5月のミニ「北のシネマ塾」は「その場所に女ありて」&6月から書肆吉成で「北のシネマトーク」スタート!

5月のミニ「北のシネマ塾」が18日、ミュージアム事務所で開かれました。今回の映画は「その場所に女ありて」(鈴木英夫監督、1962年)で、解説は私・加藤が務めました。

広告業界を舞台に、製薬会社の広告獲得合戦にしのぎを削るライバル会社の営業マン、宝田明と恋に落ちる司葉子の心模様を描きます。サスペンス映画が得意な鈴木英夫監督のクールなタッチ、チェンバロを中心にした池野成のクールな音楽、そして司葉子のクールビューティーぶりが際だつ作品です。

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現在でこそ司葉子の代表作とも目され、傑作としての評価も定着した作品ですが、当時(1962年2月)のキネマ旬報では人物造形が酷評されるなど、戸惑いもあったようです。コンペで敗れた際、その責任を問いただす上司に「一人で生きて行くためにどうしてもこの職場が必要なんです」「女が仕事だけの7年はご想像以上のものがあります」といったセリフを吐く司葉子の覚悟も揺るぎない、「早すぎたワーキングガールムービー」と言えるでしょうか。

鑑賞後には、加藤が東京在勤中にいろいろな映画館で見た、司葉子や宝田明のトークショーの様子を報告したほか、参加者のフリートークでは、映画の中で他社の営業マンらと麻雀に興じ、タバコをくゆらす司葉子の描かれ方について「喫煙シーンが多いのは自立した女性の象徴として描いているためでは」などという見方も出ました。また、司葉子のスタイルの良さや、明度と彩度を抑えたツーピースなどのファッションにも関心が集まりました。日本映画黄金時代の女優さんとそのファッションを描いた、邦画ファンに人気の高いサイト「キネマ洋装店」(この作品も取り上げています)も大変面白いので、ご一読ください。(こちら

司葉子の勤める「西銀広告」には、毎日、広告掲載紙が全国から届きます。よく見ると新聞の綴りには「北海道新聞」や虚構の「旭川日報」「網走タイムス」などと書かれています。

「その場所に女ありて」については、映画評論家の木全公彦さんによる東宝のプロデューサーで、この作品も手がけた金子正且へのインタビューもネットにアップされています。大変興味深い内容が綴られていますので、こちらもご一読を。

なお、「北のシネマ塾」は6月から、装いも新たに「北のシネマトーク」としてスタートします。原則として毎月第3土曜の午後2時から、IKEUCHI GATE(中央区南1西2)6階の書肆吉成で行います。1回目は6月15日。近く閉館するディノスシネマズ札幌劇場について、和田由美事務局長が語ります。ご参加をお待ちしています。 (加藤敦)

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