元東宝の宣伝マン・阿部勝昭さんご来館!

今日は好天!

大通公園の雪まつり準備も進んでいるようです。

さて、今日は

札幌市にお住まいの阿部勝昭さんがご来館くださいました!

映画好きが高じて昭和37年、北海道東宝に入社。

退職まで通算20年にわたり、

北海道の宣伝を担当したベテラン宣伝マンです。

ミュージアムの礎を築いた

故・竹岡和田男さん(当時、道新学芸部在籍)とも、

仕事を通じて知り合ったそう。

竹岡さんの著作本もお持ちくださり、

「若いころ、会社によくスチール写真を届けたもんだよ。

一生懸命原稿を書く様子が目に焼き付いているなぁ」

と懐かしげ。

映画が元気だった当時は、個性的な宣伝もあったとか。

そのひとつが「とんかつ一代」(昭和36年、川島雄三監督)。

阿部さん自身がコックの扮装をして

本物の豚を連れて街中を練り歩いたそう!

想像するだけで、笑っちゃいますね。

ちなみに阿部さんは、

2003年まで中央区南1西1にあった

東宝系映画館「日本劇場」(通称・東宝日劇)

の最後の支配人も務めました。

ミュージアムの中心的存在だった

故・山田昻さんの新聞記事を見つけ、

「これはうれしかったな…」と振り返っておられました。

黒澤明、三船敏郎、若大将シリーズ、

無責任男やクレージーシリーズ、

社長&駅前シリーズ

「日本沈没」に「犬神家の一族」などなど…

時代で移り変わる東宝映画の歩みは、

日本映画の歴史でもあります。

そんな変遷を、

宣伝&劇場の現場最前線で

目の当たりにしてきた阿部さん。

またぜひお越しくださいね!

2月に横浜で「ヨコハマ・フットボール映画祭」

今日はわりとひっそり、静かなミュージアムでした。

さて、本日は、2月19日(日)、25(土)、26日(日)に

神奈川県のミニシアター「シネマ・ジャック&ベティ」で行われる

「ヨコハマ・フットボール映画祭」をご紹介。

え?横浜? とお思いの方。

実は、上映する7作品中、ひとつだけ、

北海道に(ちょっとだけ)関連した作品が上映されるのです。

それは、「Jリーグを100倍楽しく見る方法!!!」(94年)

今年20回目の開催となるJリーグを記念して、

懐かしのこの作品がチョイスされたそう。

この作品の監督・磯村一路さんは、

当別・栗山ロケ「雨鱒の川」(2004年)の監督さんなのです!

遠いといえば遠いつながりですが(笑)、

サッカー映画を集めた珍しい映画祭でもあり、

監督さんを知る上で フィルモグラフィー(作品履歴)は大切ということで、

ご紹介いたしました。

公式サイトはこちら

http://yfff.jp/

サッカーでも、映画でも。

ご興味のある方、ぜひ足をお運びください。

帯広の市民映画館「CINEとかちプリンス劇場」リポート!

本日は、帯広出張。 ということで、

「CINEとかちプリンス劇場」をリポートいたします。

ここは、市民ボランティアでつくる

自主上映グループ「CINEとかち」 (昨秋にNPO法人化)

が老舗劇場を譲り受け、運営する映画館。

この建物は、なんと昭和28年に建設!

築59年の超レトロ物件なのです。

右側の入口から急な階段で2階へ。

階段の両側には、 ここを訪れた映画人のサインや写真があります。

 

階段の中段右手で、気になる絵を発見!

札幌の挿画家・椎名次郎さんの文&絵。

椎名さんはミュージアムにもご協力いただいている方。

映画を通じて、どこかでつながるんですね。

階段を上りきると、正面に受付&売店があります。

左手に細い通路&待合所が伸び、 その奥が劇場への入口です。

暖房のない通路は外気と同じくらい寒いですが、

手作り感のあるポスターやチラシコーナーに なんだか心が温まります。

この日は時間が合わず観れませんでしたが、

留萌・苫前ロケ「風車が見える丘のパズル」 を上映していました!

劇場内は、ほぼ以前の映画館のまま。

座席も、天井も、壁も、スクリーンも。

なんだか懐かしい趣があります。

ひざ掛けも用意。 心地よく観てもらうための、優しい工夫ですね。

場内には、これまでの掲載記事や

幕別・帯広ロケ「遠くの空に消えた」 (2007年、行定勲監督)

サイン入りポスターも。

今どき珍しいレトロな映画館。

残念なことに、建物の老朽化により 今年9月末で退去することに。

現在、街中での移転先を探しているのだそう。

地域に根差した小さな映画館の灯が

これからも続くよう、心から応援しています。

竹岡コレクションの全貌を公開!

本日は、ミュージアムの大切な財産

「竹岡コレクション」をご紹介します。

といっても、館内のコーナーのことではありません。

これは、コレクションのほんの一部。

実は、竹岡さんのご自宅に

今も膨大な数の資料が保存されているのです。

竹岡邸を訪れた本日、 その全貌をリポートいたします。

 

まず目を奪われたのは、 大量の本が並ぶ書庫。

映画だけではなく、美術、文芸など 幅広いジャンルの書物がずらり。

 

生前の書斎も、そのままの状態に。

机や周囲の棚に並ぶのは、

愛用品や仕事資料 ビデオ、フィルム、スクラップなどなど・・・

 

 

その充実ぶりを見れば見るほど、 竹岡さんの仕事ぶり、

映画への情熱が 非常によく伝わってきます。

同時に、これだけのコレクションを守り続けてきた

奥様・羊子さんの想いも感じます。

これだけの貴重な資料をどう活用するか。

ミュージアムの課題であり、

大きな可能性だと実感した1日でありました。

元松竹プロデューサーの楢部一視さんがご来館!

今日も冷え込みが厳しい札幌です。

さて、本日は札幌にお住まいの

楢部一視(ならべ・かずし)さんがご来館くださいました!

東京ご出身の楢部さんは学生時代、

あの淀川長治さんが始めた

「映画友の会」の創立メンバーとして参加。

念願叶って松竹に入社し、

10年以上の下積みを経て、プロデューサーに。

ところが、当時はテレビ創成期。

会社の意向でフジテレビの制作部へ出向し…などなど、

起伏に富んだ人生を歩まれ、現在は札幌で

「北海道自分史友の会」や「アトリエ楢部」などを主宰し、

映画研究や講演、若手育成に励んでおられます。

そんな楢部さん。

この日は、函館出身の大女優・

高峰秀子さんの思い出話をひとつ教えてくれました。

その出会いは、

石狩ロケ「喜びも悲しみも幾歳月」(57年、木下惠介監督)。

なんでも当時、制作助手だった楢部さんのミッションは、

(高峰さんに少し似ているという)

有沢正子さんという女優を木下監督に会わせて、

(撮影が始まっているのに未定だった)

高峰さんの娘役としてOKをもらう、というもの。

そのため、東京から有沢さんを連れて

石狩のロケ現場に行った際、高峰さんに会ったのだそうです。

「いきなり木下監督に会ってもうまくいかないだろうから、

高峰さんの〝お墨付き〟をもらおうと思ってね」と楢部さん。

旅館で待ち時間中の高峰さんに会ったところ

「あら本当に私に似てるわね」と何とかOKの返事をもらい、

木下監督にも無事、了解してもらえたとか。

へぇ~そんなウラ話があったんですか!

「15分くらいだったけど、直接話せたのはいい思い出だね」と楢部さん。

興味深いお話がさらに。

初めて石狩で会ったその時、

高峰さんから交通手段を聞かれて「飛行機」と答えたところ、

「ダメね~北海道には汽車で来なきゃ」と言われたとか。

後日、その言葉の真意を尋ねたところ、

汽車と青函連絡船を乗り継いでようやく到着

という感慨を持って北海道に来ないと感動できない、という意味だったそう。

「距離感を感じて北海道の風土を感じなさい、ということだったんだろうね。

高峰さんに北海道の楽しみ方を教わったよ」と振り返っておられました。

このほか、楢部さんは

制作側ならではの映画話をたくさんお持ちの様子。

ぜひまたたっぷり伺って、お伝えしようと思います!

乞うご期待。

函館の夜は「海炭市叙景」カクテルを

昨夜から1泊2日の函館出張。

ということで、とっておきのバーをご紹介します。

函館駅から徒歩5分、舶来居酒屋「杉の子」です。

大門の一角にオープンして約60年。

知る人ぞ知る昔ながらのバー。

なんとここには、函館ロケ映画「海炭市叙景」(2010年、熊切和嘉監督)

という名のカクテルがあるのです!

というのも、こちらのお店のママは、

地元市民で作る映画「海炭市叙景」製作実行委員のメンバー。

さらに、劇中では、加瀬亮さんの義母役で登場しているのです!

ママは、映画化の前から佐藤泰志さんの原作に注目し、

朗読活動でも取り上げていたそう。

そんなママの想いが詰まったこのカクテル。

お味は・・・さわやか!でも、ちょっと変わった風味が残ります。

聞くと、「ヒプノティック」というリキュールをベースに、

ホワイトラム、レモンをプラス。

そして後味の秘密は、薬草系のリキュール「サンブーカ」。

「海炭市の色に、作品のイメージとして後味を残したかったんです」とママ。

なるほど。

確かにこのひとクセあるこの味は、作品の雰囲気に通じるかもしれません。

映画を観てから飲むか。飲んでから観るか。

どちらでも、きっと深い味わいが楽しめる「海炭市叙景」。

函館の夜に、ぜひお試しを。

ゆうばり映画祭の作品紹介①~「僕等がいた(前編)」

今日は雪の札幌です。

さて、2月23日(木)に開幕する「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」

 

100本を超えるラインアップのうち、ミュージアムでは

北海道ゆかりの映画にスポットを当ててご紹介。

第一回目の今回は、

釧路をメインに、白糠、厚岸でもロケした最新作

「僕等がいた(前編)」(三木孝浩監督)です!

(C)2012「僕等がいた」製作委員会

(C)2002 小畑友紀/小学館

この作品は、

1000万部を突破した大ベストセラー純愛コミックの映画化。

なんと、前編・後編の2部作で、 3月17日(土)に前編、

4月21日(土)に後編、がそれぞれ封切られます。

主演は生田斗真さん、そして吉高由里子さん。

生田さんは北海道出身ということで、

原作×ロケ地×主演 どれも北海道!という、

ミュージアムに、道産子にとっても嬉しい作品。

もちろん、ゆうばり映画祭の上映は、日本で最も早いプレミア上映!

当日は監督も登壇予定だそう。

クロージングの招待作品として、26日(日)に上映(予定)です。

公式サイトはこちらです
http://bokura-movie.com/index.html

ぜひ、この機会にご覧ください。

あの名探偵コナンも北海道に上陸!?

今日は月曜休館日

ですが、最近入手した北海道ロケ映画DVDのご紹介を。

劇場版「名探偵コナン 銀翼の奇術師(マジシャン)」

(2004年、山本泰一郎監督)です!

え?アニメ? と思った方、ぜひ騙されたと思ってご覧ください。

ストーリーの後半、重要なシーンに函館と室蘭が登場するのです!

それも、とんでもないアクションシーンもあり。

しかも、エンディングには、きちんと実写シーンまで盛り込まれています。

かくいう私も、最初は半信半疑で観たものの、

これが実に面白い!

大人も子供も楽しめること間違いなしのイチオシ作品です。

ミュージアムでも先日、

帯広からお越しの小学生の男の子が鑑賞。

偶然同じ日にきた映画好きの常連さんも、

「え?あの映画があるの?」とすぐに飛びつき、

実写シーンを確かめてらっしゃいました。

ご興味があれば、ぜひミュージアムでご鑑賞ください。

「北のシネマ塾」初回は大盛況で無事終了!

本日は、ミュージアムで行う初イベント

「北のシネマ塾」第1回目が行われました!

テーマは、釧路ロケの名作「挽歌」(57年、五所平之助監督)

原作は1955~56年、当時無名だった原田康子さんが

釧路の同人誌に発表した長編小説。

映画は、久我美子さんがヒロイン「怜子」を、

森雅之さんが魅力的な中年男性「桂木」を演じ、

原作とともに〝挽歌ブーム〟を巻き起こしました。

初めての試みだけに緊張しながら準備しましたが、

なんと、予想を超える30人超が参加!

用意した椅子が足りなくなるほどで

根強い「挽歌」人気を伺わせました。

講師は、理事の武島靖子さん(元朝日新聞記者)。

「『挽歌』とその時代」と題したトークでは、

原作が〝異例〟のベストセラーとなり、

社会現象まで巻き起こした時代背景などを振り返る内容。

武島さんは、

「久我美子のスタイルも大ヒットの理由で、

当時はファッションと映画が密接な関係にあったように思います。

昭和30年代初期、あのヒロインは新しい女性像として

当時の女性の心をバッチリとらえたのではないでしょうか」と解説。

「ある建築家をインタビューしたら、

あの映画で自分たちの職業がレベルアップしたと喜ぶ人もいました」

などの取材エピソードに笑いも沸き、会場は和やかな雰囲気でした。

また、原作者の原田康子さんを

「意外とざっくばらんで、ユニークな方。

次回作は戦争を題材にしたいと準備中だったので、

亡くなってとても残念です」と偲んでいました。

参加者からも「当時の釧路は景気が良くて、

東京の流行をいち早く取り入れていた記憶がある」

「霧笛がBGMのように何度もかかり、釧路人にとって貴重な映像」

「映画に登場する橋はどこ?」

などなど、さまざまな感想や質問が飛び出し、充実した時間となりました。

帰りに、「本当に良かった!また来ます」という嬉しい感想も。

次回は2月18日(土)午後2時~。

札幌の映画館の変遷をトークで振り返ります。

ぜひ、ご参加ください!

21日(土)公開!「しあわせのパン」インタビュー③大泉洋さん編

今日も好天の札幌です。

さて、1月21日(土)の公開日が、明日に迫ったオール北海道ロケ「しあわせのパン」。

インタビュー紹介の最後を締めくくるのは、北海道出身の大泉洋さんです!

質問は、ミュージアム理事の武島靖子さん。

ユーモアを交えつつ、一生懸命で情熱的なインタビューをどうぞ。

ーー大泉さんは、言うまでもなく北海道ご出身で、前作も北海道ロケの大作でした。映画を通して、改めて北海道の魅力をどうお感じになりましたか?


(C)2011『しあわせのパン』製作委員会

確かに北海道ロケが続いてますが、この「しあわせのパン」は、「探偵はBARにいる」とは180度違う内容ですね。「探偵~」はすすきのの大歓楽街が舞台で、「しあわせ~」は洞爺湖町の月浦という地区がロケ地。撮影を通じて感じたのは、北海道で育ってきた僕らにわからない魅力が北海道にはある、ということです。そして、道外の人が映画を撮るときに、それが際立つのではないか、と思います。僕らにとって当たり前のものが、案外、道外の人にはそうじゃないんです。今回も、ロケ地になった洞爺の人は「ここ、そんなにいいかい?」なんていう人もいました(笑)毎日見ている景色だから、道外の人に「こんなにきれい!」といわれてその良さに気付く、みたいなことがあるんです。

(C)2011『しあわせのパン』製作委員会

僕にしても、洞爺湖温泉に行ったことはあるし、洞爺湖も何度も見ているけど、あの月浦から見る洞爺湖は違いました。そもそも、月浦という場所を知りませんでした。そういう意味では、新しい発見がありましたね。こんな表情の洞爺湖があったんだ、という。月浦は、その名の通り、湖の上に浮かぶ月が美しい場所。朝方まで撮影が続いた時なんか、美しい朝日が昇って、「お疲れ様」と言ってくれているようで、拝んで帰りたくなるような雰囲気になりました(笑)ストレスの溜まらない、パワースポットのような場所でしたね。

(C)2011『しあわせのパン』製作委員会

ーー北海道の人は、大泉さんが出ると、自然と応援したくなる部分があると思います。大泉さん自身はいかがでしょうか。

確かに、北海道が舞台だと、どうしても力の入り方が何割か増しになってしまうんです。「宣伝しなきゃ!」ってういう気にならざるを得ないんですよね。その気持ちプラス、少しでも多くの人を北海道に呼びたい、という気持ちがなぜか働くんです。自分でもイヤになります、ここまで一生懸命になっちゃう自分が(笑)「北海道を宣伝したい」というのは、もう、性ですね(笑)

(C)2011『しあわせのパン』製作委員会

ーーありがとうございます。これからも頑張ってください!

以上です。

出演された原田さん、大泉さんに加えて、

この映画のもうひとつの主役は「月浦」という場所なのかもしれません。

そんな「しあわせのパン」、ぜひご覧になってみてください。

◇ ◇ ◇

「しあわせのパン」
2012年1月21日(土)北海道先行ロードショー
1月28日(土)全国ロードショー
監督:三島有紀子
キャスト:原田知世 大泉 洋 他
公式サイト http://shiawase-pan.asmik-ace.co.jp/index.html