ロシアからの来訪

北の映像ミュージアムの名にふさわしく、北海道よりもっと北からのお客さんが時々あるのも当館の特徴。先だって筆者が当番をしていたとき、サハリン・コルサコフから北海道観光旅行中というコレンコフさん一家3人がひょっこり訪ねてきました。

11009167_1075867515776587_1861934752932936509_n英語の達者なコレンコフさん(写真左端)は市内の観光案内所からもらってきた英文の観光マップを示し「the Northern Museum of Visual Culture」という当館の英語名を見つけてやってきた、といいます。

筆者は黒澤明の直筆手紙の陳列を示し、手紙は1951年に札幌ロケで撮られた「白痴」(ドストエフスキーの同名小説が原作)について書かれていること、黒澤は札幌が、帝政ロシア時代の都、ぺテルブルグの雰囲気があるのではないかと睨んで札幌をロケ地に選んだ。日ソ(当時)国交締結後にペテルブルグを訪れ、自分の予測が正しかったと、手紙に書かれていることなどを一生けんめい説明しました。

ここで困ったことがありました。「白痴」を英語でなんというのか、「Foolish person」ではなかなか通じない。去年、シベリアのノボシべりスクから来た女子学生にこれを説明するのに困り、あとでウィキペディアでロシア語の原語を調べておいたのに、1年たったら失念していました。

あれこれ英語で説明してやっとわかってもらえました。コレンコフさんは筆者の英語を妻と娘さんにロシア語で一生けんめいに説明していました。

30分ほどして「次のところに行く時間」、というコレンコフさん。寄せ書きノートに感想文を書くよう勧めると、「英語で書くのは苦手なので」。さらさらとロシア語を書いて残していきました。

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あとで、友人に直訳してもらいました。。

自分の仕事に精魂を込めている(精力を傾けている)これらの人たちの心の中に息づいている熱心さに感動を受けた(感銘させられた、あるいはショックを受けた)。コレンノーヴィ(サハリン、コルサコフ。

一生けんめい説明した甲斐がありました。

ああ、それから「白痴」の原語ですが、ロシア語で「Идиот イディオット」といいます。ロシア人のお客様がきたら、今度こそ「Идиот written by Dostoevsky」といいましょう。

ちなみにコレンコフ一家の住むサハリン・コルサコフは日本名大泊。サハリン東南端の町。戦前、稚内と大泊の間には稚泊航路の連絡船が行き来し、鉄っちゃん(?)だった宮沢賢治も乗ったという。(この項文責・喜多義憲)

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