ミュージアムの企画展「漁業と歴史的遺産」特集第3回!
今回はこちら。
函館ロケ『蟹工船』(53年、山村聰監督)をご紹介。
言わずとしれた小林多喜二の同名小説の映画化。
カニ缶作りの船内を舞台に、
劣悪な環境で働く労働者の闘争を描いています。
ロケ当時について、ミュージアムの礎を築いた
故・竹岡和田男さんは著書「映画の中の北海道」
(北海道新聞社)でこう書いています。
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ロケハンに来た山村監督の緊張した表情を覚えている。(中略)「俳優は頼まれてやるのだけれど、監督は自分でやりたいものをやるのだから大変で・・・」。(中略)出港の場面が原作どおり函館でロケされ、船上の操業実写シーンは、戦後初出漁のカニ工船・東慶丸にカメラマンが乗り込んで撮影した。
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この工船によるタラバガニ漁業は73年に終了。
映画は、貴重な映像資料でもあります。
ちなみに、「蟹工船」は2009年、
松田龍平さん主演でリメイクされているので、
見比べてみるのも一興かもしれません。(アラタメ)