今日も、雲一つない秋空が広がる札幌です。
本日は、オープンと同時に 70代の8人グループがご来館。
展示品や映像を、心ゆくまで楽しんでおられました。
そして午前中、 先日お見えになった元映写技師Sさんが、
映写技術者の免許証? と、
意外に思った方もいるでしょう。
フィルムに燃えやすい素材を使っていた昭和初期まで、
映写するスタッフは、危険物第四種の免許が必要だったのです。
フィルムが燃えにくい素材に変わった頃には
免許はなくなり、現在に至ります。
写真の下(緑)の免許は、 当時の労働基準法に基づく「映写技術者免許証」。
映写の技能試験などで取得でき、
一級と二級(甲乙)があったそうです。
Sさんによると、一級は
アンプの真空管修理などもできる高度な技術が必要。
取得者は「技師長」として必ず劇場に一人はいたとか。
二級の「甲」は常設館、「乙」は移動式の映写ができたそう。
Sさんは、二級の「甲」でした。
火災事故が起きた時の 避難誘導や消火器操作などを学んだ証だとか。
フィルムが焼けて劇場が火事…なんてことが身近だった時代を感じます。
館内の映写機と記念写真を撮り、
当時を懐かしんでおられたSさん。
大切な思い出の品を、ありがとうございました。
* * *
後日、Sさんが この映写技師の免許について調べたことを
ご報告に来てくださいました。
北海道労働基準監督所によると、
発行していた免許証制度は 昭和42(1972)年に廃止。
フィルムが不燃性になり、
映写機も進歩して火災事故がなくなったためだとか。
この廃止に伴い、 北海道が発行していた
映写技術者免状も管理団体が変わり、
いつの間にか消滅したそう。
ちなみに、昭和42年は 札幌冬季オリンピックの開催
札幌市地下鉄南北線の開通の年。
活気あふれる時代の息吹を感じますね。
Sさん、何度も足をお運びくださり、
どうもありがとうございます!