本日は、一段と冷え込みが厳しく、
早くも冬の気配を感じる札幌です。
さて、本日は嬉しいお客様が来館されました。
浦田久さんという方です。
「キネマ旬報」の束! 1940~80年代のものまで、約40冊。
ここまで運ぶのも大変だったと思いますが…感謝いたします!
というのも、ミュージアムの目玉展示のひとつが、
戦後復刊号からの「キネマ旬報」コレクション。
活動の礎を築いた故・竹岡和田男さんの収集品を中心に、
約1,300冊並べているのですが、欠番の号を探していたのです。
今回、人づてのご紹介で連絡したところ、快諾くださり
ご自宅のコレクションからお持ち下さった、というわけです。
昭和3年札幌生まれ、札幌工業学校卒。
昭和23年から市役所で勤務し、昭和60年に退職(当時北区区長)。
というご経歴ですが、
「こっそり東京に映画観に行ってさ、後で上司にばれて怒られたよ(笑)」
なんてエピソードがあるほど。
かつて札幌にあったミニシアター「JABB70ホール」のスポンサーになったり、
上映会を開いたり…と、個人的に映画活動を続けてきたそうです。
「無声映画時代から観ているんだ…」
「僕が初めて観た初カラー映画は『千人針』でさ…」
「当時の松竹座は前の方が畳でさ、靴を脱ぐから下足フダをもらうんだよね…」
などなど、思い出話が尽きない浦田さん。
昔の札幌の街並みを描いたご自身のシリーズ本
「さっぽろ 街かどの思い出・補追」も寄贈くださいました。
昭和30年代の札幌が浮かび上がります。
映画仲間も多いという浦田さん。
「映画好きって自然と集まるんだよね(笑)」との言葉にうなずく一同。
確かに、このミュージアムも、そんな人たちの熱意で実現したのです。
ミュージアムのこれからに関わるステキな提案もあり
大変充実した時間となりました。
ぜひ、ミュージアムで竹岡&浦田さん(一部、品田平吉さんもあり)
秘蔵の「キネマ旬報」コレクション、お手にとってみてください。