昨日19日に行われた2013年最初の「北のシネマ塾」。
初回のテーマはこちら!
ご存じ高倉健さん主演の『網走番外地』(65年、石井輝男監督)。
トークは高村賢治理事が担当しました。
高村理事はまず、石井監督が熱望し、
ようやく映画が撮影されることになった背景などを説明。
『網走番外地』の前に、
石井×高倉コンビで作った『顔役』という映画で、
健さんが「網走番外地」のテーマ曲を
口笛で吹くシーンがあることを紹介。
「こうした伏せんが実は隠されているんです」と解説しました。
また、映画の見どころのひとつに「母親への想い」を挙げ、
「なぜこんなに母への想いを如実に出すかというと、
成瀬巳喜男監督の『おかあさん』という映画で
石井さんは助監督を務めており、こうした成瀬作品から
演出の土台を学んだのでは」と持論を展開。
さらに、“エログロ”と言われる石井作品シリーズでも
「母親への想い」が根底に流れていると指摘しました。
道内のロケ地についても、
・北浜駅(冒頭、列車から降りてくるシーン)
・東藻琴駅(冒頭の駅舎)
・新得のトロッコ(トロッコのアクションシーン)
・根室本線の厚岸に近い「べカンベ」の線路
(最後に手錠を外すシーン)
・硫黄山の川湯(丹波哲郎が健さんを追い詰める後半のシーン)
などシーンを織り交ぜ詳しく紹介し、
「トロッコのアクションシーンは傑作!
新得のトロッコは撮影前に廃止になっており、
今は見ることのできない貴重な映像です」と力説。
「北海道各所を回り、作品を作り上げた
活動屋魂に頭が下がる思いがします」と語っていました。
* * *
ちなみにこの日は、嬉しい出来事がいくつか。
この日配った資料は常連の木村さん作成のもの。
いつもありがとうございます!
さらに、常連のNさんからは資料の寄贈が。
そして、「載っていたの見つけたからどうぞ!」と、
昨年12月のJR誌を持ってきてくれたお客様も。
皆さま、どうもありがとうございます。
2013年のスタートとして、とてもありがたいシネマ塾でした。
さて、次回の「北のシネマ塾」は
2月16日(土)、テーマは『馬喰一代』です!