追悼・萩原健一さん

「ショーケン」こと萩原健一さんが3月26日、亡くなりました。享年68。
「太陽にほえろ!」や「傷だらけの天使」で知られる俳優であり、歌手ですが、北海道との関わりでは、「アフリカの光」(1975年)と「いつかギラギラする日」(1992年)。

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前者は神代辰巳監督が、北国の漁港を舞台にした、異色の青春映画。萩原さんは、田中邦衛さんと等身大の若者を演じました。

後者は、深作欣二監督が札幌・函館・室蘭を舞台に作り上げた、ギャングが現金争奪の死闘を繰り広げるアクション・バイオレンス作品です。当時40代の萩原さんは、絆創膏まみれの顔に帽子を被り、狂気とクールさを備えた主人公・神崎を熱演しました。

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ちなみに、岸恵子の相手役となり、出世作とされる映画「約束」(1972年)の脚本を担当した石森史郎さんは北海道出身。以前、ご家族が関連資料をミュージアムにご寄贈下さり、今も大切に保管しています。(当時の記事はこちら

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〝遅れたファン〟であるスタッフ・新目は、「居酒屋ゆうれい」のコミカルな演技も好きでした。

一時代を築いたショーケンさん、どうぞ安らかに。

「モルエラニの霧の中」札幌試写会レポート

室蘭在住の坪川拓史監督が、市民と一緒に制作した北海道・西胆振が舞台の短編オムニバス映画「モルエラニの霧の中」の札幌試写会が3月16日に開催されました。スタッフ・新目がレポートします。

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街で実際に起きたエピソードをもとに、その実際の場所で、時にはエピソードに登場する市民本人も出演しながら撮影したという、“街の自画像”のような物語。2014年のクランクインから市民有志が「室蘭映画製作応援団」を結成し、全国各地に仲間を募ってロケを支援してようやく完成したのです! 札幌会場も応援してきた200人を超える人たちでびっしり。

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期待と興奮が高まる中、坪川監督が登壇すると、大きな拍手が。坪川監督は「5年間…長かったですが、ようやく完成しました」と喜びを噛み締めるように挨拶。香川京子さんや小松政夫さん、大塚寧々さんら多数出演する俳優さんの中でも、昨年2月に急逝した大杉漣さんとの思い出を振り返り、「『もう一度出してよ』と言われて、出演してもらおうと追加のシーンを考えていたところだったので本当に残念でした。でも、映画で何度でも会えます」と語っていました。

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作品は、冬の章「水族館のはなし」、春の章「写真館のはなし」、夏の章「港のはなし」、晩夏の章「Via Dolorosa」、秋の章「科学館のはなし」、晩秋の章「蒸気機関車のはなし」、初冬の章「樹木医のはなし」の全7章で構成され、6分~42分と時間もさまざま。ある章では助演だった人物が、ほかの章では主人公になったりしていて、それぞれの人生を静かに、時に幻想的に活写します。私は特に、「港のはなし」のラストシーンが胸に残りました。
この映画のもうひとつの主人公はまさに“街”。何気ない室蘭の街並みや建物、海岸線、工場群、空など、スクリーンいっぱいに映し出される風景が、どれも本当に美しい! その眼差しは、単なる観光風景とは異なり、この街で生き、この街の人たちと深く関わってきた坪川監督だからこそ醸し出せる優しさ、愛おしさに満ちていました。

休憩をはさんで約4時間の上映後、再び坪川監督が登場。会場に駆け付けた市民出演者を一人一人呼び、檀上で紹介していました。

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皆さん感無量の様子で、会場からも大きな拍手が送られました。
映画は今後、劇場公開に向けて活動するそうです。応援・協賛など募集中ですので、まずは公式Facebookをチェックしてみてください(こちら)。

坪川監督、そして応援団の皆さん、本当にお疲れ様でした。宝物のような映画をありがとうございました!

「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019」レポート!

今年で29回を数える「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」。
先日発表されたように、冬開催は今回が最後。
大きな節目を前にした映画祭会場の模様や町の様子を、
札幌から日帰り参加したスタッフ・新目が写真レポートします。

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夕張といえば、JR北海道の石勝線・新夕張~夕張間が
今年3月31日で廃止に。札幌から夕張までの道のりは
それを惜しむような乗客の姿も見受けられました。

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夕張駅に到着!

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さっそく今年のメイン会場となるゆうばりホテルシューパロに
向かったところ、入口でメロン熊を発見!

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ちょうど、ゲストが集合するフォトセッションの真っ最中でした。

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オフシアター・コンペティション部門の審査委員長を務めるのは、
北海道生まれの白石和彌監督。

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隣りには、ショートフィルム・コンペティション部門の審査を担う
安藤桃子監督、沖田修一監督の姿も。
というわけで会場へ。

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一本目は、オフシアター・コンペのノミネート作品「超擬態人間」を鑑賞。

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それから、特別上映枠の「The Extraordinary Journey Of The Fakir(原題)」へ。上映後は、女優の長谷直美さんによるトークショーも開催されました。

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帰りのバス最終便まで、もう1本何を観ようかなと考えていたところ、ロビーで元気に宣伝する方々の声に誘われ、こちらの会場にふらり。

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ちなみにこちらは別の映画「ストレガ」宣伝部隊の皆さんデス

特殊造型クリエイターの西村喜廣氏チョイスという
コアファンタ部門の「ダイナマイト・ソウル・バンビ」です。
松本卓也監督自身が監督役を務め、インディペンデント仲間と共に挑む商業映画制作の舞台裏をシニカルかつ泥臭く描く内容で、ラストまで楽しめました!

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上映後、檀上に並ぶキャストの皆さん。
こうして、作品への思いを直接伝える場は
映画祭の大事な意義でもありますね。

さて、招待作品の「レゴ(R)ムービー2」や「アナと世界の終わり」、グランプリに輝いた「されど青春の端くれ」など、ほかにも注目作が上映されたゆうばり映画祭。来年はどんな形で楽しませてくれるのか。期待&応援したいです!

なお、10年以上前から映画祭に足を運ぶ私としては、
雪が降り積もる夕張の街で見る映画は格別の思いがありました。
冬の映画祭とのお別れに、町の様子を写真でどうぞ。

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4/27&28、パルコで「アドバンスト・スタイル」上映!

札幌の自主上映グループ「キノマド」さんが、

またもや素敵な上映会を開催されます。

題して“パルロクシネマ vol.1”

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ファッションやライフスタイルを通じて

人生観を変えるような映画を紹介するそう。

4/27(土)・28(日)に予定される第1弾はこちら!

『アドバンスト・スタイル そのファッションが、人生』

NYに生きるオシャレなマダム達を描いた

パワフルなドキュメンタリーです。

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菓子行商gaburiさんによる

映画をイメージした特製お菓子付きも嬉しいですね!

​詳細はキノマドの公式サイトへ(こちら

「スガイディノス札幌中央」6/2で閉店

悲しいニュースが飛び込んできました。

札幌の中心部にある「スガイディノス札幌中央」が

6月2日に閉店するというのです。

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↑3月12日付け朝日新聞北海道版より

公式サイトのお知らせはこちら

1918年に立ち上がった芝居小屋「札幌座」を始まりとし、

近年は店内をリニューアルし、森彦の珈琲を提供したり、

創業100周年記念イベントなども行っていた矢先だけに

悔しい思いが込み上げます。

札幌都心で移転先を探しているそう。

どうか、良い形で移転が実現することを祈っています。

3/29「明日へー戦争は罪悪であるー」札幌で上映!

中原丈雄主演の「明日へー戦争は罪悪である」が

3月29日(金)、札幌プラザ2・5で上映されます。

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戦時下、「戦争は罪悪である」と説いた

ある僧侶が主人公の物語。

僧侶は架空人物ですが、植木等の父親で、

戦時中、反戦活動で投獄された

僧侶の植木徹誠も重要な役回りで登場するそうです。

札幌学院大学教授・二通諭氏によるシネマトーク

「映画『明日へー戦争は罪悪であるー』に寄せて

植木等とお父さんのこと、戦時下の障害者のことなど」

も予定されています。

詳細は映画の公式サイト(こちら)へ。

3/9札幌で吉雄孝紀監督作品上映会「町議房子の逃走」「視る姉」

3/9(土)、吉雄孝紀監督の作品上映会が

札幌プラザ2・5で開催されます。

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上映するのは、

最新作「町議房子の逃走」と、2016年の「視る姉」。

吉雄監督といえば、以前ブログで

「視る姉」上映会を

ご紹介したこともありました(記事はこちら

今回の上映会の詳細は公式サイト(こちら)へ。

午前十時の映画祭ファイナル!「砂の器」は北海道ロケシーンあり!

傑作娯楽映画を映画館で1年間にわたって

連続上映する「午前十時の映画祭」。

10年目の2019年度でファイナルとするそう。

観客投票も踏まえた結果、選ばれた27本が先日発表されました!

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そのひとつ「砂の器」(1974年、野村芳太郎監督)は、

ある重要なシーンが北海道で撮影されています。

それは、ずばり…

父と子の道行きの回想シーン!

観た方なら「ああ、あそこか」と思い当たるでしょう。

ほんのわずかですが、非常に重要な場面です。

秋、阿寒で撮影されたというシーンをお見逃しなく。

上映は、札幌シネマフロンティアで

9/6(金)~9/19(木)の 2週上映です。

ほかにも傑作中の傑作がズラリ!

この機会に、珠玉の名画を劇場でお楽しみください。

公式サイトはこちら