現在、前編が公開中の映画「3月のライオン」。
主演の神木隆之介さんと大友啓史監督が3/26(日)、キャンペーンのため札幌を訪れました。札幌シネマフロンティアで行われた舞台挨拶の模様をたっぷりご紹介します!
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神木隆之介さん(以下、神木)「みなさん今日は暖かいですか?…僕はちょっと寒くて(笑)。北海道は、作品の上映や番宣でお世話になっていて、久しぶりに来たのですが、懐かしい景色だと思いました」
大友啓史監督(以下、監督)「今日はありがとうございます。丁寧に作った作品です。隅々まで味わってください」
司会「原作マンガが連載10年目という年に、実写映画化されましたが、どんな作品でしょう」
監督「完成度が高い、素晴らしい作品ですよね。桐山零という主人公の成長を、硬・軟織り交ぜて、羽海野チカさんならではのタッチで丁寧に描かれている。原作に負けないよう、僕たちもしっかり魂を込めて、丁寧に…。最近、僕は血まみれの作品が多かったんですが(笑)、今回は神木君を中心に良いキャストが集まったので、丁寧な芝居と織りなす感情を拾って人間ドラマに取り組みました」
司会「主役に神木君を起用されたタイミングは?」
監督「企画が動き出してすぐ、満場一致で名前が出ました」
司会「プレッシャーはありましたか?」
神木「もちろんありました。原作、僕も大好きですし。原作は、素敵な温かい作品で、なおかつ答えがない作品だとも思っていました。人間の感情ひとつでも、立場や状況が違えば変わるような。だから今回、二次元から三次元に表現するにあたって、答えが出そうで怖いな、と。どうやって、答えの出ない、人間味のある作品にするか悩みました」
司会「プロ棋士という役どころも挑戦でしたね」
神木「はい。撮影が始まる2、3ヶ月前から、プロの方に将棋の駒の持ち方、指し方など本格的に教えていただいて、指し続ける毎日でした。盤と駒を買って、家でも指してました」
司会「将棋の対局シーンも見所ですね」
神木「ちゃんと見えたら嬉しいですけどねー。頑張りました」
司会「監督と神木さんとのやりとり、距離の近い、お友達のような感じに見えますけれど…」
監督「お友達なんてとんでもない、親子ですよ(笑)」
司会「撮影に当たっての演技指導などは?」
監督「映画の主人公は、中学生でプロになった棋士。一方、神木くんは、若いですが、芸歴二十何年。気づけば呼吸するように芝居をしていた俳優のプロなんです。そこが一番、桐山零と神木くんの共通点だと思うんですね。
だから僕は当初、〝神木君のドキュメンタリーを撮りたい〟と言いました。この映画の前に作った『るろうに剣心』シリーズで、神木君は瀬田宗次郎役。これはアクションがメインで、神木君の体躯的な素晴らしさを表現できたと思うんですけれど、もうちょっと芝居を撮りたい、何か撮り残した気持ちがあって、それで今回名前を挙げさせてもらいました。ですから、特別こうしてと言うより、現場で彼が零君をどう理解し、何を表現するのかを待ち続けながら、キャッチボールしていきました」
(後編へつづく)
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