2月5日(月)、札幌で開催された北海道150年事業のキックオフ特別イベント「キタデミー賞」(「北の映像ミュージアム」を含む関係機関・団体でつくる「北海道150年 映像と音楽による特別イベント実行委員会」が主催)。
スタッフ・新目による会場レポートの最終回をどうぞ。
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「主演女優賞」につづき、「録音賞」「助演男優賞」「助演女優賞」などが続々と発表されました。人だけでなく、北海道を彩るモノ、コトも受賞者に名を連ね、会場は笑いと拍手に包まれました。まとめてご紹介します。

●録音賞
オホーツク海の流氷
キタキツネ物語
タンチョウ鶴の求愛ダンス
●助演男優賞
「サケ」
ソフトバンクCMでお馴染みの北海道犬「カイくん」(隣りは共演者のダンテ・カーヴァーさん)

「ブリスキー・ザ・ベアー(愛称B☆B)」(北海道日本ハムファイターズ公式マスコット)
惜しくも受賞を逃したメロン熊も、客席に登場(乱入?)する珍場面も。

北島さんがオーナーを務める競走馬「キタサンブラック」
「キタキツネ」
●助演女優賞
ミサキさん(宗谷岬、兜岬、神威岬、弁慶岬、積丹岬)
ハナさん(ラベンダー、ライラック、すずらん、ハナマス)
●歌曲賞
サカナクション「ネイティブダンサー」
水曜日のカンパネラ「シャクシャイン」
さだまさし「北の国から」
北島三郎「函館の女」など


北島さん「ありがとうございます。私はこの北の大地で生まれ、18歳まで上磯郡知内にいました。函館の高校を卒業と同時に、歌手を夢見て、津軽海峡を青函連絡船に揺られて、東北に向かいました。おかげで、歌手にさせてもらいました。歌手になってから、夏には必ず、大事な生まれ故郷に帰ってきます。春夏秋冬、一年中いつ来ても、四季の素晴らしい北海道は、私の自慢のひとつです。北海道に生まれて、こんな立派な賞をいただいて、ありがとうございます!」(会場から大きな拍手)

司会の羽鳥慎一さん「なぜ、この北海道の曲をたくさん歌い続けられているんでしょうか」。
北島さん「まだ北島三郎になる前、レッスンのとき、作詞家の星野さんが私の顔を見て、『どうもあなたの顔を見ていると、潮の匂い、海の匂い、北の海の匂いがする』と。それで「なみだ船」の歌詞ができたんだと言って、北の歌が圧倒的に多くなったんです。(拍手)今日は吉永小百合さんがいらっしゃいますけれど、

私がこの歌で日本レコード大賞新人賞を取ったときに、吉永さんと橋幸夫さんの「いつでも夢を」が大賞でした。久しぶりにお会いできて感激です。(拍手)北海道は、どこに行っても自分の大事な故郷、私の大事な心のひとつです。ありがとうございます!」

●撮影賞
味噌ラーメン
〆パフェ
ジュンドック
いくら丼
ジンギスカン
蟹
花畑牧場
●美術賞
ニッカウヰスキー余市蒸留所
稚内港北防波堤ドーム
旧花田家番屋
サラブレット大壁画
頭大仏殿
札幌芸術美術館
モエレ沼公園
豊似湖
ここで、司会の羽鳥さんがこのように語りました。
「これからご紹介しますフィルムには、あの時の風、光、影、色、そして人間、一瞬一瞬の北海道が収められています。厳しい大自然に、当時人々が根を張り、豊かで大きな未来の可能性を持った大地。映画の名場面で紡いでいく〝北海道〟という作品をご覧いただきます」
スクリーンに映し出される北海道ロケ映画の名場面。たっぷりどうぞ!

続いて、樹木希林さんと吉永小百合さんが登場。

樹木さん「私も北海道の作品がひとつあるんです。今から50年前小樽駅で撮った仲代達也、佐久間良子主演の『旅路』。覚えてないでしょう…」。
いえいえ、覚えています! 実は2013年9月、「北の映像ミュージアム」主催の上映会で特別上映しています(※当時の記事はこちら)。もちろん、ミュージアム館内の北海道ロケリストにも明記しています。

というわけで、名曲「いつでも夢を」を、北海道札幌旭丘高校合唱部&会場全体で大合唱。


そして気になる最後の「最優秀作品賞」ですが…

「北海道」に決定!ということで、高橋はるみ知事が山田洋次監督からトロフィーを受け取ります。
山田監督「いま世界の国々は大変な問題を抱えています。同じように、北海道だって解決されなければならない課題があるはずで、それは知事さんが一番よくご存じだと思います。どうぞこれからも、北海道に暮らす人々の幸せのためにご努力くだることを願って、トロフィーを渡します」

高橋はるみ知事「感動しております。賞の流れで最後はこうかなぁと思いながらも(会場笑)、作品賞をいただきまして本当に嬉しく思っております。先ほど画面いっぱいに北海道150年の歴史を映画のダイジェスト版で綴っていただきました。私たちの故郷北海道、道民を代表して感謝を申し上げます。先人の方々、北海道の自然の恵みを知恵と工夫で最大限生かしながら150年を紡いできました。先ほど主演女優賞に選ばれた知里幸恵さんは、アイヌを代表する大変聡明な女性であったと記録されております。知里さんをはじめとするアイヌの方々、アイヌの方々をはじめとするすべての150年を紡いできた先人の方々に、心から感謝を申し上げます。

いま、北海道は世界にたくさんのファンを抱える星になっています。これからは、現代に生きる私たち一人ひとりが主演をしていかなければならないと思っております。先人が築き上げた北海道151年目、2年目、そして、200年目に向けて、さらに素晴らしい高みを目指していきたい。私たち道民はさらに一歩一歩頑張っていきます。その決意を、道民を代表して申し上げます。ありがとうございました」(拍手)
約2時間のステージショーはこれにて終了。北海道150年を綴るフィルムのダイジェストは、〝映画は歴史の証言者〟という北の映像ミュージアムの存在意義を強く裏付ける貴重な映像でした。改めて、これからの北海道の在り方を考える文化拠点のひとつに、この北の映像ミュージアムがなれば嬉しいことはない、と感じました。(おわり)
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