本日は、不定期連載「オープンまでの道のり」をご紹介。
いよいよ開館間近!
ミュージアムのオープン準備作業を振り返ります。
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2011年、4月にシンポジウムを終え、
スタッフは具体的な開館準備に取り掛かりました。
借りることになったスペースは、当時このような状態。
ここをどうデザインし、何を展示するか。
プロの仲間の助けを借りながら、
何度も話し合いを重ね、頭を悩ませ、
少しずつ作業を進めていきました。
そうして9月17日のオープンを前にした8月30日。
まずは、スペースを大掃除し
書籍の一部を搬入。
さらにこの日、展示の目玉となる映写機も設置!
この搬入・設置作業が大変でした。
何と言ってもその重さ、200㎏!
まずは分解した部品を、業者さんがそっと移動します。
梱包を取って、パーツごとに並べます。
1976年製だけあって、レトロな感じがします。
続いて土台を置き、その上にスタンドと呼ばれる足部分を設置。
ここからは、映写機専門の業者さんにバトンタッチです。
このプロ2人組が、慣れた手つきで組み立てていく様子は
とても興味深いものでした。
光を放つ「ランプハウス」をスタンドの上に乗せて
レンズをはめる部分を設置。
フィルムを通す部分は、通称「ミシン」と呼ばれていると
仲間の映写技師さんが教えてくれました。
レンズは画面サイズによって交換するそう。
ここにあるのは、シネマスコープ用の「アナモフィックレンズ」です。
続いて、ランプハウス内に特殊ガラスを設置。
このガラスは熱を遮断する特殊なもの。
フィルムが燃えないよう、光だけ透過する仕組みです。
反射板の部分には、キセノンランプを設置。
この丸い部分は、フィルムを入れる「マガジン」です。
約1時間で作業は終了!
かつて、札幌の「サンピアザ劇場」で
20年間活躍したこの映写機。
いまはミュージアムで、近年急速に失われている
フィルム映写の黄金期を伝えています。
(つづく)
過去の「オープンまでの道のり」はコチラ↓
http://blog.livedoor.jp/nanae7ishiguro/archives/cat_123677.html