祝!ディノス限定復活!第1回シネマトーク「ディノス閉店に想う わたしのシネマグラフィティー」レポート

「ディノスシネマズHTB劇場」の話題を

昨日お伝えしたばかりですが(記事はこちら)、

祝!ディノス復活記念ということで、

6月15日に書肆吉成・丸ヨ池内GATE6F店で

開催されたミュージアム主催の新イベント

「第1回シネマトーク」の模様をご紹介します。

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テーマは「ディノス閉店に想う わたしのシネマグラフィティー」。

どうぞ!

* * *

街並み画家・浦田久さん(以下、浦田)/私は昭和3年に札幌に生まれ、まもなく92歳です。子どものころから活動写真が大好きで、たまたま近所に美登紀館、日活館がありまして、さらに母がめちゃくちゃ映画好きで、無声映画の時代から見ていました。とにかく無声映画は面白かった! 各館で館付きの弁士がいて、それぞれ語り方が違うんですね。それに憧れて、真似した覚えがあります。

和田由美理事(以下、和田)/私は小樽で生まれて、小学6年まで倶知安・羊蹄山の麓で育ったんですけれど、やはり父親が映画好きで、毎週私を映画館に連れて行ってくれました。だから社長シリーズから大映の母娘いじめから何でも見ていました。その後、札幌に引越し、立派な映画館があって本当に幸せな映画経験をした記憶があります。NPO法人「北の映像ミュージアム」の事務局長を担当し、雑文も書いていますけれど、本職は昨年創立30年を迎えた出版社・亜璃西社の代表を務めています。浦田さんには、亜璃西社から出した「ほっかいどう映画館グラフィティー」の絵を全部お願いしました。札幌市内ほとんどの映画館をご存じの彼でなければ、この本は作れませんでした。

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広報担当・新目七恵(以下、新目)/私は1982年に生まれ、帯広で育ちまして、十勝・函館の地域新聞社を経て、現在は札幌でフリーライターをしながら「北の映像ミュージアム」に携わっています。「ほっかいどう映画館グラフィティー」では、ゆかりのある帯広と函館、それに旭川の映画館を取材しました。 ディノスとは札幌に来てから9年間の付き合い。平成の最後と令和の初めしか通っていないんです。お二人に比べて期間は短いですが、ディノス愛なら誰にも負けないと思っています!

和田/それではまず、浦田さんに札劇の昔の話を伺えれば。

浦田/私たちの子供時代は、「札幌劇場」というと芝居小屋です。映画館じゃありません。芝居の合間に映画が上映される、そんな印象でした。だいたい、いつ通っても札劇の前には一座の登りが立っていましたね。

和田/札劇で見た思い出の映画は何でしょう。

浦田/戦前ですか? その頃はあまり記憶にないんです。映画専門になってからもイデオロギーのしっかりした小難しい映画が多かった記憶があります。後半に入ると、そんなこともなかったですけれど。

和田/そうですね、私が1970年代に見たのは「燃えよドラゴン」に「エクソシスト」。難しい映画というより、怪奇なB級映画をかけるところでした(笑)

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浦田/溝口健二の名作「浪華悲歌」と「祇園の姉妹」をセットで上映していましたね。

和田/私は最初に映画の自主上映会をやったのがスガイの劇場で、地下にあった「テアトロポニー」を金曜日の夜9時から借りて、ATG映画を上映しました。当時はDVDやビデオがなく、見逃した作品を見るには16mmフィルムを貸りて映写機で観なければならない時代。寺山修司監督の「田園に死す」や大島渚監督の「夏の妹」、洋画なら「野いちご」なんかを上映しました。その頃高校生で来ていたのが今は映画評論家として活躍する塩田時敏さんで、「僕はあそこでロマンポルノに出会わなければ人生変わっていた」と言うんですが、それは彼の勝手でしょ(笑)。あそこで観客として見た作品もたくさんあって、「ジョーズ」や「激突!」など話せば尽きませんが、色々な媒体で書いているので、今度は若い方に話してもらいましょう。

新目/私はDVDで何でも見直せる世代なんですけれど、リアルタイムで名作を見ていないというジレンマを抱えていました。けれど、スガイに通ったことで、今を生きる映画ファンで良かった!と思えるようになりました。それは、万人受けしなくても私が「本当に好きだな」「めちゃくちゃ面白いな」「愛おしいな」と思える作品にいくつも出会えたからです。また、映画の自主上映チラシを置いていたり、個人で作る映画マガジンを扱っていたり、映画館としてのゆるい雰囲気が心地良かった。敷居が低くて、間口が広かった印象があります。閉館したことが今もショックなのは、あそこが単に映画を見る場所ではなく、“心のオアシス”のような存在だったんだと思います。それは、以前から芝居をかけたり、和田さんたちの自主上映に協力的だったという姿勢が今も息づいているのではないかと思いました。

和田/なるほど。それでは話がつながりそうなので、浦田さんに札幌劇場と中央館の精神の違いを紹介いただきましょう。

浦田/札幌の狸小路界隈には、1丁目に帝国座、2丁目に中央館、そして札幌劇場、遊楽館が固まってありました。その中でも前進的な作品、中身の濃い面白い映画を上映したのが、札幌劇場です。特に記憶に残っているのは、「風と共に去りぬ」「ピカソ・天才の秘密」「燃えよドラゴン」「ジョーズ」「灰とダイヤモンド」「戦艦ポチョムキン」「黒騎士」「さすらい」「巴里の空の下セーヌは流れる」「エクソシスト」「僕のおじさん」…。おそらく興行的には冒険的なプログラムが組まれていて嬉かった。そういう意味では、異色の大型劇場だったと思います。

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新目/ディノスは最後に「閉店祭名作上映」という特別ラインナップをしたんです。23作品を週替わりで上映したんですが、その中に「燃えよドラゴン」と「ジョーズ」が入ってました! 私も1番スクリーンで「燃えよドラゴン」を見ました。おそらく今までの上映作品から選んだのでしょうけれど、2000年代の新しい作品が多く盛り込まれたことも素晴らしかった。個人的には「シング・ストリート 未来へのうた」が嬉しくて、すでに見ていましたが、若い観客と一緒に映画館で堪能し、また泣きました(笑)。新旧雑多なディノスらしいラインナップだったと思います。

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新目/最近では「カメラを止めるな!」のロングラン上映が記憶に新しいですね。私は満席の1番スクリーンで見て、見終わったら拍手が沸き、映画祭のような熱気に驚きました。それから絶対外せないのが、大ヒットインド映画「バーフバリ」!ディノスは閉館前に「もう一度見たかったな」アンケートを来場者に取っていて、1位はこの作品。「閉店祭名作上映」とは別に、急きょ単発上映をして盛り上がっていました。 ディノスの面白さは、ヒット作を上映して終わり、ではなく、その関連作品をフォローしてくれること。たとえば「バーフバリ」なら、その原点という「マガディーラ 勇者転生」という作品も上映していて、インド映画好きの私はもちろん足を運んだんですが(笑)、観終わった後、外のポスター前でニヤニヤしていたら、隣に高齢の男性が立っていて、思わず「ご覧になりました?」と声を掛けたら「インド映画、最高だね!」と笑い合った、なんて経験をしました。名前も知らない他人同士が、同じ暗闇で笑って泣いて、去っていく。本当に、映画館の良さを体感させてくれました。移転予定ということなので、ぜひ1日も早く再開して、ディノス精神で色々な作品を上映してほしいです。

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和田/スガイのユニークさは、あそこから映画人を輩出したことかもしれないですね。「シネマロキシー」「シネマ5」が一時期名画座だった時にいらしたのが蠍座の田中さんでした。もう一つ、浦田さんが出資された伝説的なミニシアター「ジャブ70ホール」を作ったのも、やはりスガイの元社員。それは80年代の札幌における映画史のエポックだったと思いますし、ジャブで育った人がコアな映画ファンになりました。

浦田/あれだけ長い歴史を持った劇場でしたが、映画館につきものの火事はなかったですね。

和田/そうですね、いち早く鉄筋コンクリートにしたせいかもしれませんけれど。

浦田/大抵の映画館は火事が起きるんです。でも札幌劇場は防災管理がしっかりしていて、最後まで天寿を全うしたという感じですね。

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和田/札幌は、シアターキノを除くとシネコンだけになっちゃう。190万人都市でこれしか映画館がないこととは寂しいことです。最近はヒット作も増え、映画人口も増えている。シネコンではない商業館が、見やすい場所にできるといいなと思います。

浦田/ぜひ札幌劇場の素晴らしいスピリッツを残してほしいですね。

和田/何でもやる精神というのでしょうか。映画に差はありません。好きな映画を観れる自由さは大事ですよね。

* * *

以上です。そんなディノスが9月4日から5日間限定復活!

ぜひHTBへ足をお運びください。

7月のシネマトークが北海道新聞で紹介!8月トークも終了

書肆吉成さんで月イチ開催している

ミュージアムのイベント「シネマトーク」。

7月の開催模様を20日、北海道新聞札幌面で

ご紹介いただきました。

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第3回となる8月17日には

加藤敦理事が登場し、

「映画で旅する駅」についてトーク。

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参加者10名を前に、

「鉄道員」「すずらん少女萌の物語」

「駅station」「起終点駅ターミナル」の

ロケ地となった駅などについて語りました。

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次回9月のシネマトークは「コタンの口笛」上映会のため休止。

10月19日(土)の予定です。お楽しみに!

第1回シネマトーク@書肆吉成無事終了しました!

6月15日、ミュージアム主催の新イベント

「第1回シネマトーク」が書肆吉成・

丸ヨ池内GATE6F店で開催されました。

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「ディノス閉店に想う わたしのシネマグラフィティー」

と題して街並み画家・浦田久さん、和田由美理事、

広報担当のわたし・新目が語りました。

20人を超えるお客様にお越しいただき、感謝感激です!

詳細レポートは後日。

どうぞお楽しみに!

なお、次回は7月20日(土)午後2時から。

ミュージアム理事で北海学園大の大石和久教授が

1年間のフランス・パリ研修について話します。

参加無料です。ぜひ!

ちなみに、6月21日(金)、書肆吉成さんでは

「第3回 無声映画を体験しよう!」が開催されます。

映画は「滝の白糸」(短縮版、1933年、溝口健二監督)。

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飯村宏美氏による活弁付き!

①15時 ②18時30分 の各回800円。こちらもぜひ!

予約・お問い合わせは書肆吉成(011-200-0098)へ。

最後のシネマ塾レポート「空の穴」

5月19日、このミュージアムで最後となる

「北のシネマ塾」が行われました。

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取り上げた作品は2001年の熊切和嘉監督、

帯広ロケ「空の穴」。

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トークを担当した安倍雄也理事は、

「まさか自分が最後を担当するとは思っていませんでした」

と緊張しつつ、作品への思いを紹介。

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学生時代に映画館で見たことを振り返り、

「見れば見るほど、噛めば噛むほど味の出る映画」と語りました。

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熊切監督の描く北海道について

「暗い閉塞感が漂っているよう。帯広出身の監督だからこそ

描ける雰囲気であり、風景ではないか」と説明。

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また、熊切監督と高校の同窓生だという知人に聞いた

秘話なども交え、貴重な監督の素顔を明かしました。

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さらに、出演者のコメントを取り上げ、

その後の活躍ぶりとして、自分の好きな作品を紹介。

「熊切監督をこれからも応援したい」と力強くまとめました。

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最後は、司会の佐々木純理事長とあいさつした安倍理事は、

「別な場所で次があれば、ぜひ『シムソンズ』を紹介したい」とも。

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ご参加くださった方々、ありがとうございました。

またいつか、お目にかかる日を楽しみにしています。

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今日は「北のシネマ塾」!「鶴は翔んでゆく」

ミュージアムの月イチトークイベント「北のシネマ塾」。

本日午後2時からは、

1957年のソ連映画「鶴は翔んでゆく」

(ミハイル・カラトーゾフ監督)をテーマに開催します!

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公開時のタイトルは「戦争と貞操」。

トークは映画研究家の高村賢治副館長!

入場無料、当日参加OK!

どうぞお越しください。

北のシネマ塾3月レポート!「網走番外地 大雪原の対決」

ミュージアムの月イチイベント「北のシネマ塾」。
3月17日には、「網走番外地 大雪原の対決」をテーマに、北海学園大教授の大石和久教授がトークを担当しました。

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会場には、30名を超す大勢のお客様!

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ありがとうございます。
実は、大石教授は研究のため、4月から一年間、フランスへ。
この日は、旅立つ前、最後のイベントとあって、一般参加者のほか、元教え子さんやミュージアムの理事たちも駆けつけました。

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映画「網走番外地 大雪原の対決」は、1966年度興行収入がベスト1の当時大人気作!  「荒唐無稽で奇妙な和製ウエスタンにみえますが、そういう映画ならではの清々しさがあります」と大石教授。

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そして、本作で描かれるバイオレンスは、北海道ロケ作品のひとつの傾向だと紹介し、「北海道は、どうしても〝辺境〟〝野蛮〟というイメージがあり、この映画の場合、文明の果てるところの原始の雪原、まさに番地すらない北の果てが、バイオレンスの舞台となりました。それは同時に、〝解放〟とも捉えることができます。実は、本当の暴力の主体は、権力側にあったのかも。それに対抗しうるのは、暴力しかなかったのでは…と考えることもできるのではないでしょうか」。

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また、本作が西部に見立てられた点も、北海道ロケ作品の重要な傾向とも。「熊の出る開墾地」「大草原の渡り鳥」「幸福の黄色いハンカチ」など〝見立ての系譜〟を挙げ、「『許されざる者』など、今も新作が作られていることが面白い」と指摘。

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見立てとは想像力。北海道は、今ここにはない異国へと、見る者のイマジネーションを喚起してきたのでは」と持論を展開し、「私に〝見立て〟という発想を与えてくれた作品のひとつが、この『網走番外地 大雪原の対決』です」と、本作への思いを熱く語りました。

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「網走番外地」シリーズという娯楽作品に、こんな深い読み解きが可能とは! わたしスタッフ・新目もびっくり。大学の講義をみっちり聞いたような、勉強になったひとときでした。

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ちなみに、映画の主な舞台は、道北のまち・士別。
ミュージアムの入口近くにある古い35ミリ映写機は、士別にあった映画館「テアトル銀映」から寄贈を受けたものです。その寄贈者のご家族も、イベントにご参加下さいました。

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というのも、実は劇中に、ゆかりの場所が登場していたそう! メイン舞台となる「クラブ『さいはて』」は、「テアトル銀映」の前身に当たる、移転前にあった映画館「国勢座」の外観が活用されたそう!  「3歳まで住んだ映画館で、僕にとっては非常に思い出深い映画なんです」と貴重な思い出をお話下さいました。

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これはまた嬉しい驚き!「網走番外地 大雪原の対決」は、ここミュージアムとも不思議な縁のある映画なのでした。

ということで、この日のイベントはこれにて終了。ご参加くださった方々、どうもありがとうございました。
大石先生、どうぞお元気で。
フランスのお土産話と映画の研究成果を、ここミュージアムでも発表いただける日を、楽しみにしています。

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2月の「北のシネマ塾」レポート「飢餓海峡」

2月17日(土)、ミュージアムのミニイベント

「北のシネマ塾」が開催されました。

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今回は大作「飢餓海峡」(1965年、内田吐夢監督)がテーマ。

初参加者の方も含め約10人が集まりました。

残念ながら私・新目は途中退席したので、

トークを最後まで聞けませんでしたが、

トーク担当の小田島敏朗常務理事に事前に伺ったところ、

映画のモチーフとなる「洞爺丸台風」が、

いかに北海道の産業、歴史に爪痕を残したか。

また、彼独自の見方として、作品と満州のつながりを披露。

満洲映画協会理事長を務め、終戦直後、 服毒自殺した

(その場で内田吐夢監督が看取った)甘粕正彦と、

映画で三國連太郎演じる主人公・犬飼との

関連性を指摘したそう。

かなり刺激的なトークだったようで、

この日参加された方々はラッキーだったと思います!

改めて参加者の方々、ありがとうございました。

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さて次回は・・・

3月17日(土)午後2時~、

「網走番外地 大雪原の対決」を紹介。

トーク担当者は、北海学園大教授の大石和久理事です。

どうぞお楽しみに!

北海道150年キックオフイベント「キタデミー賞」レポート④

2月5日(月)、札幌で開催された北海道150年事業のキックオフ特別イベント「キタデミー賞」(「北の映像ミュージアム」を含む関係機関・団体でつくる「北海道150年 映像と音楽による特別イベント実行委員会」が主催)。
スタッフ・新目による会場レポートの最終回をどうぞ。

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「主演女優賞」につづき、「録音賞」「助演男優賞」「助演女優賞」などが続々と発表されました。人だけでなく、北海道を彩るモノ、コトも受賞者に名を連ね、会場は笑いと拍手に包まれました。まとめてご紹介します。

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●録音賞
オホーツク海の流氷
キタキツネ物語
タンチョウ鶴の求愛ダンス

●助演男優賞
「サケ」
ソフトバンクCMでお馴染みの北海道犬「カイくん」(隣りは共演者のダンテ・カーヴァーさん)

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「ブリスキー・ザ・ベアー(愛称B☆B)」(北海道日本ハムファイターズ公式マスコット)
惜しくも受賞を逃したメロン熊も、客席に登場(乱入?)する珍場面も。

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北島さんがオーナーを務める競走馬「キタサンブラック」
「キタキツネ」

●助演女優賞
ミサキさん(宗谷岬、兜岬、神威岬、弁慶岬、積丹岬)
ハナさん(ラベンダー、ライラック、すずらん、ハナマス)

●歌曲賞
サカナクション「ネイティブダンサー」
水曜日のカンパネラ「シャクシャイン」
さだまさし「北の国から」
北島三郎「函館の女」など

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北島さん「ありがとうございます。私はこの北の大地で生まれ、18歳まで上磯郡知内にいました。函館の高校を卒業と同時に、歌手を夢見て、津軽海峡を青函連絡船に揺られて、東北に向かいました。おかげで、歌手にさせてもらいました。歌手になってから、夏には必ず、大事な生まれ故郷に帰ってきます。春夏秋冬、一年中いつ来ても、四季の素晴らしい北海道は、私の自慢のひとつです。北海道に生まれて、こんな立派な賞をいただいて、ありがとうございます!」(会場から大きな拍手)

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司会の羽鳥慎一さん「なぜ、この北海道の曲をたくさん歌い続けられているんでしょうか」。

北島さん「まだ北島三郎になる前、レッスンのとき、作詞家の星野さんが私の顔を見て、『どうもあなたの顔を見ていると、潮の匂い、海の匂い、北の海の匂いがする』と。それで「なみだ船」の歌詞ができたんだと言って、北の歌が圧倒的に多くなったんです。(拍手)今日は吉永小百合さんがいらっしゃいますけれど、

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私がこの歌で日本レコード大賞新人賞を取ったときに、吉永さんと橋幸夫さんの「いつでも夢を」が大賞でした。久しぶりにお会いできて感激です。(拍手)北海道は、どこに行っても自分の大事な故郷、私の大事な心のひとつです。ありがとうございます!

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●撮影賞
味噌ラーメン
〆パフェ
ジュンドック
いくら丼
ジンギスカン

花畑牧場

●美術賞
ニッカウヰスキー余市蒸留所
稚内港北防波堤ドーム
旧花田家番屋
サラブレット大壁画
頭大仏殿
札幌芸術美術館
モエレ沼公園
豊似湖

ここで、司会の羽鳥さんがこのように語りました。
これからご紹介しますフィルムには、あの時の風、光、影、色、そして人間、一瞬一瞬の北海道が収められています。厳しい大自然に、当時人々が根を張り、豊かで大きな未来の可能性を持った大地。映画の名場面で紡いでいく〝北海道〟という作品をご覧いただきます

スクリーンに映し出される北海道ロケ映画の名場面。たっぷりどうぞ!

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続いて、樹木希林さんと吉永小百合さんが登場。

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樹木さん「私も北海道の作品がひとつあるんです。今から50年前小樽駅で撮った仲代達也、佐久間良子主演の『旅路』。覚えてないでしょう…」。

いえいえ、覚えています! 実は2013年9月、「北の映像ミュージアム」主催の上映会で特別上映しています(※当時の記事はこちら)。もちろん、ミュージアム館内の北海道ロケリストにも明記しています。

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というわけで、名曲「いつでも夢を」を、北海道札幌旭丘高校合唱部&会場全体で大合唱。

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そして気になる最後の「最優秀作品賞」ですが…

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「北海道」に決定!ということで、高橋はるみ知事が山田洋次監督からトロフィーを受け取ります。

山田監督「いま世界の国々は大変な問題を抱えています。同じように、北海道だって解決されなければならない課題があるはずで、それは知事さんが一番よくご存じだと思います。どうぞこれからも、北海道に暮らす人々の幸せのためにご努力くだることを願って、トロフィーを渡します

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高橋はるみ知事「感動しております。賞の流れで最後はこうかなぁと思いながらも(会場笑)、作品賞をいただきまして本当に嬉しく思っております。先ほど画面いっぱいに北海道150年の歴史を映画のダイジェスト版で綴っていただきました。私たちの故郷北海道、道民を代表して感謝を申し上げます。先人の方々、北海道の自然の恵みを知恵と工夫で最大限生かしながら150年を紡いできました。先ほど主演女優賞に選ばれた知里幸恵さんは、アイヌを代表する大変聡明な女性であったと記録されております。知里さんをはじめとするアイヌの方々、アイヌの方々をはじめとするすべての150年を紡いできた先人の方々に、心から感謝を申し上げます。

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いま、北海道は世界にたくさんのファンを抱える星になっています。これからは、現代に生きる私たち一人ひとりが主演をしていかなければならないと思っております。先人が築き上げた北海道151年目、2年目、そして、200年目に向けて、さらに素晴らしい高みを目指していきたい。私たち道民はさらに一歩一歩頑張っていきます。その決意を、道民を代表して申し上げます。ありがとうございました」(拍手)

約2時間のステージショーはこれにて終了。北海道150年を綴るフィルムのダイジェストは、〝映画は歴史の証言者〟という北の映像ミュージアムの存在意義を強く裏付ける貴重な映像でした。改めて、これからの北海道の在り方を考える文化拠点のひとつに、この北の映像ミュージアムがなれば嬉しいことはない、と感じました。(おわり)

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北海道150年キックオフイベント「キタデミー賞」レポート③

2月5日(月)、札幌で開催された北海道150年事業のキックオフ特別イベント「キタデミー賞」(「北の映像ミュージアム」を含む関係機関・団体でつくる「北海道150年 映像と音楽による特別イベント実行委員会」が主催)。
スタッフ・新目による会場レポート第3弾をどうぞ。

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「主演男優賞」の発表に当たって、司会の羽鳥慎一さんはこう語りました。
司会の羽鳥さん「北海道という大舞台に立ち、体全体で生き様を見せ、駆け抜けてきた男たちの姿に、私たちは感動して多くの勇気をもらっています。開拓者魂。不屈の精神。大地のような包容力。底抜けの明るさ。北海道を代表する主演者たちを言い表す言葉は尽きません。あの人がいたから北海道に憧れました、頑張れました。そういう人たちがたくさんいらっしゃいます。そんな主役たちに、主演男優賞を贈ります
そして次の方々が発表されました。

●〝北海道の名づけ親〟江戸~明治時代の探検家「松浦武四郎」
●〝レジェンド〟こと下川出身のスキージャンプ選手「葛西紀明」
●弟子屈町出身の大相撲力士、〝巨人・大鵬・卵焼き〟と言われるほど人気を集めた「大鵬」
●『探偵はBARにいる』シリーズなどの人気俳優「大泉洋」
●「ヒグマ」

受賞者の葛西さんに続き、大泉さんのコメント映像が。

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大泉さん「北海道150年記念キタデミー賞主演男優賞に選んでいただきまして、誠にありがとうございます。1996年に『水曜どうでしょう』という番組が始まったわけですけれど、当時は北海道の人が見れないものがある中で、逆転現象が一瞬起きたわけです。北海道に来ないとこの番組が見れないという。そういう番組があってもいいんじゃないかなぁという思いが、なんか当時ありました。

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ローカルタレントでありたい。北海道でしか見れない・活躍しない存在に、憧れていた思いがあります。そして今は、北海道の良さを全国に発信したい思いもありますし、相変わらず北海道でしか見れないコアな面白いものも作っていきたいという思いでいっぱいです。主演男優賞、すごく嬉しいですね。ただ、まぁ、その、ヒグマも獲ってるっていうのが若干なんか…(会場笑)北海道で大泉洋を見たっていうより、ヒグマを見た方がちょっと嬉しいですよね。(会場笑)とにかく、これからも北海道のために頑張っていきたいと思いますので、どうぞ応援してください。ありがとうございました!」(大きな拍手)

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続いて、「主演女優賞」です。プレゼンターの樹木希林さんは、意外な北海道の思い出を明かしてくれました。

樹木さん「60年近く前、私は薬剤師になるべく、薬科大学を受けようと猛勉強しておりました。父親が夕張に友達に会いに行くというのでくっついていきました。夕張の裏のボタ山に雪がいっぱい積もっていて、そこを子供たちが滑っている。私も板に乗って滑った途端、どんと尻餅をついて、足を折りました(笑)…結局、受験はできませんでした。そのあと、文学座の試験があり、それには間に合って。結局、あの時にもし足を折っていなければ、今頃薬剤師になって、薬事法違反かなんかでエライことになっていたと思います(会場笑)。役者になれて本当にありがたかった思い出です。それでは、主演女優賞を発表します

●3/10に〝北の三部作〟最終章となる主演映画「北の桜守」が公開になる女優「吉永小百合」

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●札幌出身の歌手「中島みゆき」
●上川町出身のスキージャンプ選手「高梨沙羅」
●七飯町出身の陸上選手で、リオデジャネイロパラリンピック日本代表「辻沙絵」
●登別市出身のアイヌ女性で、叙事詩ユーカラを「アイヌ神謡集」として世に出し、19才の若さで亡くなった「知里幸恵」

樹木さんからトロフィーを受け取る吉永さん。

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吉永さん「ありがとうございます。初めて北海道に来たのは15歳のときでした。『疾風小僧』というアクション映画で、まだ旭山の空港がなくて、千歳でプロペラ機を降りて、長い長い道のりを車で参りまして、大雪山のふもとの天人峡というところでロケをしました。15歳ですから、ホームシックになって泣いたことを今でも覚えています。けれどもその後、スキーや乗馬で北海道にたびたび来ることになって、すっかり北海道オタクになりました。そして近頃は、たくさんの映画を北海道の方たちのお力を借りて作ることができております。本当に北海道に心から感謝しております。今日はありがとうございました」(大きな拍手)

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辻さん「今日は素晴らしい賞をいただくことができて、本当に嬉しく思います。いつも北海道に来たら、言っている言葉があるので言わせてください。ただいまぁ!(会場拍手)ありがとうございます。私は北海道で生まれ、衣食住すべてに北海道が詰まっています。北海道からもらった道産子パワーで、2020年東京オリンピック・パラリンピックで金メダル獲得、そして、その先の社会でいろんな人が笑顔で過ごせる共生社会を作っていけたらと思います。これからもご声援いただけると嬉しく思います。ありがとうございました」(拍手)

高梨さんのコメント映像に続き、「アイヌ神謡集」の一部を樹木さんが朗読しました。

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北海道の歴史を語る上で欠かせないアイヌの物語。樹木さんの語りに耳を傾けながら、我々の来し方と行く末に思いを馳せるひとときとなりました。(つづく)

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北海道150年キックオフイベント「キタデミー賞」レポート②

2月5日(月)、札幌で開催された北海道150年事業のキックオフ特別イベント「キタデミー賞」(「北の映像ミュージアム」を含む関係機関・団体でつくる「北海道150年 映像と音楽による特別イベント実行委員会」が主催)。
スタッフ・新目による会場レポート第2弾をどうぞ。

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山田洋次監督につづき、「監督賞」に選ばれた坂東元・旭山動物園園長が登壇します。

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坂東園長「150年の節目にこのような賞をいただき、動物たちはピンと来てないと思いますけれど(笑)、我々スタッフは本当に光栄です。北海道は、520万人余りの人と陸上最大の肉食動物・ヒグマが数千頭共存している島。こういう島は地球上にほかになく、〝奇跡のような島〟なんです。旭山動物園は、その奇跡の島の動物たち、さらに、海でつながる地球上の生き物たちのありのままの素晴らしさを伝えてきました。これからも、動物たちと人の心をつなぐ動物園であり続けたい。そのことが、動物たちの未来の明かりになるような、そんな動物園になればと思います。北海道に旭山動物園があることを誇りに思いながら、これからも、自然や動物たちに畏敬の念を持ちながらやっていきたいです。今日は本当にありがとうございました」(会場から大きな拍手)

おめでとうございます! 旭山動物園といえば、西田敏行さん主演の映画「旭山動物園物語 ペンギンが空を飛ぶ」(2009年)もありましたね。
日本ハムファイターズ・栗山秀樹監督のコメント映像が流れた後、今度はサテライト会場の鈴井貴之さんが登場。

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「銀のエンゼル」「river」「man-hole」といった北海道ロケの映画も監督されています。そして、ご存知HTBのカルト人気バラエティー「水曜どうでしょう」に「ミスター」の愛称で出演するタレントさんでもあります。司会の羽鳥さんとの軽妙なやりとりをどうぞ。

羽鳥さん「鈴井貴之さん、おめでとうございますー!」
鈴井さん「どうも、大変、申し訳ありません!」(会場笑)
羽鳥さん「どうしましたか!」
鈴井さん「そうそうたる方々の中にちょっと紛れ込んじゃったみたいで、申し訳ございません!」(会場笑)
羽鳥さん「いえいえ、『水曜どうでしょう』は全国区ですよ!」

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鈴井さん「僕はテレビドラマや映画も作らせてもらっているんですけれど、『水曜どうでしょう』に関しては、僕と出演者の大泉洋、藤村と嬉野というディレクター4人で、ひとつの番組という風に思っていますんで、僕がじゃなく、4人で一緒に受賞させていただいたと感じています。本当に申し訳ございません!」(会場笑)
羽鳥さん「北海道にはまだまだ魅力がたくさんあります。どこをどう伝えていきたいですか?」
鈴井さん「(水曜どうでしょうの)番組に関しては伝えにくいんですけれど、新作の撮影はすでに始まっています。今年オンエアしたいと思っておりますので、お楽しみにしていてください!」
羽鳥さん「期待しております!」

そして、「主演男優賞」の前に、「スペシャル男優賞」が発表されました。その方は、俳優・高倉健さん(1931-2014)です。

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ナレーションと共に、北海道ロケの名作が次々と映し出されました。

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司会の羽鳥さん「高倉健さんが生涯で出演された205本のうち、30本以上が北海道で撮影された作品です。ある対談ではインタビュアーから『北海道が舞台の作品が多いですね』と言われ、健さんは『僕は役者の中で一番多いんですよ。ただ、まだ道民栄誉賞はもらっていません』と笑いながら話されていたそうです。高橋知事…?(会場笑)。いま、道立函館美術館で『高倉健 追悼特別展』が開催中です(※3月31日まで)。この企画展は、昨年から釧路、帯広、札幌と道内を巡っています。北海道を愛した高倉健さんが、今も息づいています。私たちの心の中に、今も格好良く生き続けている高倉健さんに、このトロフィーを贈りたいと思います」(会場から大きな拍手)

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高倉健さんの映画は、北海道の大きな宝。そのことを、再認識した瞬間でした。(つづく)

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