北海道放送製作「りんりんと」の裏話も。原知佐子さんのトークショーが開かれました

東京・渋谷のシネマヴェーラ渋谷で9日から始まった、女性映画セレクション「なにが彼女をそうさせたか」で10日、女優の原知佐子さんのトークショーが開かれました。原さんは1936年、高知県生まれ、新東宝のニューフェースである第4期スターレットに合格し、芸能界入りしました。映画のほか、数多くのテレビドラマで活躍。故実相寺昭雄監督の夫人です。

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HBC製作の「りんりんと」などの思い出を語る原知佐子さん(左)。右は聞き手の平野共余子さん

この日は、原さんが赤線での仕事をやめて更生を目指す女性を演じた主演作「女ばかりの夜」(田中絹代監督)と、女子刑務所の受刑囚を演じた「おんな番外地 鎖の牝犬」(村山新治監督)が上映されました。トークショーで原さんは「愛人役だとか売春婦だとか、麻薬中毒患者だったり、そういう役が多いんですよ」と苦笑しながら話し、田中絹代さんの演出について「理詰めでくる人ではないので、あまり何もおっしゃらなかったですね」と振り返りました。自分の好きな作品としては、池部良さん演じる主人公の愛人を演じた「乾いた花」(篠田正浩監督)を挙げてくれました。

原さんは、1974年製作の北海道放送のドラマ「りんりんと」でも田中絹代さんと共演しています。「りんりんと」は倉本聰さんの脚本で、田中さん演じる母親が、渡瀬恒彦さん演じる息子と2人で、フェリーで東京から苫小牧を目指す旅を描くドラマです。原さんは「ロケのフェリーで2泊3日、田中さんとツインルームでご一緒でした。田中さんより先に寝てはいけない、早く起きなきゃいけないっていうんでとても疲れましたけど、あんないい経験はなかったし、誇りに思いますね」と振り返り、「撮影は羽田から千歳に飛行機で行って苫小牧からフェリーで東京に行き、苫小牧に戻って今度は千歳から羽田まで飛行機。東京からフェリーで苫小牧を往復すれば楽なのに、と思いましたけど、北海道放送の製作ですから苫小牧から機材を積むのでしようがないんですね」と撮影時の裏話を披露してくれました。「りんりんと」についてはこちら

80歳を迎えた原さんですが、ことしは「シン・ゴジラ」に出演しているほか、ことしのゆうばり映画祭でも上映された主演作「彦とベガ」(2014年製作)の東京での劇場公開が16日に控えています。ますますの活躍に期待しましょう。「彦とベガ」の情報はこちら。(理事・加藤敦)

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