黒澤明監督と札幌

本日は、雨。 また一歩、秋が深まった札幌です。

さて、ミュージアム展示の目玉のひとつに、

札幌ロケ「白痴」(51年)について語った

黒澤明監督直筆の手紙 があります。


この手紙は、当時朝日新聞の記者だった

ミュージアム理事の女性が受け取ったもの。

先日、この手紙の前にじっと座って、

内容を書写されている方がいました。

札幌ご在住のNさんです。

実はこの方、「黒澤明研究会」に所属されているとのこと!

この研究会は 1972年、黒澤映画を愛する方々で発足。

東京を拠点に、関係者の講演会や インタビュー、

ロケ地調査探訪などの活動を続け、その業績を伝えています。

Nさんは、東京に転勤された約12年前、

図書館でこの研究会の本を読んだのをきっかけに入会。

黒澤映画は、「用心棒」(61年)からリアルタイムで観ているそうです!

以前にミュージアムでこの手紙を見つけ、

仲間にもこの内容を伝えようと、書き写していたのだそう。

当時の札幌はエキゾチックな街で、北欧風の建物が多く(中略)不思議な雰囲気を持っていた。 (中略)小説を読んで想像したペテルブルグに最も近い雰囲気を持った都市は札幌をおいて他にはなかった 
(手紙から引用)

文面からは、巨匠・黒澤監督の当時の札幌への想いが伝わってきます。


残念なことに、公開時には失敗作とされたこの映画。

しかし、完成時は4時間半の長さだったのを

映画会社の意向で大幅にカットされた(現在は2時間46分)ため、

正確な評価は難しいという見方もあるようです。

Nさんは

「どこかにカットされたフィルムがあるらしいので、いつか観てみたい!」

とおっしゃっておりました。

貴重な直筆の手紙、ぜひ、黒澤明研究にお役立てください。

ちなみにこの方、釧路ご出身。

「挽歌」(57年、五所平之助監督)のロケを

子どものころ見学したそうです。


原作者の原田康子さんのご自宅も近く、

新聞配達した時に声をかけてくれたことを覚えているとか。

皆さん、どこかで、映画とつながっているんですね。

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