年末のご挨拶

2018年も残すところあとわずか。

昨日27日は新オフィスの大掃除を行いました。

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年明けは1月7日(月)からオープン致します。

今年は、ホテル内スペースの閉館、新オフィスの引っ越しなど

多くの方にご心配をお掛けした一年でした。

優しい励ましの声もたくさんいただき、

活動の意義を改めて実感した年でもありました。

この場をおかりして、皆さまに厚く御礼申し上げます。

恒久的ミュージアムの実現に向けて

来年からも邁進してまいりますので、

引き続き応援・ご協力のほど、よろしくお願い致します。

どうぞよいお年をお迎えください。

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札幌ロケ&大泉洋主演最新作「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」前田哲監督インタビュー!

第35回大宅壮一ノンフィクション賞&第25回講談社ノンフィクション賞をW受賞した、渡辺一史さんの傑作ノンフィクション「こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち」。札幌に実在した重度の筋ジストロフィー患者・鹿野靖明さんとボランティアたちとの心の交流を綴る物語を、大泉洋さん主演で映画化した「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」が、あす12/28(金)に公開されます。

(C)2018映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会

(C)2018映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会

札幌にゆかりのあるベストセラーの映画化!とあって、楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。我々ミュージアムも、札幌フィルムコミッションとの共同企画パネル展(※詳しい記事はこちら)などで応援中! キャンペーンで来札された前田哲監督インタビューをたっぷりご紹介します。

* * *

ーーよろしくお願いします。札幌市長への表敬訪問では札幌市、特にメイン舞台となった西区の方々が協力的だったとお話されていました(※レポート記事はこちら)。札幌ロケの手応えはいかがですか。

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北海道は原作を読んでいる人が多く、まして大泉洋さんが主演だと聞くと「ぜひぜひ」と受け入れてくださって、その〝懐の大きさと温かさ〟が嬉しかったです。札幌は〝画〟になる場所が多いですよね。これだけの都市でありながら、近くに山も川もある。ビルの向こうに山がある風景は全国でもなかなかありません。四季がはっきりしているのも魅力です。札幌のロケ地でいうと、北海道大学が良かったですね。美咲(高畑充希)と田中(三浦春馬)がデートする芝生や、クラーク会館も印象的でした。

サブ⑤

(C)2018「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会

もちろん、札幌フィルムコミッションの存在も大きいです。鹿野さんの住まいは札幌市西区山の手にある団地で撮影しましたが、なんとそこは鹿野さんが実際に住んでいた部屋だったんです。奇跡的に、ロケの日程と空き室になったタイミングが合致して、管理している道庁のご好意もあってお借りできました。鹿野さんが実際に通った病院でロケできたり、当時の主治医の方が協力下さったり…。美瑛の撮影も本当に鹿野さんが泊まったペンションをお借りできたり、まさに鹿野さんに〝招かれている〟感じがしました。

――大泉洋さんが演じる主人公・鹿野は、「いつまでも見たい」と思える魅力的なキャラクターでした。一方で、下半身を動かせない、どんどん話せなくなる…という難しい役どころでもありました。演出で気を遣われた点は?

同じことを、佐藤浩市さんも心配していました。「洋ちゃん大丈夫かな」って。役者は肉体の表現者ですから、体を動かせない制約は、ストレスです。でも、大泉さんの凄いところは、制約があればあるほど、「じゃあ何ができるか」と楽しみながら探せる点。実際の鹿野さんが、病気が進んで動けなくなればなるほど〝生命力〟をアップしていったと原作にありますが、大泉さんの場合、役者としての動きを封じられるほど、発揮できるものを見つけていったんです。目や眉毛、声の強弱、間など、彼はあらゆる工夫をし、素晴らしい表現につなげてくれました。

(C)2018「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会

(C)2018「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会

――ヒロインの高畑充希さんは、前田監督の「ドルフィンブルー フジ、もういちど宙へ」(2007年)が映画初出演。当時はボーイッシュな初々しい演技でしたが、今回は、どんどん女性として成熟し、包容力を感じさせるような役柄でした。

「ドルフィンブルー」で彼女は14歳でしたが、当時から度胸があって自分の意見をしっかり持っていた。僕は、本人が心から出た表現が一番強いと思っているので、彼女はそういうことのできる〝天才〟だと思います。今回も、シナリオに描かれた心理の変化をしっかり確認して、現場に入ってくれました。お芝居はリアクションなので、彼女と大泉さん、三浦さんの3人がどういう〝アンサンブル〟を見せてくれるかが大きな見どころです。

(C)2018「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会

(C)2018「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会

――常に赤いものを身につけているのも印象的でした。

僕の映画に出てくる女性は、強いんです。パキッとして、凛としていて、ぶれない。そして必ず、赤い服を着ているんです。無意識なので、なぜ赤なのかと問われると困りますが、やはり一番強い色だからでしょうね。ちなみに、僕の映画の男性はだいたいアタフタしています。

(C)2018「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会

(C)2018「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会

――確かに、三浦さん演じる「田中」も当てはまりますね(笑)。田中、美咲以外のボランティアと鹿野さんの関係も、原作同様、心地良く描かれていて素敵でした。

ほかのボランティアと鹿野さんとの関係は劇中で具体的には描いていませんが、実は全員、プロフィールがあるんです。たとえば、渡辺真起子さん演じる「前木」の場合、過去に離婚しかけて鹿野に相談したとか、宇野祥平さん演じる「塚田」はバーテンダーだからいつも白いワイシャツを着ているとか…。それぞれストーリーを背負って、それを含んだ演技を見せてくれています。

――友情出演の佐藤浩市さんも、シーンに重みを加えています。監督の助監督時代をよく知る方だそうですね。

彼が「C(コンビニエンス)・ジャック」という1992年の映画に出演されたのが始まりです。助監督時代に触れ合うものがあり、「僕が監督になったら出る」という約束を、今も律儀に守って下さっている侠気のある方です。

―佐藤さんは、増毛ロケも行われた相米慎二監督作「魚影の群れ」にご出演されています。監督も、相米監督のもと「ポッキー坂恋物語 かわいいひと」で劇場映画デビューされていますが、何かご関係は…。

実は、僕はタイミングが合わず、相米監督の現場には入っていないんです。縁あって、相米さんが総監督を務めた3話構成のオムニバス映画「ポッキー坂恋物語」でデビューさせてもらいましたが。…実は当時、ずっと反発していました。若くて生意気だったし、初監督だったので好きに撮らせてもらいたくて。

―そうでしたか…相米監督の思い出はありますか?

相米さんは、僕にとっての〝鹿野さん〟です。甘え上手で、ワガママ放題で、自由な人。でも、僕の師匠的存在であり、親父のような存在です。誰にでも、そういう存在っているんじゃないでしょうか。映画を作っているときは何かと喧嘩を売っていたんですが、彼の大きさと優しさと愛情を知るのは、映画を撮り終わったときでした。もともとプレゼント・ビデオとして作った作品を劇場で上映してくれたのは彼ですし、映画関係者に褒められたとき、相米さんから「今のは誉め言葉じゃないぞ。器用に映画を作るな。小さくまとまるな」と言われたことは忘れられません。

――ありがとうございます。監督のフィルモグラフィーを拝見すると、「命」、それも、きれいごとではない「生きること」を描くことをテーマとしているように思いますが、いかがでしょうか。

「人が生きることって何だろう」というのは、小さいころから疑問でした。楽しいこともあるけれど、つらいことも多い。必ずいつか終わるのに、嫌な思いと共存しながら、格闘して生きていくのはなぜだろう、と。答えがないからこそ、知ろうとする、考えることが、僕にとっては映画作りなのかもしれません。

04

映画は、年齢も国境も超えて楽しめ、認知されやすいメディア。社会を変える力があると、僕は信じています。それは何もメッセージを発するということではなく、映画を観た人が「こんな面白い映画観たよ!」と周囲に話すことが小さな一歩です。映画をまず楽しんで、そこからちょっとした気づき、たとえば今回の映画なら、「車いすの生活ってこんな大変なのか」「ボランティアって案外楽しそうだな」でも何でも受け取り方は多様でいいのですが、そういう話をすることで、ひとり一人が社会に対して思いを持つ大事だと思います。問題意識を持って活動することはもちろん重要ですが、一人でも多くの人が、小さくとも声を上げること、小さな一歩でも踏み出すことが、社会を変える力になると信じています。

――最後に、観客へメッセージを。

札幌市内の色々な場所で撮影し、地元市民も多くエキストラ出演いただいています。映画は1000カット以上あるのですが、1カット、1カットの積み重ねが映画なんです。出演して頂いた人たちのおかけで、その1カットが成立し、結果、映画が生まれていくんです。そういう協力者の方々と、北海道というロケ地のおかげで、映画が豊かになりました。ぜひ、その成果を劇場で見届けてもらいたいです。家族で楽しんで、観終わった後にはいろいろな話をしてほしいと思っています。

* * *

映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」
2018年12月28日(金)全国ロードショー
監督:前田哲、出演:大泉 洋、高畑充希、三浦春馬
公式サイトはこちら

年末年始のお知らせ

平成最後の年末も残りあとわずか。

2018年の北の映像ミュージアム新事務所は、

12月27日(木)までオープンします。

年明けは、2019年1月7日(月)から。

何卒よろしくお願いします!

札幌ロケ「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」の前田哲監督が札幌市長を表敬訪問

12月28日に公開される札幌ロケ&大泉洋主演の
最新作「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」。

(C)2018映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会

(C)2018映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会

札幌に実在した重度の筋ジストロフィー患者・鹿野靖明さんと
ボランティアたちとの交流を綴る渡辺一史さんの傑作ノンフィクション「こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち」(文春文庫刊)を原作に大泉さん、高畑充希さん、三浦春馬さん
出演で映画化した、お正月映画です。

12月17日には、前田哲監督らが秋元克広・札幌市長を表敬訪問。
その模様をご紹介します!

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監督「札幌での撮影はどこも温かく迎えて下さりお世話になりました。ロケの交渉で『鹿野さんの映画です』と伝えると、原作を読まれている方も多くて『だったらどうぞ』と協力的で、さらにその後、主演俳優が大泉さんだと知ると『ぜひぜひ』と(笑)。西区でのロケ中は毎日差し入れもいただき、大泉さんは役柄上10キロ痩せなければいけないので大変だったかもしれません(笑)」

市長「私も原作を読みましたが、モデルの鹿野さんは体の面でハンデがあっても、素直な性格で周囲が気付かされたり救われたり、〝共生社会〟を体現するような存在でした」

監督「実際に鹿野さんのボランティアをされた方が現場にきて、当時を話してくれたことがあり、大泉さんは生の声を聞いてその場でそのシーンを演じるなんてこともありました。彼も入り込みが違ったと思います」

監督「まさに大泉さんのキャラクターにピッタリの役どころでしたね。札幌の街に改めて愛着を持ち、魅力を再発見できる映画でもあるので、公開が楽しみです」

(C)2018映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会

(C)2018映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会

監督「障がい者の方と接するとき、知らぬ間にこちらが遠慮して〝壁〟を作っていることも多く、鹿野さんはそれを『取っ払おうよ』という人でした。確かにぶつからないと分からないこともある。それを恐れずにコミュニケーションを取ることが、まさに〝共生社会〟につながることだと思います」

札幌フィルムコミッションも協力した本作。お礼の意味を込めて、監督から市長にバナナの盛り合わせ(!)が贈られました(笑)。

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フィルムコミッションでは、札幌ロケ地マップを作成したほか、真冬のスタンプラリーも開催中!(~2019年2/28、詳しくはこちら
もちろん、ミュージアム協力のパネル展も絶賛開催中です(詳細はこちら)。
年末年始、家族そろって劇場で笑って泣けるひとときをお楽しみください。
※映画の公式サイトはこちら

ちなみに、ミュージアムでは監督にインタビュー!
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後日レポートをご紹介しますので乞うご期待。

函館で三宅唱監督映画ワークショップ

函館ロケ「きみの鳥はうたえる」の監督で

札幌出身の三宅唱さんが講師となる

映画制作のワークショップが、2019年1月12、13日、

函館で開催されます!

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対象は函館近郊に住む13~29歳、両日参加可能の人。

定員は20人。申し込みは12月30日まで!

めったにないチャンスです。

ご興味ある方はぜひ!

問い合わせはGスクエア(0138‐35‐4000)へ。

12/16(日)札幌学生映像コンテスト表彰式!

「平成30年度 札幌学生映像コンテスト 表彰式」が

12/16(日)、札幌プラザ2・5で開かれます。

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「魅力的なロケーションを学生のチカラで発掘」をテーマに、

学生が制作した短編映像を上映。

「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」の前田哲監督らが

審査員となって、作品評などを語ります。

さらに、深田晃司監督の短編映画

「ジェファソンの東」も特別上映されるそう。

参加無料ですが、事前申し込みが必要です。

詳しくは、札幌プラザサイト(こちら)へ。

お問い合わせは札幌フィルムコミッション(011-211-2379)へ。

12/15、札幌プラザで「MOOSIC LAB 2018 SAPPORO」

新進気鋭の映画監督とアーティストの掛け合わせにより、

映画制作の企画を具現化する

「映画(MOVIE)×音楽(MUSIC)」プロジェクト!

その成果である作品を、コンペ形式の映画祭(=MOOSIC LAB)

として全国各地で上映するイベントが、札幌でも開かれます。

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今回は、道内出身者で制作され、

札幌でオールロケされた「劇場版 さよなら、ミオちゃん」を凱旋上映!

ほか、「月極オトコトモダチ」「下鴨ボーイズドントクライ」

「ドキ死」「デッドバケーション」 も上映。

詳しいスケジュールは劇場サイト(こちら)をご確認ください。

お問い合わせは札幌プラザ2・5(011-231-3388)へ!

増毛ロケ!日中合作映画「在乎你(ツァイフーニー)邦題:逢いたい」

増毛と北京を舞台にした日中合作のラブストーリー

「在乎你(ツァイフーニー)邦題:逢いたい」(畢國智監督 )が

来年日本で公開されます!

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2018東京・中国映画週間のオープニング作品として公開上映された本作は、

故テレサ・テンさんの代表曲「時の流れに身をまかせ」がモチーフ!

北京で活躍するファッションデザイナーの女性が、

かつて北海道の酒造蔵主と恋に落ちた過去と向き合う物語だとか。

デザイナー役を中国の演技派女優・兪飛鴻さん、

その蔵主を大沢たかおさんが演じています。

ロケ地はなんと、増毛の国稀酒造!

ほか、札幌でも一部ロケされたようです。

ASIAN◆DIAMONDSというプロジェクトサイトにて

映画の最新情報が発信されています→こちら

「狙った恋の落とし方。」に続く、

北海道観光の起爆剤となるか! 注目です。

12/7(金)~「single mom 優しい家族。」小樽で公開!

全編ニセコでロケされた映画

「single mom 優しい家族。 a sweet family」が、

ついに北海道上陸!

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12/7(金)~13(木)の1週間限定で

イオンシネマ小樽にて上映されます。

北海道のニセコで、一人娘を育てる

シングルマザー(内山理名)が主人公の家族の物語。

上映劇場が限られるため、貴重なチャンスです!

ぜひ会場に足をお運びください。