本日は、「北のシネマ塾~昼下がりトーク編」第2弾
「さっぽろ映画館グラフィティー① 昭和の映画館」
(2月18日、ミュージアム)のレポートの第3回目。
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浦田/映画と実演の組み合わせも多かった。東海林太郎さんなど興行師が来て、そうした実演は「色物」と呼ばれてました。
佐々木/カラー化はもう少し後ですよね。(ワイドスクリーン映画の)「シネマスコープ」は、札幌ではなかなか観る機会はありませんでした。
浦田/それで、ひとつエピソードがあるんです。僕は当時、どうしても観たくて観たくて、お金を貯めて職場に黙って、こっそり飛行機で東京に観に行ったことがあるんです。それが、なんと上司にばれまして。というのが、当時、飛行機の乗客は全員、新聞に名前が紹介されるんですね(笑)。翌日課長に呼ばれまして、汗をかいたことを覚えています。あれは一生の失敗といえるかもしれません(笑)。
その時、東京で観たのはスクリーンではありませんでした。スクリーンだと思っていたら、その中からポンと人が出てきて、びっくり。何と、ひもで出来ているんですね。「立体感を出すため、布ひもでスクリーンを作っています」と説明されました。映画が始まると、一面にタイトルがバーンと映し出されて、思わず後ろにのけぞりました。
和田/今の3Dみたいなものでしょうか?
浦田/ええ。後ろから音が出てくるんです。ベネチアとか、エベレストの映像など「すごいな」と観ていると、後半にジェットコースターの映像があって、目が回ってきました(笑)。前の席の人も、思わずイスをつかんでフラフラ状態。あの立体感、音のすごさは、体験しないと分からないと思います。でもそんなに人気は続かず、結局「西部開拓史」で終わりました。 ところが、札幌で一回だけ、シネマスコープが上映されたことがあるんです!それが、ここ。厚生年金会館です。作品は、「ナポレオン」。確か1万円超の高い入場料金でしたけど、面白かったですね!
和田/私の記憶では、70年代に「大地震」という映画で、2階から落ちた人がいたとか。
浦田/あったかもしれませんね(笑)。
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次回へつづきます。