2015年振り返り③~愛を積むひと

10個のキーワードで2015年の

ミュージアムを振り返る企画第3弾。

今回のキーワードは「愛を積むひと」です!

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(c)2015「愛を積むひと」製作委員会

2004年に出版された

エドワード・ムーニー・Jr.著「石を積むひと」を原作に、

舞台をアメリカから日本・美瑛町に移し、

夫婦とそこに集う人々を優しく映し出しました。

ミュージアムでは館内にポスターを掲示。

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毎年のように生まれる北海道ロケの新作。

その魅力を、ミュージアムはどんどん発信します!

「映画撮影」最新号に品田雄吉さんの追悼文が掲載されました。前号では「愛を積むひと」の撮影報告も

5月15日発行の季刊「映画撮影」205号に、北の映像ミュージアムにも多大なお力添えをいただき、昨年亡くなられた映画評論家、品田雄吉さん(留萌管内遠別町出身)の追悼文が掲載されました。

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筆者は映画評論家仲間の佐藤忠男さん。ほぼ同年生まれという佐藤さんと品田さんは、1950年代初めに競って「キネマ旬報」の読者投稿欄に投稿するライバルだったそうです。品田さんは「キネマ旬報」、佐藤さんは「映画評論」編集部に入って若手評論家同士として交際が始まった、と振り返っています。

追悼文で佐藤さんは「品田さんは人柄も温厚だが、作品の評価でも実に公正だった。作品の客観的な評価と位置づけという点では、彼の評価が一番頼りになった。キネマ旬報同人の流れをくむ映画批評の正統として、絶対に必要な存在」と書いています。その上で「だれもが納得できるような意見を言うこと。これが実は難しい。そんなことは私にはできない。しかし彼はやった。そして本当に権威になった」と結んでいます。多くの映画評論家たちの座標軸でありつづけた品田さんの存在の大きさをあらためて感じさせられます。

この「映画撮影」は日本映画撮影監督協会(JSC)の機関誌で、各カメラマンによるさまざまな作品の撮影報告などが掲載されていて、大変興味深い内容が詰まっています。2月15日発行の204号では、昨年、上川管内美瑛町でロケが行われ、6月20日に公開予定の「愛を積むひと」(朝原雄三監督)について、上野彰吾カメラマンが撮影報告を寄せています。この号の表紙は「愛を積むひと」の撮影風景です。

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上野カメラマンは篠原哲雄監督や橋口亮輔監督の作品などを多く手がけてきたベテランです。道内ロケ作品だけでも「オー・ド・ヴィ」(篠原監督、2003年、函館)、「星に願いを。」(冨樫森監督、2003年、函館)、「天国の本屋~恋火」(篠原監督、2004年、小樽など)、「ミラーを拭く男」(梶田征則監督、2004年、室蘭など)、「ぐるりのこと」(橋口監督、2008年、ワンシーンだけ札幌)、「つむじ風食堂の夜」(篠原監督、2009年、函館)、「スノーフレーク」(谷口正晃監督、2011年、函館)、「スイートハート・チョコレート」(篠原監督、2013年、夕張、札幌)と、おなじみの映画が並んでいます。

報告の中で上野カメラマンは、舞台の小林家として、借りた町有地に70平方メートルの家を建てたことや、石塀の材料に50トンもの石灰岩を愛知県から運んだことなどを紹介しています。順撮りではないため、一度完成させた石塀を場面の時系列に合わせて途中まで戻すという作業も行ったそうです。また、カメラマンの立場からは、長期の地方ロケであることからデジタル撮影を選択したことや、「北海道の大自然の中で人の人生をダイナミックに捉えたかったので画面サイズはシネマスコープを選択した」ことなどを記していて、何気なく見ている画面が、実はさまざまなことを考え抜いてつくられていることを教えてくれます。

さらに、デジタル撮影によって、データのコピーを東京の現像所に送ると中1日くらいでタブレット端末に映像が送信され、仕上がりに近い画質でラッシュを確認することができたと振り返り、「以前のフィルム撮りだと、地方ロケでは地元の映画館を借りて上映してもらうか、16ミリの縮小プリントを旅館のロビーで映写したものである。つくづく進化を感じる」と映画撮影の変化の大きさについて述懐しています。

JSCの機関誌とあって、十勝岳に登る主人公の姿を撮影するのに、メーンカメラ以外に、コンパクトながら大画面に耐えられる画質を備えたカメラで手持ち撮影を行ったことや、主人公の妻が病に倒れるシーンには、蛇腹の操作ピントをぼかすことができるレンズを使い、意識が遠のいていく感覚を映像化したことなどを紹介しています。こうした撮影技法の紹介はカメラマンならではのもので、一般に多い、監督やキャストに対する演出や演技の狙いなどについてのインタビュー取材とはまた異なった映画づくりの面白さ、奥深さが伝わってきます。

ロケは昨年6月から7月まで30日あまりと、紅葉の美しさを狙った10月の10日間、12月に実景撮影と3度にわたって行われたそうです。ソニーのデジタルビデオで4K撮影が行われたとのことで、北海道を知り尽くした上野カメラマンがどんな画面をみせてくれるのか、とても楽しみです。
なお、この号では、公開中の札幌ロケ作品「鏡の中の笑顔たち」の高間賢治カメラマンが、キヤノンのデジタルシネマカメラEOS C100を使った撮影についても短い報告を寄せています。
(理事・加藤敦)

美瑛ロケ「愛を積むひと」ポスターが到着!

美瑛ロケ「愛を積むひと」のポスターが

ミュージアムに届きました!

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原作は、2004年に出版され、ロングセラーを続ける

エドワード・ムーニー・Jr.著の「石を積むひと」。

舞台をアメリカから日本に移し、

〝日本で最も美しい村〟とされる北海道美瑛町を舞台に、

夫婦とそこに集う人々を優しく映し出す感動作です。

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(c)2015「愛を積むひと」製作委員会

美瑛にオープンセットを建てて、1年にわたってロケを敢行。

色鮮やかな丘陵や十勝岳など、

大自然の移ろいとともに展開するドラマをぜひスクリーンで。

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ミュージアム館内ではチラシも配付中。

6月20日(土)の全国公開をお楽しみに!

映画の公式サイトはコチラ

2015年のお楽しみ!②美瑛ロケ「愛を積むひと」

今年公開予定の北海道ロケをご紹介。

初夏に公開されるのは、

美瑛ロケ「愛を積むひと」。

「釣りバカ日誌」シリーズなどの朝原雄三さんが監督を務め、

佐藤浩市さんと樋口可南子さんが主演します。

公式サイトの雰囲気から、

温かみある映画のトーンが伝わってきます。

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※サイトはコチラ

美瑛の美しい自然風景が、

夫婦のドラマをどう盛り上げるのか。乞うご期待、ですね。

美瑛ロケ「愛を積む人」がクランクアップ

佐藤浩市さん主演の美瑛ロケ最新作

「愛を積む人」が2014年10月末、クランクアップしたそうです。

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アメリカの小説「石を積むひと」を脚色したこの作品。

東京から自然豊かな北海道に移住し、

第二の人生を歩もうとする夫婦の物語だとか。

美瑛町内に建てられた家や石塀などのセットは

撮影後も保存され、観光に活用されるそう。

来夏の公開後、人気スポットになりそうですね。期待!

美瑛ロケ最新作!「愛を積むひと」

「銀の匙」「そこのみにて光輝く」など、

今年も北海道ロケの公開作が続々!

そんな中、今度は

美瑛ロケの最新作の話題が入ってきました!

そのタイトルは、「愛を積むひと」。

主演は佐藤浩市さんと樋口可南子さん。

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北川景子さん、野村周平さん、杉咲花さん、吉田羊さん、

柄本明さんらも出演するそうです。

何でも、美瑛の5ヘクタールの敷地(東京ドームとほぼ同じ!)に、

オープンセットをすでに建設。

1年をかけて、雄大な自然の中で

第二の人生を送ろうとする夫婦の愛、家族の絆を描くということ。

原作は、エドワード・ムーニー・Jr.の「石を積む人」。

「釣りバカ日誌」シリーズなどの朝原雄三さんが監督を務めます。

公開は2015年初夏の予定。

来年も楽しみがいっぱいの予感です!