「北のカナリアたち」の製作発表会見が行われました

今日は朝からふぶきの札幌です。

さて、今冬、利尻、礼文などでロケが行われる

吉永小百合さん主演最新作「北のカナリアたち」

(阪本順治監督)の製作発表会見が、

昨日、東京で行われました。

東映創立60周年記念の大作だけあって、

共演者は・・・

柴田恭兵さん
里見浩太朗さん
仲村トオルさん
森山未來さん
満島ひかりさん
小池栄子さん
勝地涼さん
松田龍平さん

と、とても豪華!

さらに、喜ばしいのが、

重要な役どころとなる子役の1人に

札幌市の小学生が選ばれたということ!!

510倍というオーディションを勝ち抜いたのは、

4年生の渡辺真帆さん。

ぜひ、頑張ってほしいですね。

会見で、吉永さんは7月にロケ地を訪れた印象を

「利尻富士や高山植物の美しさに感動した」と説明。

過去の北海道ロケ作品

「動乱」(80年、森谷司郎監督)
「海峡」(82年、森谷司郎監督)
「北の零年」(2004年、行定勲監督)

と比べて、「今回が一番大変になる。しっかりやりたい」

と意気込みを語られたとか。

撮影は、

「駅 STATION」(81年、降旗康男監督)
「鉄道員(ぽっぽや)」(99年、降旗康男監督)

などを手がけ、

「劔岳 点の記」(2009年)で初監督を務めた木村大作さん。

今回の極寒ロケについて、

「優しさは過酷な厳しさの中にこそある。

吉永さんも厳しい自然が似合う」とお話しされたそう。

「北のカナリアたち」公式サイトはコチラ↓

http://www.kitanocanaria.jp/index.html

冬の北海道で生まれる新たな大作に、期待が募ります!

いい映画はココロの活力!

今日は肌寒い曇り空の札幌です。

さて、ミュージアムの礎を築いた

故・竹岡和田男さんを〝映画の師匠〟と仰ぎ、

この10年余り、中心的な存在として

ミュージアム活動を支えているのが、

和田由美事務局長です。

札幌の出版社・亜璃西社代表であり、

エッセイストとして各方面で活躍する知る人ぞ知る女性。

北海道キネ旬友の会会長を長年務める、

映画大好き人間でもあります。

そんな彼女のインタビューが、

シニア世代向け生活情報誌「悠悠と。」12月号に掲載されています。

ミュージアムのそもそもの始まり、

オープンまでの裏話、今後の課題など、

和田さんならではのアツい想いが伝わる内容。

その中で、映画の話題だとつい盛り上がってしまう理由を

「心の活力を与えてくれるから」と話しています。

好みは人それぞれですが、

やる気、元気、勇気を出してくれる映画はやっぱりいい映画ですよね。

ちなみに同じ冊子内には、

和田さんの連載コーナー「いつだって根無し草」も。

今回のタイトルは「映画ロケ地に観る札幌」。

「探偵はBARにいる」を中心に、

古今の札幌ロケ映画について語っています。

最新号の会報の冒頭、映画評論家・品田雄吉さんの寄稿文の中で、

ミュージアムの〝生きたシンボル〟と紹介された和田さん。

彼女のミュージアムへの、映画への情熱が伝わる一冊。

ご興味のある方は発売元の(株)エヴァナムHPより、

お買い求めください↓

http://www.evanam.jp/

本の修理屋・坂上さんのこと

空が澄み、冬の気配を感じる札幌です。

さて、今日は月曜休館日。

ですが、〝本の修理屋〟こと坂上吉武さんをご紹介します。

ミュージアムに展示している故・竹岡和田男さんが遺した

キネマ旬報コレクション。

戦後復刊の第1号から

お亡くなりになる2001年までのバックナンバー

ほぼすべて、約1300冊をそろえています。

実は、このキネマ旬報。オープン前に整理したところ、

特に古い号は背表紙やページがボロボロ。

とても触ったり、読める状態ではないものもありました。

そんなとき、人づてにご紹介いただいたのが坂上さんです。

坂上さんは図書館用品の販売会社に長く勤め、

そこで製本技術を学び、本の修繕などを行ってきたそう。

さっそく連絡を取り、まずは痛みがひどい約300冊の修理を依頼。

約3週間のハードスケジュールでしたが、

見事オープンまでに作業してもらったおかげで

お披露目することができたのです。

下の写真にご注目。

中央の第81号以外の背表紙は、坂上さんが付け直してくれたもの。

紙の質感や字体など元の雰囲気を大事にする

こだわりぶりがわかります。

さらに多くの人に活用してもらえるよう、

戦後復刊1~3号までをすべてコピーして

本物そっくりに製本してくれたのも坂上さんでした。

本物はショーケースに並べていますが、

コピー本は館内で自由に閲覧できます。

当時の映画評や映画広告など、

古ければ古いほど読み応えがあるのです。

そんな坂上さんが、

11月15日発行の「O.tone(オトン)」で紹介されました。

「匠」と呼ぶにふさわしい坂上さんの経歴や人となりがわかります。

ミュージアムについても触れられているので、

ぜひお読みください。

古いモノの価値を見直し、新しい時代へつなぐ。

日々修理本と向き合う坂上さんの仕事は、

映像文化を掘り起こすミュージアムと

通じている気がするのです。

網走市立図書館から「北海の虎」資料が届きました

今日もひんやり曇り空の札幌です。

さて、きっと、もっと冷たい海風が吹いている

オホーツクにある網走市立図書館から、

昨日、貴重な資料が届きました。

網走ロケ「北海の虎」に関するものです。

この映画は、「馬喰一代」「無法者」など、

地元・北海道を舞台にした作品を書いている

佐呂間町出身の作家・中山正男が原作者。

1953(昭和28)年に制作・公開され、

田中重雄監督、藤田進さんなどが出演しています。

当時の新聞記事によると、

オホーツクの荒海と流氷と、
網走の景勝の中に強く打ち出された
父と子の愛情と逞ましいクジラ漁の闘魂

が描かれた作品とのこと。

お送りいただいたのは、

ロケ直前の昭和28年9月20日から

ロケ最終日10月11日までの新聞記事コピーなど。

ロケ場所や当時のキャスト、スタッフの様子が

よく分かる、とても貴重な記録です。

さらに興味深いのは、

18回にわたって網走新聞に連載された シナリオ全文!

まさに、「市民挙げて祭騒ぎ」(昭和28年9月28日付道新)

だった様子が伝わります。

ちなみに、この網走市立図書館では、

「北海の虎」の16ミリフィルム映像がビデオまたはDVDで鑑賞可。

機会があれば、ぜひ、ご覧ください。

こうした新聞記事や映像は、

北海道の社会、文化、歴史を映し出す大切な「財産」。

ミュージアムの大きな役割として、

どんどん収集・保存し、発信していこうと思います。

「探偵はBARにいる」ロケ地巡礼のお客様がご来館!

今日も肌寒い札幌です。

さて、大ヒット公開中の札幌ロケ「探偵はBARにいる」(橋本一監督)。

この映画のロケ地巡り中のお客様が、

本日午後、ミュージアムにお見えになりました。

それも、なんと、東京から!!

館内の特集コーナーを 熱心にご覧になっているので声をかけたところ、

ロケ地巡りのために、初めて北海道に来たと聞いてびっくり!

ハンドルネーム「モルト」さんです。

友達に勧められて映画を観たところ、

その面白さにハマり(劇場に行くこと5回!)、 原作シリーズも読破。

とうとう、ロケ地見たさに北海道に来てしまったそうです。

1泊2日の単身旅行。

初日の今日は、羊が丘展望台、北大、地下歩行空間、

北洋ビル、警察署…などを見て回り、これから五右衛門ラーメンを食べる予定とか。

明日は小樽まで足を延ばすそうです。

そんなアツい方にぜひ! と、札幌ビジョン用のPR映像をご紹介。

札幌でしか見れないインタビュー映像もあり、

とっても喜んでおられました。

普段はそんなに映画を観ないというモルトさん。

この作品の魅力を 「キャラクターが生き生きしている!

あの人間くささがいい」と説明され、

「あそこがあの場面だ~と思うと、ドキドキします!」

とロケ地巡りの楽しさをお話しされてました。

好きな映画が生まれたマチは、その人にとって特別な場所になる。

人を駆り立てる映画のチカラを実感した1日でした。

* * *

後日、モルトさんよりコメントが届きました。

なんと、当日巡ったルートをマップにしてくれたとのこと!

どうもありがとうございます。

せっかくなので、皆様にもご紹介します↓

http://maps.google.co.jp/maps/ms?msid=216596453439511031121.0004b2c42154334f186f3&msa=0&ll=43.058227,141.349926&spn=0.009611,0.01929

ぜひ、モルトさんのマップを参考に、札幌のマチを楽しんでみてください。

竹岡羊子さんが札幌芸術賞を受賞されました

大通公園のイルミネーションもライトアップされ、

いよいよ冬の装いの札幌です。

さて、「北海道に映像ミュージアムを」と

提唱し続けてきた、竹岡和田男さん亡き後、

このミュージアム活動を長年支えてくださっている

奥様の竹岡羊子(ようこ)さんが、

平成23年度の札幌芸術賞を受賞されました!

おめでとうございます!

ミュージアム副理事長を務める羊子さんの本業は画家。

1955(昭和30)年に札幌に移り住んで以来、

ヨーロッパを中心に世界各地を訪ね歩き、

カーニバル画を描き続けていらっしゃいます。

札幌を拠点とした女性画家として先駆的に活躍、

美術教育にも力を注ぐなどの実績が認められ、

今回の受賞となりました。

羊子さんは、故・竹岡さんの想いを受け継ぎ、

この10年間、彼の膨大な映画コレクションを

管理・保存し続けてくださった方でもあります。

ようやく実現したミュージアム。

そこに展示された竹岡さんのコレクションを、

どんな想いで見つめていらっしゃったのでしょう。

授賞式で、ミュージアムメンバーと撮った1枚。

信じる道を突き進めば、きっと光が見える。

いつも絶やさない穏やかな笑顔が、

そう教えてくれている気がします。

12月2~4日は函館港イルミナシオン映画祭!

昨日の雨と暖かさで雪は溶け、水たまりの多い札幌です。

さて、来週末の12月2日(金)~4日(日)、

「函館港イルミナシオン映画祭」が開かれます!

今年で17回目を数えるこの映画祭。

3日間にわたる開催期間中、 20超の作品を上映。

その中には、 函館出身の大女優・高峰秀子さんの追悼作品

「二十四の瞳」(54年、木下惠介監督)

函館オールロケ「スノーフレーク」(2011年、谷口正晃監督)、

むかわ町の市民映画第4弾「赤い夕陽の爺yulie(ジュリー)」

(2011年、伊藤好一監督)

など、北海道ゆかりの映画もラインアップされています。

さらに、ミュージアムとも縁の深い 評論家・川本三郎さんをはじめ、

北海道ロケ作品のある

森田芳光監督、大森一樹監督、篠原哲雄監督、あがた森魚さん

などなど 映画人も多数ゲスト参加します。

映画のマチ・函館から作品と人材を発掘しよう! というコンセプトで、

「シナリオ大賞」も続けているこの映画祭。

もちろん、ミュージアム館内でもアピール中です。

3会場で多彩なプログラムが用意されているので、

ぜひスケジュールをチェックしてみてください。

映画祭公式サイトはコチラ↓

http://hakodate-illumina.com/

映画祭のメイン会場は、函館山山頂のクレモナホール。

ここは、なんと、展望台にあるミニシアター!

映画と同時に、あの函館の夜景も楽しめる とてもおトクなイベントなのです。

ぜひ足をお運びください。

「しあわせのパン」完成披露試写会がありました

大通公園の木々は葉を落とし、すっかり冬支度の札幌です。

さて、大ヒット公開中の「探偵はBARにいる」主演

大泉洋さんの最新作「しあわせのパン」の完成披露試写会が

本日、札幌で行われました。

北海道洞爺湖町にある「月浦」という地区を舞台に、

オール北海道ロケというこの作品。

 

洞爺湖のほとりにあるパンカフェに暮らす夫婦と

そこに訪れる人々との交流が、

四季折々の美しい自然を背景に描かれます。

大泉さんと夫婦役を演じるのは、原田知世さん。

ほか、留萌出身のあがた森魚さんも出演されています。

監督・脚本は、これが長編デビューとなる三島有紀子さん。

この日、試写会会場は満席!

熱気に包まれた会場に現れた原田さんは、

「どんどん表情をかえる月浦を見ているだけで

いろんな栄養をもらえて癒されました」とコメント。

ユーモアを交えながら

得意のトークで会場を沸かせた大泉さんも

「北海道をテーマにした映画や作品に出演できることは

北海道出身としてうれしい」などとお話されてました。

うっとりするほど、美しい月が印象的なこの映画。

ロケ地だけではなく、スクリーンに映る

パンや野菜、小道具まで〝メイドイン・北海道〟にこだわったそう。

そんな北海道の魅力をギュッと詰め込んだ作品を

さっそく、ミュージアムでもPR中です!

映画は2012年1月21日(土)、北海道で先行ロードショー!

1月28日(土)に全国で公開されます。

原田さん、大泉さん、三島監督にも取材しているので、

詳細インタビューは年明けにご紹介いたします。

ぜひご期待ください!

「北海道じゃらん」の取材がありました

今日も、冬の空気が凛と張りつめた1日でした。

さて、本日は

旅の情報誌「北海道じゃらん」さんの取材がありました。

12月20日発売の新春号で、

このミュージアムについてご紹介くださるそうです。

この日は、ライター・編集スタッフ・カメラマンの3名がご来館。

打ち合わせ&取材に続き、写真撮影を行いました。

ちなみに、写真左に映る

編集スタッフ・神力(じんりき)ひとみさんは、小樽ご出身。

好きな北海道ロケの作品を聞くと、

やっぱりあの小樽ロケ

「Love Letter」(95年、岩井俊二監督)とのご回答!

あの名作は、故郷の自慢ですよね。

最近では、函館ロケ「星に願いを」(2003年、冨樫森監督)も観たそうです。

また、ライターの伊藤武さん(上の写真中央)も

函館ロケ「Little DJ~小さな恋の物語」(2007年、永田琴監督)を鑑賞したとか。

お二人とも、興味深げに

ロケ地マップをご覧になっておりました。

オープンしてはや2か月。

新聞、テレビ、ラジオ、雑誌と

さまざまな媒体の取材をお受けしていますが、

こうした情報発信のありがたさを痛感します。

札幌市民はもちろん、

北海道を訪れる観光客や北海道民に

まずはこの場所があることを知ってもらいたい。

そして、足を運んでもらいたい。

その積み重ねが、

北海道の映像文化の拠点地への

第一歩だと思うのです。

函館出身の作家・佐藤泰志とわたし

今日は朝から一面の雪、雪、雪!

いよいよ本格的な冬を迎える札幌です。

さて、函館出身の作家、佐藤泰志をご存知ですか?

1981年、「きみの鳥はうたえる」で文壇デビュー。

「移動動物園」「そこのみにて光輝く」など、

青春の煌めきと苦悩、市井の人びとの生き様を描く作品を次々と発表。

芥川賞候補に5回選ばれながらも受賞に至らず、

1990年、41歳の若さで自ら命を絶った孤高の作家。

 

なんと、そんな佐藤泰志の生涯をたどる

ドキュメンタリー制作の企画が進められているそうです!

発案者は、苫小牧出身の稲塚秀孝さん。

映画「二重被爆 語り部・山口彊(つとむ)の遺言」の監督です。

稲塚さんは、佐藤泰志の「市街戦の中のジャズメン」が

有島青少年文学賞の優秀賞に選ばれた年、「幕が上がるまで」という作品で入選。

その際、佐藤泰志と手紙のやり取りをしたとか。

数年前から、ドキュメンタリーの構想を練っていたそうです。

この話題にどうしても力が入ってしまうのは、

佐藤泰志の同名小説を映画化した

函館ロケ「海炭市叙景(かいたんしじょけい)」

(2010年、熊切和嘉監督)の制作に、私が携わったから。

その中で、佐藤泰志の人生を知り、小説を読めば読むほど

その強烈な個性と繊細な作品世界に魅力を感じたからです。

さらに、私よりずっと強い想いを抱く

さまざまな人たちと出会ったからでもあります。

この話を続けると、行数がいくらあっても足りないのでやめますが(笑)、

そんな私にとっても、今回のドキュメンタリー化は願ってもないこと。

全力で応援したいと思います。

ちなみにこの「海炭市叙景」はミュージアムで鑑賞可。

映画化に至るまでのドラマや撮影中のエピソードなら

私がいくらでもお話いたします!

ご興味あれば、ぜひ館内でお声をかけてくださいね。