毎月第3土曜日、ミュージアムで開催する
ミニベント「北のシネマ塾」。
6月17日は、高峰秀子主演「乱れる」
(1964年、成瀬巳喜男監督)をテーマに、
高村賢治副館長がトークを務めました。
高村副館長はまず、「メロドラマとサスペンスが合体した珍しい成瀬作品。男女が侵してはならない一線を越えるかどうか、がドラマとしての面白さ」と紹介。
前半は「高峰さんの演技に、加山雄三さんは応えきれていない」と厳しい批評をしたのに対し、「告白シーンからの後半は、成瀬監督の演出が素晴らしく、何度見てもいい」と絶賛!
特に、劇中に登場する「橋」や「着物」がどんな意味を持つのか、独自に分析したほか、「告白シーンは、照明の使い方や高峰さんの動きによって緊迫感が高まるよう、計算された演出が光る」と解説。
また、高峰さんの演技が「心の葛藤や乱れを、目や眉毛、口元で表現するなど見事!」と大絶賛。名演シーンを3つ選び、熱く語りました。
また、ロケ地となった温泉街も紹介。ほかの作品のロケ地も挙げ、「成瀬作品では、男女が愛を完成させるため温泉に行くシチュエーションが出てくる」と紹介。遺作となった「乱れ雲」をリアルタイムで見たときの思い出や、「この作品の加山さんの演技は素晴らしい。ぜひこちらも見てほしい」と語りました。
ご参加くださった方々、ありがとうございます。
次回は7/15(土)。
テーマは「流れる」です。ぜひどうぞ!