずっとテレビの世界にいましたが、今回、この記録映画を作ることができて、彼の実人生にどれだけ迫れるかは分かりませんが、こうして観ていただけて嬉しいです。

加藤/私は、映画のドラマ部分で佐藤の母役を演じています。私は佐藤さんより6才年上なんですね。それで今回、初めて佐藤さんの作品を読み、20代の古いモラルを捨て、新しい生き方、自由を求めた若者が描かれていて、分かる!と新鮮な思いでした。

佐藤さんの母親は、佐藤さんとガラリ違って時代の古い人。青函連絡船を使って青森から米を持ってくる「担ぎ屋」の仕事をやっていました。写真で拝見しただけですが、大陸的で力強く、がっしりした方。小柄な私はソックリにはなれませんが、雪の舞う寒い季節に、函館で、実際に60㎏の重い荷物をリヤカーで引くという滅多にない経験をさせてもらいました。函館ロケは、『居酒屋兆治』以来なので、懐かしかったです。

戦後生まれの佐藤は、(母親たち世代の)古さ、重さをかなぐり捨てて、自分の存在証明を探す若者たちの小説を描いていますが、母親の持つ意味を考えると、当時の担ぎ屋たちの連帯感や、市場での昔ながらの会話は、佐藤の周辺に常にあったはず。でも、彼は対立してあがき、とうとう亡くなってしまうわけですけれど、そうした対比が描けたのではないかと思います。

稲塚/実際の担ぎ屋さんたちは、200㎏以上の荷物を運ぶこともあったそうですね(「え!そんなに重かったんですか!!」と加藤さん)。彼らが運ぶのはヤミ米なので、立ち入りが入れば没収されるというリスクの高い仕事でしたが、佐藤はそんな仕事を続ける両親を尊敬し、リスペクトの言葉を残していることは、同世代としてステキだと思います。

また、友人との交流から、友情のあつさも分かります。彼は小説だけではんく、手紙やハガキのやり取りにも力を注ぎました。3年前には『海炭市叙景』が、来年には『そこのみにて光輝く』が公開されるこのタイミングでこのドキュメンタリーができたことは偶然ですが、こうして観てもらえてうれしいです。

以上です。

映画では、佐藤泰志本人の映像も出てきてビックリ!

彼の朴訥とした語り口や、その肉声を聞くと

改めて彼の遺した小説を読み直したくなりました。

映画は11月9日(土)~15日(金)にシアターキノで上映!

公式サイトはコチラです。

函館出身の作家佐藤泰志ドキュメンタリー、6日にキノで先行上映!

函館出身の作家・佐藤泰志とは、

村上春樹や中上健次らと並び評されながら、

1990年に自ら命を絶った不遇の小説家。

彼の生き様に迫ったドキュメンタリー

「書くことの重さ 作家佐藤泰志」が、

8月6日(火)19時から、シアターキノで先行特別上映されます!

ゲストに、加藤登紀子さん、稲塚秀孝監督を予定。

前売りチケットを販売中。※詳細はキノサイトへ。

佐藤泰志といえば、2010年の

「海炭市叙景」(熊切和嘉監督)映画化を機に、原作本が次々と復刻。

今夏には、同じく函館で「そこのみにて光輝く」が映画化されています。

海炭市を観た方も、観ていない方も、ドキュメンタリーを通じて

原作者の生き様に触れてみませんか。

11月9日~15日に、キノでロードショー。

※作品公式サイトはコチラです

函館ロケ「そこのみにて光輝く」がいよいよ始動!

2010年の函館ロケ

「海炭市叙景(かいたんしじょけい)」をご存じですか?

原作は、地元出身の作家・佐藤泰志さんの同名小説。

市民が中心になって映画化を企画し、実現しました。

当時函館に住んでいたわたし(こと新目)も、

市民スタッフとして参加!

その思い出は色褪せず、今も輝いています。

さて、その佐藤泰志小説の映画化第2弾となる

「そこのみにて光輝く」の撮影が、とうとう今年始動!

監督は、呉美保(お・みぽ)さん。

右は、プロデューサーを務める函館の

市民映画館「シネマアイリス」代表・菅原和博さん。

15日、函館で記者会見が行われました。

呉監督は、大阪芸術大映像学科卒業後、

大林宣彦事務所に入社。フリーになったのち、

2007年に「酒井家のしあわせ」で監督デビュー。

2作目「オカンの嫁入り」では、

新藤兼人賞金賞など、高い評価を受けました。

会見前日、仕事で函館にいたわたしも監督に

お会いしましたが、凛とした強さを感じさせるステキな方。

原作は、北の街に生きる男と

バラック小屋に住む女との出会いを描いたストーリー。

青春の夢と残酷を結晶させた傑作とされています。

映画に愛されるマチ・函館から、どんな作品が生まれるのか。

楽しみにしています!

函館ロケ地めぐり~後編

映画に愛されるマチ・函館。

ロケ地めぐりの後編をどうぞ。

* * *

十字街電停から湯の川方面行きの市電に乗車。

(写真は谷地頭行きです)

五稜郭へ向かう途中、映画イベントのチラシを発見。

これは、「北海道ユニバーサル上映映画祭」のPRチラシ。

この映画祭は、障害がある人もない人も

一緒に映画鑑賞を楽しめる環境を整えよう!という趣旨で

市民が主催し、今年7年目を迎えます。

全上映作品に、独自に日本語字幕や音声ガイド、

「ミュージックサイン」(映画の効果音や背景音を

身振り手振りなどで示す表現方法)を付けるという

地道で、素晴らしい取り組みを行っている映画祭なのです。

メインの映画祭は例年9月ですが、

関連イベントとして単発上映会なども企画。

今回は、6月2・3日に行われる七飯上映会のお知らせ。

「がんばっぺ フラガール!」&「フラガール」を上映するそう。

ご興味のある方、ぜひご参加ください!

公式サイトはコチラ↓

http://inclusive-t.com/local/hokkaido-universal-movie/

約30分で、五稜郭に到着。

向かったのは、地元の市民映画「シネマアイリス」です。

五稜郭の電停から徒歩3分の場所にあります。

館内入って左手に、気になるポスターを発見!

これは、「海炭市叙景」(2010年、熊切和嘉監督)のポスター。

それも、「松本シネマセレクトアワード最優秀作品賞」の

副賞でもらった、世界に一点モノだそう!

加瀬亮さんの息子役を演じた小山耀くんの顔が

印象的にデザインされています。

この小山くん。地元オーディションで抜擢され、

この映画出演をきっかけに、なんと芸能界デビュー!

ドラマ「鈴木先生」にレギュラー出演しておりました。

ということで、この映画「海炭市叙景」を企画した

シネマアイリス支配人・菅原和博さんです。

菅原さんは現在、

佐藤泰志作品の映画化第2弾を企画プロデュース!

作品はズバリ、「そこのみにて光輝く」。

「年内の撮影を目指して準備中。

いい作品なので、ぜひ原作を読んでみてください!」とのこと。

実はこの原作。

「海炭市叙景」映画化の話が盛り上がる前に、

関係者の間で「映画化したらいいよネ」なーんて話題になった作品。

あの時は冗談半分でしたが、それがいま

こうして実現になりつつあるんて・・・不思議な気持ちがします。

成功するよう、応援しております!

原作は、昨年4月に文庫化もされましたので、ぜひ。

 

そんなこんなで、最後のロケ地スポットはこちら。

駅前通りにある「赤帽子屋」さんです。

ここは、「つむじ風食堂の夜」(2009年、篠原哲雄監督)のロケ地。

ノスタルジックで、どこか奇妙な雰囲気のあるお店として登場します。

店長さんのお人柄&笑顔もナイス!

聞くと、ほかの映画撮影にも協力しており、

「Little DJ 小さな恋の物語」(2007年、永田琴監督)では

小道具を提供したこともあったとか。

こちらではオーダーメイドの注文も受けているそうなので、どうぞ。

以上で、今回の函館ロケ地めぐりは終了。

 

ご紹介したほかにも、

たくさんの映画がこの函館で生まれています。

作品をチェックしてから行くか、

行ってから観るか。

どちらでも十分楽しめる函館へ、ぜひ足をお運びください。

函館の夜は「海炭市叙景」カクテルを

昨夜から1泊2日の函館出張。

ということで、とっておきのバーをご紹介します。

函館駅から徒歩5分、舶来居酒屋「杉の子」です。

大門の一角にオープンして約60年。

知る人ぞ知る昔ながらのバー。

なんとここには、函館ロケ映画「海炭市叙景」(2010年、熊切和嘉監督)

という名のカクテルがあるのです!

というのも、こちらのお店のママは、

地元市民で作る映画「海炭市叙景」製作実行委員のメンバー。

さらに、劇中では、加瀬亮さんの義母役で登場しているのです!

ママは、映画化の前から佐藤泰志さんの原作に注目し、

朗読活動でも取り上げていたそう。

そんなママの想いが詰まったこのカクテル。

お味は・・・さわやか!でも、ちょっと変わった風味が残ります。

聞くと、「ヒプノティック」というリキュールをベースに、

ホワイトラム、レモンをプラス。

そして後味の秘密は、薬草系のリキュール「サンブーカ」。

「海炭市の色に、作品のイメージとして後味を残したかったんです」とママ。

なるほど。

確かにこのひとクセあるこの味は、作品の雰囲気に通じるかもしれません。

映画を観てから飲むか。飲んでから観るか。

どちらでも、きっと深い味わいが楽しめる「海炭市叙景」。

函館の夜に、ぜひお試しを。

函館出身の作家・佐藤泰志とわたし

今日は朝から一面の雪、雪、雪!

いよいよ本格的な冬を迎える札幌です。

さて、函館出身の作家、佐藤泰志をご存知ですか?

1981年、「きみの鳥はうたえる」で文壇デビュー。

「移動動物園」「そこのみにて光輝く」など、

青春の煌めきと苦悩、市井の人びとの生き様を描く作品を次々と発表。

芥川賞候補に5回選ばれながらも受賞に至らず、

1990年、41歳の若さで自ら命を絶った孤高の作家。

 

なんと、そんな佐藤泰志の生涯をたどる

ドキュメンタリー制作の企画が進められているそうです!

発案者は、苫小牧出身の稲塚秀孝さん。

映画「二重被爆 語り部・山口彊(つとむ)の遺言」の監督です。

稲塚さんは、佐藤泰志の「市街戦の中のジャズメン」が

有島青少年文学賞の優秀賞に選ばれた年、「幕が上がるまで」という作品で入選。

その際、佐藤泰志と手紙のやり取りをしたとか。

数年前から、ドキュメンタリーの構想を練っていたそうです。

この話題にどうしても力が入ってしまうのは、

佐藤泰志の同名小説を映画化した

函館ロケ「海炭市叙景(かいたんしじょけい)」

(2010年、熊切和嘉監督)の制作に、私が携わったから。

その中で、佐藤泰志の人生を知り、小説を読めば読むほど

その強烈な個性と繊細な作品世界に魅力を感じたからです。

さらに、私よりずっと強い想いを抱く

さまざまな人たちと出会ったからでもあります。

この話を続けると、行数がいくらあっても足りないのでやめますが(笑)、

そんな私にとっても、今回のドキュメンタリー化は願ってもないこと。

全力で応援したいと思います。

ちなみにこの「海炭市叙景」はミュージアムで鑑賞可。

映画化に至るまでのドラマや撮影中のエピソードなら

私がいくらでもお話いたします!

ご興味あれば、ぜひ館内でお声をかけてくださいね。