三浦綾子さんの小説「氷点」が
映画化されたのは、今から48年前のこと。

今も、この作品は多くの人々に愛され続けています。
5月下旬、映画のロケ地・旭川に行ったのでレポートします!
まず向かったのは、三浦綾子記念文学館。
旭川駅東口を出て「氷点橋」をわたり、

歩くこと約15分、見本林の入り口に到着しました。

ここが、「氷点」の重要な舞台であり、ロケ地にもなった場所。
入口そば、美しい緑に囲まれて佇むのが、三浦綾子記念文学館です。

館内の撮影OKだったので、写真付きでご紹介しましょう。
入館すると、吹き抜けのホールで三浦夫妻の写真が出迎えてくれます。

夫・光世さんは、口述筆記で綾子さんの創作活動を支えた方。
5つに分かれた展示室では、三浦文学や彼女の生い立ちのほか、


三浦夫妻の日常の風景も紹介しています。

本が出るたび、綾子さんが光世さんに送ったという
献辞の数々からも、二人の絆が伝わってきます。

そして、今年は「氷点」で作家デビューしてからちょうど50年!
節目を記念し、さまざまな事業が展開中。
このときは、通年企画の第一弾、「追体験で味わう
〝『氷点』の聖地〟見本林」が開催中でした(6月29日まで)。

展示物はどれも見応えがあり、解説文にも
心がこもっています。
それもそのはず。
図書室や喫茶コーナー、来館者に説明する「案内人」など、
運営を支えているのは、多くの市民ボランティアなのです。

規模の違いはあれど、
我々ミュージアムとの共通点を発見し、 うれしくなったところで、
なんと、館を訪れた光世さんにバッタリ。

せっかくなので、少しお話をさせていただきました。
光世さんは、「氷点」が50年間読まれ続けている理由を「この小説のテーマは人間の『原罪』。人間のもつ罪のもと、人間を描いている点でしょう」と説明。
続いて、妻・綾子さんについて伺うと、「ありがたい存在でした」とのお答え。「私の勝手なことも『はい、わかりました』と答えてくれました。『氷点』を書くときも、『舞台をどうしよう』と言っていたので、私が『見本林にしたら』と話すと、『あそこはいいわね!』と答えてくれ、題名も『氷点はどう?』と言うと、『すてきね、さすがだわ!』と喜んでくれました」と懐かしげ。
さらに、来館者へのメッセージとして「神は林や森を作ってくださり、人間に音楽を、綾子には文学も与えてくださった。人間という存在を考えるきっかけにしてほしい」とお話されていました。
突然のインタビューにもかかわらず、静かな笑顔で、
優しく、丁寧に答えてくださった姿が印象的でした。
ということで、いよいよ「氷点」ロケ地・見本林へ!(つづく)

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