篠原哲雄監督に「起終点駅」について聞きました

東京・新宿のk,s cinemaで公開中の、大崎章監督の「お盆の弟」の6日のトークショーに、篠原哲雄監督がいらっしゃいました。大崎監督は、篠原監督の「はつ恋」などで助監督を務めました。大崎監督自身を投影したような主人公の「お盆の弟」に、たくさんの映画関係者から賞賛の声が寄せられていることについて篠原監督は「幸せな2作目」と述べ、篠原作品の撮影中に、撮影スケジュールを優先したがるプロデューサーと、監督に代わって大崎助監督がけんかした話などを披露してくれました。

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「お盆の弟」について話す篠原監督=左と大崎監督

トークショーの後は、大崎監督が教えている大学の学生さんや、篠原監督のワークショップの生徒さんたちが参加しての飲み会。「お盆の弟」の脚本で、昨年の秀作「百円の恋」も手がけた足立紳さんも参加しました。

飲み会での篠原監督=左、大崎監督=その右、足立さん=手前

飲み会での篠原監督=左、大崎監督=その右、足立さん=手前

ところで、篠原監督の釧路ロケ作品、桜木紫乃さん原作の「起終点駅」が11月に公開になります。ロケは昨年8月下旬から9月下旬にかけて行われ、実働20日ちょっとだったそうです。主人公が通う裁判所の内部を東京で撮影した以外は釧路近辺とのこと。主人公が釧路に流れていくきっかけになる、冒頭の冬の留萌のシーンも、実は夏に撮影し、駅は標茶だそうです。本物の冬景色と思い込んでいたため、「ロケは2回やったのですか」と尋ねたら、雪は作りものとのこと。ロケマニアは注目してみましょう。そういえば、先日、配給の東映・多田社長にお会いしたら「尾野真千子とのラブホテルのシーンを釧路で最初に撮った」とおっしゃっていました。この作品は原作者の桜木紫乃さんが釧路、プロデューサーの小滝祥平さんが旭川、配給元の多田社長が伊達と、北海道出身者が深く関わった点でも意義ある北海道ロケ作品と言えるでしょう。
ちなみに、篠原監督の北海道ロケ作品は「オー・ド・ヴィ」=函館、 「天国の本屋 恋火」=小樽、石狩、「つむじ風食堂の夜」=函館、「スイートハート・チョコレート」=夕張 に続いて5本目とのこと。道内各地の映画祭にも足しげく来てくれています。

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佐藤浩市さん演じる主人公がひっそりと暮らす家は、釧路市益浦にロケセットが作られました。映画の常で、建てたのは表だけで、内部の住居兼事務所は別の場所でロケしたそうです。
映画のラストは、原作とは少し変えられていて、希望を感じさせる終わり方になっています。脚本は長谷川康夫さん。小滝祥平プロデューサーとともに、21世紀に入って一番いい日本映画、みんな大好きな篠原監督の「深呼吸の必要」のゴールデントライアングルです。
余談ですが、佐藤浩市さんは、先ごろ公開された美瑛町ロケの「愛を積むひと」に続き、尾野真千子さんは公開中の小樽ロケ「きみはいい子」に続く北海道ロケ作品で、こんなに続く時もあるんですね。「愛を」の北川景子さんも網走ロケの「抱きしめたい」に続いての北海道ロケ作品でした。
北海道ロケといえば、この日の飲み会にはワークショップのプロデューサーで、篠原監督と組んでテレビドラマなどを製作している、札幌出身の平埜敬太プロデューサーも来ていました。篠原監督で長年構想中の、札幌と東京を舞台にした映画「夜の果てまで」について尋ねると「まだ進んでないんですよ」とのこと。札幌で登場しそうなのが、主人公の通う北大界隈など。「篠原監督の次の北海道ロケ作品はぜひ、夜の果てまで で」と監督と平埜プロデューサーにお願いして、この日の飲み会は終わりました。バブル時代を舞台にした切ないラブストーリーを、篠原監督がどう映像化してくれるのか、構想の実現を期待しましょう。(理事・加藤敦)

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