特別展示「漁業と歴史的遺産」見に来てください

北の映像ミュージアムの特別展示「シネマの風景 北の歴史篇」が1月4日の新年開館から新しいテーマ「漁業と歴史的遺産」に変わります。昨日、会員や学生サポーターらが力を合わせて展示替えをしましました。

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半年間お世話になった「炭鉱と鉄道」関連のポスターや資料、鉱山関係団体やJR北海道、鉄道マニアからお借りしたグッズを陳列ケースや展示コーナーから取り外し、代わって当館所蔵の映画「ジャコ萬と鉄」「魚影の群れ」などのポスター、スチル写真、書籍などを陳列ケースに。また展示コーナーには知床の収集家からお借りした大漁旗、小樽の漁業者からお借りしたニシン漁時代からの大型タモ網、刺し網、浮き球などを半日がかりで飾り付けました。

出来上がった漁具コーナーを見ながら「なにやら炉端焼き居酒屋みたい」というメンバーの笑い声も漏れました。

アイヌ民族による河川でのサケ獲りに始まり、いまでは年間300億円を稼ぐ漁業は、農業と並ぶ北海道の重要な第1次産業になっています。北の海を舞台に生まれた数多くの名作映画をめぐる逸話や名優たちの姿、作品の背景とった漁業、水産業にちなんだ品々をゆっくり見ていただい。私たちは決してディスプレーのプロではありませんが、心を込めて新展示を準備しました。1月4日10時、みなさまのご来館をお待ちしています。

なお、入居するホテルさっぽろ芸文館の年末年始休業に伴い、北の映像ミュージアムも28日から3日まで休館します。みなさま、よいお年を。

 

 

 

28日から1月3日まで休館します

北の映像ミュージアムは入居する建物ーホテルさっぽろ芸文館の年末年始休に伴い、12月28日(土)から1月3日(金)までの1週間、休館します。

新年からは特別展示コーナー「シネマの風景 北の歴史編」が炭鉱と鉄道」から「漁業・水産業」に模様替えします。期間は6月末までの半年間。北海道でロケ撮影された名作映画のなかで、漁業・水産に関連した作品のポスターや資料、道内の漁業、水産の町で使われてきた漁具などを展示します。お楽しみに。

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昨日、漁具をお借りするため、スタッフが訪れた小樽市高島漁港の風景です。いまはたこ箱漁の真っ盛り。作業場には朝水揚げしたばかりのたこ君が茹で上げられ、干されていました。

 

 

ゆうばり映画祭2014、審査委員長に根岸吉太郎監督

毎年2月、厳寒の夕張で開かれるゆうばり国際ファンタスティック映画祭。期間中に上映される作品のラインナッなどを発表する記者会見が1月15日(水)、13:30からアートホテルズ札幌(札幌市中央区南9条西2丁目)で開かれます。

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2014 NEWS_vol.2が25日、北の映像ミュージアムに来信。記者会見の告知のほか、①オフシアター・コンペティション部門の審査委員長に「雪に願うこと」(2005年)の根岸吉太郎監督②インターフィルム・ショートフィルム・コンペティション部門 の審査員にキム・ユージン氏(韓国/富川国際学生アニメーション映画祭プログラムディレクター)、荒牧伸志氏(日本/監督)鹿野 剛氏(日本/VFXスーパーバイザー)をそれぞれ迎えることを伝えています。

同祭の広報担当は■東京 <電波・紙>三上(フリー)TEL:090-4094-7277
<WEB担当>フラッグTEL:03-6427-9093 ■北海道 (株)アジアン・スマイルコム TEL:011‐206‐1857

今年最後のシネマ塾-フロアからも活発な発言

12月21日(土)午後2時から今年最後の北のシネマ塾「アフリカの光」の上映とトークが開かれました。上映後は北の映像ミュージアムきっての映画通、高村賢治理事が厳冬の根室管内羅臼町ロケにまつわる話を紹介しました。

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作品は1975年、東宝・渡辺企画の製作。神代辰巳監督が前作「青春の蹉跌」に続いて萩原健一を主演に、田中邦衛、桃井かおりなどを共演に配して描いた青春映画で、原作は丸山健二。

厳寒の北の漁村にふらっと現れた2人の若者が、雪が解けるころに帰ってくるアフリカ行きのマグロ漁船に乗り込むことを夢見て、冬を過ごすという設定。 地元漁師たちとの確執、女性との恋と挫折が描かれれています。日活ロマンポルノで神代監督とコンビを組んだカメラの姫田真佐が北海道各地を巡って羅臼を選びました。2人が橋を渡ってやってくる最初のシーンと列車で別れるシーンは厚岸町で、それ以外はすべて羅臼町で撮影されました。

高村さんはトークでスナック、番屋、銭湯など羅臼町民が全面協力したと語り、地元にはよそ者に対する包容力がある一方で、冷たい目もあるという独特の風土と気質もストーリー展開の伏線になっていると解説しました。

この日のシネマ塾に参加した岡江政志さん(60歳)が、ロケに使われたコトブキ屋洋品店の様子などを語るなど、フロアから活発な発言が相次ぎました。「全面協力したわりには羅臼の観光資源が描かれていない」という意見も・・。

かつて衣料品のセールスで札幌から羅臼に足を運んだという岡江さんは「コトブキ屋洋品店の奥さんが映画のロケに使われたと話していたが、洋品店はどこに出てきたか分からなかった」と、首をかしげると高村さんは「コトブキ屋の応接室が改装されて、萩原、田中が暮らす安アパートになっています。だから分からないのでしょう」と種明かししました。

2013年のシネマ塾はこの日が締めくくり。新年第1回の1月18日(土)は初めての映画ファンの集い「私の愛した悪役」を開きます。午後2時から。ミュージアムに来てあなたの好きな悪役がからむ名シーンについて存分に語ってください。

 

『野のなななのか』ドキュメンタリーが20日夜10時NHKで放送

芦別でロケされた
大林宣彦監督の最新作『野のなななのか』が完成しました!
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公開に先駆け、映画の製作過程に密着取材したドキュメント番組が
12月20日(金)夜10:00~10:48 NHKテレビ/総合放送にて放送されます。

番組タイトルは
「映画が北の町を、熱くした ~大林宣彦 20年目の約束~」

 

芦別と大林監督をつないだのは、あるひとりの青年でした。
“星の降る里芦別映画学校”を立ち上げた芦別市職員の鈴木評詞さん(故人)です。

15歳の時に『さびしんぼう』を見た鈴木さんは、
映画にたいへん感銘を受け、ロケ地である尾道に一人旅に来たそうです。
それから数年が経ち、市職員になった鈴木さんは
大林監督を「校長先生」として迎え、芦別で映画学校を開催することを決めました。

鈴木さんは病気のため36歳で亡くなくなりましたが、
生前彼は大林監督に芦別で映画製作をする夢を語っていたようです。
それから20年がたった今、その約束が果たされようとしています。

ドキュメント番組では、
監督の20年越しの思いが語られるのではないでしょうか。
楽しみですね。

『野のなななのか』は2014年5月17日から
有楽町スバル座より、全国で順次公開が決定しています。

公開はまだ半年ほど先ですが、
情報が入り次第ミュージアムでも紹介していきます!

(学生スタッフ:木屋)

カーボンアーク式映写機の輸送費支援のお願い

懐かしの「映写機 北の映像ミュージアムが保存へ」。こんな見出しの記事が昨日の北海道新聞夕刊「芸能」面に掲載されました。前文を引用します。

戦前から1960年代にかけて主に使われたカーボンアーク式映写機が士別市内の元映画館に残されていた。2本の炭素棒で放電発火させ、生じた強い光を高原にして映写する仕組み。(中略)「北の映像ミュージアム」は今後、貴重な資料として引き取り、保存する。

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12月9日の北海道新聞夕刊「芸能面」

この映写機を当映像ミュージアム迎えたいという意向については、すでに今年春、このスタッフブログでもご紹介しました。なぜまだ実現していないのかといえば、ひとえに搬入のための資金不足によるものでした。

総重量200キロの精密機械を道北士別から札幌まで運ぶには、いったん分解して慎重に荷造りし、ミュージアムに到着してから組み立て直し展示しなければなりません。分解ー輸送ー組み立てをやってくれる業者は道内にはなく、道外の専門会社に見積もりを依頼すると40数万円でした。残念ながら、その資金は目下のビンボウNPOにはありません。

新聞にもありますように、映写機誘致予算のねん出を思案した末、映像ミュージアム活動に理解を示していただける市民に広くご寄付を呼び掛けることにしました。

「1口千円、何口でも歓迎」郵便振替の口座番号は02750-1ー94490。口座名義はNPO法人「北の映像ミュージアム」。詳しい問い合わせは北の映像ミュージアム☎011-522-7670へ。

 

直接、札幌市中央区北1条西12丁目、「さっぽろ芸術文化の館」1階(ホテル側)北の映像ミュージアムに持ちこんでいただくこともできます。見学がてらおいで下さい。

おめでとう!札幌映画サークル50周年

12月7日、札幌映画サークルの創立50周年記念イベントにちょっと参加してきました。狸小路5丁目の札幌プラザ2.5で朝9時半から夜8時まで盛りだくさんのプログラムでした。このうち将来の映像アーティストめざしてがんばる道内の若者たちの短編映画を7本観賞。さらに高畑勲監督のドキュメンタリー作品「柳川掘割物語」を見たあと監督のトークを聞きました。

IMG_5997短編映画8本を上映したあと、ステージに勢ぞろいする若手映像人たち

短編映画は札幌映画サークルが立ちあげた「さっぽろクリエーター育成プロジェクト」(Sapporo Creator Upbringing Project=SCUP)で育った人たちの作品8本が無料上映されました。キタが午前10時前に入館したときすでに1本目の「末永とも子シリーズ」が終わっており、見たのは2本目の「凪(な)ぎさ」の途中から。

正直いって、作品のレベルはまだまだ「映画」といえるだけの域に達していないものが多かった。撮影技術、演出、演技の3つのポイントからは「愚怒猛仁愚(グッドモーニングとよむらしい)、ヤンキー」(杉山りょう監督)がよかった。プロの俳優さんを使ったのはこの作品だけかな?

でも、映像づくりに賭けた情熱はどの作品からも伝わってきた。この分野の育成に力を貸す札幌映画サークルの度量に敬意を表したい。

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高畑勲監督(右)と森啓・教授との対談

午後1時からの「柳川掘割物語」は立ち見が出るほどの盛況。アニメのトップランナーを走る高畑勲監督唯一の実写作品(1987年)。水郷柳川(福岡県)の復活を撮った渾身のドキュメンタリー。宮崎駿さんとタッグを組んで世に送り出しました。キタは初めて見ましたが、素晴らしいものでした。

上映のあと、自治体学の専門家、森啓・元北大教授と高畑監督の対談がありました。

同サークルの25周年イベントでも上映したというが、民と官が協力して地域の宝を再生していくプロセスを丁寧に記録した作品は時代を経ても古びることのない訴求力を持っていました。

高畑監督は1935年生まれ今年78歳。ステージで見た姿は髪も黒々と若々しい。現在、ロードショー中の同監督のアニメ作品「かぐや姫の物語」のPRも忘れず、まだまだ元気いっぱい。72歳の盟友宮崎駿の引退宣言についても、微妙な発言をしておられました。

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50年の歩みを伝えるパネル、山田洋次監督ら映画人が残した色紙をロビーに展示

 

それにしても、札幌映画サークルの創立50周年。ただただ頭が下がる思いです。われら「北の映像ミュージアム」はNPO創立から10年、ミュージアム開館からまだ2年。北海道の映像文化を守っていくために見習っていくことがたくさんあります。

山下達郎さんのXmasプレゼント? ミュージアム賑わう

きょう12月1日は映画の日。1896年(明治29年)11月25日、日本では初めて映画が上映されたのを記念して、設けられました。場所は神戸。11月25日を映画の日にするよりきりがよくて覚えやすい12月1日になったらしい。

わたし、この日は当番ではないが、なんとなく北の映像ミュージアムに行ってみました。夕方になって続々と来館者が詰めかけてきました。少なくとも午後6時の閉館までに120人に達したか。なぜ?

IMG_5920山下達郎さんのお導きでたくさんの人たちでにぎわう北の映像ミュージアム

これはとなりにライブのできる「ニトリホール」があるから。この日はミドルエ―ジに圧倒的人気のある山下達郎さんのステージがありました。ちょっと早めにきて、トイレに行き、映像ミュージアムで無我の境地になって態勢を整えてから山下さんの待つホールに行こうという寸法でしょう。

それでもいいのです。少しでもたくさんの市民に来ていただき、こんなミュージアムがあることを知ってもらえれば。

わたし、映写機や、ロケ地マップに見入っている人に一生説明いたしました。

山下達郎さんのヒット曲に「クリスマスイブ」がありますね。

♪雨は夜更け過ぎに雪へと変わるだろう。Silent night, holy night

♪きっと君は来ない ひとりきりのクリスマスイブ

映画の日の大賑わいは、ひょっとすると、山下達郎さんからのちょっと早いクリスマスプレゼントだったかもしれません。

神さま(こんな時だけ神頼み)、今日来た人たちがまた、私たちの映像ミュージアムにきてくれますように。北の映像ミュージアムを次の世代につなぐためのよき支援者になっていただけますように。