今年6年目を迎える北の映像ミュージアム。
2017年の企画展のテーマは
「映画の女神、ふたたび。女優・高峰秀子」展です。
これまで、「北の歴史編」として、
北海道の産業と映画の関わりを見つめてきました。
今年は、北海道ゆかりの映画人に注目します。
第1弾は、函館出身の銀幕のスター・高峰秀子さん。
「北のシネマ塾」とも連動して、
〝デコちゃん〟こと高峰さんの功績を振り返ります。
貴重なポスターや映画資料とともに、
どうぞじっくりお楽しみください。
入ってすぐ右手のガラスショーケースは、
開館以来、「シネマの風景 北の歴史編」
と題した企画展の展示に使っています。
2016年のテーマは「北の大地と農業」!
「大地の侍」から「銀の匙」まで、
北海道を舞台にした多彩な作品資料を並べたほか、
北海道総合博物館の御協力により、
開拓時の貴重な品物を展示しています。
企画展趣旨は次の通りです。
* * *
2016年は、「北の大地と農業」をテーマとした映画を紹介します。
先住のアイヌ民族によって育まれた北海道は明治2年、新政府により「蝦夷地」から「北海道」へと改名されました。開拓の担い手となったのは、屯田兵をはじめ、新天地を求めて全国各地から渡道した人々です。
彼らは、大自然の猛威と闘いながら土地を切り拓きました。広大な土地を生かし、試行錯誤の末に北海道型農業を発展させ、日本の食糧基地として存在感を高めました。
近年は、高齢化や後継者不足、環境問題、TPPなどの問題が山積していますが、道産米の品質向上や農業をテーマとした漫画のヒットなど、明るい話題も生まれています。
北海道の美しく豊かな自然を背景に、波乱に満ちた歴史を映像を通じて知ることで、ひと味違った現在、そして未来の姿が見えてくるかもしれません。どうぞお楽しみください。
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1年間の展示予定ですので、ぜひ足をお運びください。
開館以来、ミュージアムが大切にしている
企画展「シネマの風景 北の歴史編」。
2016年の新テーマは、「北の大地と農業」です!
どうぞご覧ください。
明けましておめでとうございます。
ミュージアムは本日から通常開館となります。
ということで、2015年の企画展
「シネマの風景 北の歴史編」のテーマを発表します。
ずばり、「アイヌ民族と文化」!
趣旨は次の通りです。
* * *
昔から北海道は、アイヌ民族の人たちが神を崇め、自然の恵みに感謝しながら生活する土地です。樹皮から取った繊維をもとに作った衣服や紋様、ユーカラ(叙事詩)、独自の舞踊などが時代を経て伝承されてきました。
しかし、江戸時代には松前藩に不利な交易を強いられ、明治政府には居住地を奪われ、生業の狩猟、漁撈を制限されるなど次第に生活の場を失ってきました。
2008年6月、やっと前年の国連総会で採択された「先住民族の権利に関する国際連合宣言」に続いて、日本でもアイヌ民族を先住民として認める国会決議が可決されました。
2015年はアイヌ民族の伝統的な文化を展示し、描かれた映画を紹介します。アイヌ民族の描き方に異論がある作品があるかもしれませんが、制作時の時代背景などをふまえて、ご覧ください。
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館内には、「コタンの口笛」(59年、成瀬巳喜男監督)や
「森と湖のまつり」(58年、内田吐夢監督)など、
アイヌ民族をモチーフに取り入れた北海道ロケ作品を
ポスターやスチールなど貴重な資料をご紹介。
さらに、アイヌの民族文化を学び、楽しみ、暮らしに
取り入れる活動をする民間団体「ヤイユーカラの森」に
ご協力いただき、代表・計良智子さんの
アイヌ文様刺繍作品なども展示しております。
これら美しい作品の一部は、毎月中身が変わる予定です。
このほか、高倉健さん追悼コーナーを常設展示に。
大変貴重な「健さんの手紙」やポスターが並びます。
そして、キネ旬など映画雑誌の展示も総入れ替え!
正月らしい、色鮮やかな表紙の数々もご覧ください。
今年も多くの方にお越しいただけますように。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
ミュージアムでは、入口近くのショーケースを
「シネマの風景 北の歴史編」と題し、
北海道の風土や文化を切り口に
北海道ロケ映画をご紹介する企画展を実施中。
今年は「漁業と歴史的遺産」をテーマに
さまざまな作品を紹介しています。
2014年度後半を迎えるに当たり、
先月28日には、展示品の追加作業を行いました!
ミュージアム理事の高村賢治さんが
秘蔵のコレクションから関連資料を探し、
持ってきてくれました。
たとえば「荒い海」のプレスポスターや
各種スチールなどなど・・・
ここでしか見れない珍しいものもあるかも。
気分を変えるため、一部の掲示物もお引越し。
充実した企画展コーナーでは、
今まで以上にいろいろな発見や楽しみに出会えるはず。
どうぞ足をお運びください。
ミュージアムの企画展「漁業と歴史的遺産」を
もっと楽しむ特集4回目!
今回ご紹介するのは、こちら!
函館ロケ『硝子のジョニー 野獣のように見えて』
(62年、蔵原惟繕監督)です。
タイトルと同名のヒット曲を持つアイ・ジョージのほか、
日活スターの芦川いづみ、宍戸錠が出演。
自分の居場所を探し、さすらう男と女の物語です。
ヒロインの娘(芦川)が働くのは、稚内の昆布採りの浜辺。
そこへ人買いの秋本(アイ)が現れ、ドラマは始まります。
昆布といえば、函館ロケ『海猫』(2004年、森田芳光監督)は、
昆布漁師(佐藤浩市)に嫁いだ女性(伊東美咲)のストーリーでした。
どちらの女性も不幸な境遇に身を置く設定。
浜辺に漂うあの昆布の香りは、
どこか切ない雰囲気を醸し出すのかもしれません。(アラタメ)
ミュージアムの企画展「漁業と歴史的遺産」特集第3回!
今回はこちら。
函館ロケ『蟹工船』(53年、山村聰監督)をご紹介。
言わずとしれた小林多喜二の同名小説の映画化。
カニ缶作りの船内を舞台に、
劣悪な環境で働く労働者の闘争を描いています。
ロケ当時について、ミュージアムの礎を築いた
故・竹岡和田男さんは著書「映画の中の北海道」
(北海道新聞社)でこう書いています。
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ロケハンに来た山村監督の緊張した表情を覚えている。(中略)「俳優は頼まれてやるのだけれど、監督は自分でやりたいものをやるのだから大変で・・・」。(中略)出港の場面が原作どおり函館でロケされ、船上の操業実写シーンは、戦後初出漁のカニ工船・東慶丸にカメラマンが乗り込んで撮影した。
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この工船によるタラバガニ漁業は73年に終了。
映画は、貴重な映像資料でもあります。
ちなみに、「蟹工船」は2009年、
松田龍平さん主演でリメイクされているので、
見比べてみるのも一興かもしれません。(アラタメ)