16日(土)に開催された5月の「北のシネマ塾」。
テーマは1959年の千歳ロケ「コタンの口笛」(成瀬巳喜男監督)。
今年の企画展「アイヌ民族と文化」にも関連し、
館内にはポスター資料なども展示している作品です。
トークを担当したのは、理事の加藤敦さん。
転勤先の東京から、わざわざこのために駆け付けて下さいました。
作品の稀少さや先日の新聞効果もあってか、いつも以上のお客様!
和気あいあいとした雰囲気の中、
加藤さんはまず、成瀬作品では「異色」と言われる
その所以や作品の成り立ちを説明。
ミュージアムで販売する本「シネマの風景」の取材などで
訪れた千歳市内のロケ地を紹介しました。
さらに、映画のワンシーンで登場する札幌・藻岩山からの眺望に触れ、
「道路で仕切られた形は変わらないものの、 今では想像できないほど、畑などが多い。この映画には、昭和33年当時の札幌の風景が残っている。そうした貴重な映像史料を残していきたいというのが、このミュージアムの目的のひとつです」と話しました。
また、成瀬映画の特徴を「一人の人間の多面性を描くこと」と解説。
その精神を受け継ぐ現代の監督として
山下敦弘さんや西川美和さんを挙げました。
ほかにも、長く映画を観続け、取材し続けてきた
加藤さんならではの貴重なお話がいろいろ。
来場した方々から質問も飛び出し、有意義なひとときとなりました。
ということで、次回のシネマ塾はコチラ!
6月20日(土) 午後2時~
和田由美&浦田久の映画グラフィティー
どうぞお楽しみに。