苫小牧ロケの最新作「のぼうの城」
11月2日(金)の公開まで一か月あまりとなりました。
先日、ミュージアムにも、犬童一心監督と樋口真嗣監督がご来館!
わずか20分間でしたが、濃ーいインタビュー内容を
3回にわけて、たっぷりお伝えいたします。
(以下、両監督敬称略、ミュージアムスタッフ=スタッフ、
同席したさっぽろ村ラジオパーソナリティ
樫田一恵さん=かずえママの表記で統一いたします)
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スタッフ/お越しいただきありがとうございます!さっそくですが、今回、ロケ地を選ぶのに1カ月以上かかったと・・・
樋口/いや、一カ月なんてものではないです。
スタッフ/では、もっと時間がかかったんですね(うなずく樋口さん)。なぜ苫小牧にしたのか。北海道をロケ地に選んだ決め手をうかがえますか。
樋口/周囲を水で囲まれるという設定ですが、今そんな場所は、原作の舞台になった埼玉の行田市にもないんです。規制もあり、撮影が許可される場所もほとんどなくて。
スタッフ/撮影が可能だったのが、苫小牧の勇払原野一帯だったと?
樋口/そうですね。
犬童/あそこは、湖ではなくて、水溜りみたいな場所なんです。
樋口/そうそう、名前もついていないような水溜り。だからそこに、城のセットを作ることができました。
スタッフ/なるほど。
樋口/日本中探し回って、唯一撮影が可能な場所が苫小牧だったんです。
スタッフ/犬童監督は、北海道ロケは初めてですよね。
犬童/CMの仕事ではよく来ているんですけれど。
スタッフ/映画では。
犬童/映画は、初めてですね。
スタッフ/北海道でロケをされて、土地の魅力をどうお感じになりましたか。
犬童/「北海道」という存在自体が強い、ということですかね。自然がそのまま残っている場所が多いじゃないですか。
スタッフ/ええ。
犬童/映画はウソの世界なので、ウソをつくときに、そういうことに負けないようにするということですかね。
スタッフ/負けないように?
かずえママ/どううまくウソをつくか、と?
犬童/ではなくて、エネルギーをそれだけ使うということですね。自然に対して、対抗しようとする。
樋口/広い場所でセットを組むにしても、結局ボンヤリやっていると負けちゃうんですよね、背景に。
スタッフ/そうですか。
樋口/セット作るときもそうだし、そこにエキストラを並べるときも、お芝居させるときもそうなんですけど。放っておくと、背景に負けちゃうんですよ。
スタッフ/なるほど。
樋口/それはやっぱり、スケールの違いっていうか・・・
スタッフ/北海道ならではの?
樋口/そうですね。だから、今回の映画はいろいろ出し切ったと思います。
犬童/人間が、そういう風に力を出し切らないと、北海道に負けちゃところがあるんです。
(つづく)
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『のぼうの城』
11月2日(金)札幌シネマフロンティア、
ユナイテッド・シネマ札幌ほか全道公開
公式サイト http://nobou-movie.jp/