ゆうばり映画祭3日目、シューパロの嶺水の間で
好評だった去年の企画を受け
『北海道ロケトークスペシャル 第2弾』が開かれました。

2014年公開予定の北海道ロケ作品4本の関係者を招き、
映画製作のきっかけと市町村の人々との交流を語りました。

『茜色クラリネット』(撮影地:札幌市西区琴似)
『ぶどうのなみだ』(撮影地:三笠市、岩見沢市)
『そこのみにて光輝く』(撮影地:函館市)
『野のなななのか』(撮影地:芦別市)
トークの模様を4回に分けてレポートします。
第1弾は『茜色クラリネット』。

中島洋(プロデューサー)と 坂本優乃(監督)さんが登壇しました。

司会「監督を高校1年生の坂本優乃さんが務めているというかなり驚きの作品ですが、 札幌市の琴似地区でロケされたこの映画について、簡単にその経緯を教えて下さい。」
中島「私はシアターキノという市民出資の映画館をやっておりまして、410名の出資によって出来ています。なのでいつか市民の方々に社会貢献やお返しが出来ないかと考えておりました。そんな時に子供の映画教育という点で何か出来るのではないかと考えたことが、北海道コミュニティシネマ札幌を作るきっかけでした。今までにこの短編映画のワークショップを6回やってきましたが、前回の映画『僕らの興味期限切れの夏』が幾つかの映画祭で上映され、賞も頂くようになり、少しずつ成果が認められるようになり、次は長編を撮ろうという企画が出来上がりました。」

司会「この琴似地区を舞台にしたのはどうしてですか。」
中島「私達のワークショップでは、まず最初にロケ地を決めています。そこからイマジネーション豊かに中学生たちがアイディアを考えていきます。撮影場所を限定することで、その場所ならではの面白いアイディアがたくさん生まれます。製作している中で場所だけでなく、地域の皆さんと関わりたいという想いが出てきて、今までも多くの地区とのコラボレーションが出来ました。中高生スタッフと大人のスタッフと地域の皆さんという三者の協同製作という感じです。」
司会「次は坂本監督に伺います。琴似のロケーションはどうでしたか?」
坂本「琴似は家の近くなので、そこで映画を作るということはとても非日常的で貴重な経験をしたなと思っております。」

司会「トニ子というゆるキャラが出てくるように、”琴似”という場所を強調して映画が作られているのはどうしてですか?」
坂本「ロケ場所を匿名にするのではなくて、 私達は琴似で撮ってるんだということを全面的に押し出すことで、地域の皆さんとの連帯感が生まれると思いました。市場の方々からも暖かいお声をたくさん頂きました。営業時間なのにも関わらず、ものすごく協力していただいて、皆さんの協力なしでは作れない映画だったなと思います。」
司会「監督を務めた中で障害はありましたか?」

坂本「今までは短編映画しか作っていなかったので、長編映画のスケールの大きさには戸惑いました。たくさんの映画が世の中に溢れているけど、本当に多くの人の努力によって、こういう一つのものが出来上がってるんだなと思いました。」
司会「では中島プロデューサー、街とタッグを組んで映画を作ることと普通の映画では、生まれるものに違いがあるのでしょうか。」
中島「完成した映画を地域の方々ご見たときに『自分達の街をこんな風に撮ってくれたんですね』という感想を頂いた時は本当に嬉かった。 『この映画が街の魅力を見つけてくれた』そう思ってもらえるのは、やはり地域に密着した映画ならではだと思いましたね。」
第2弾『ぶどうのなみだ』に続きます。(木屋)