11月2日(金)公開の苫小牧ロケ最新作「のぼうの城」
盛り上がる監督インタビュー最終回をどうぞ。
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かずえママ/今回、この作品を映画化しようとした一番のきっかけは何ですか。
犬童/一番の理由は、シナリオを読んで面白かったということですね。新人が書いたシナリオ(補足:小説と同作家の和田竜氏が優れた脚本に贈られる城戸賞を03年に受賞)だったんですけれど、登場人物がキラキラ魅力的に輝いていて、みんなちゃんと活躍する。だから、最初から最後まで飽きないんです。
次から次に面白い人たちが出て、魅力的な行動を取ってくれる。それを映画にしないのがもったいないと思ったんですよ。
かずえママ/そうですか。
犬童/ちょうど、「メゾン・ド・ヒミコ」というオリジナルのシナリオの映画を撮っていて、オリジナルの映画というのを作り続けられたらいいな、というのもあったんです。このシナリオは、映画のために生まれた物語だなと思いましたよ。
かずえママ/お二人で共同監督をされましたけれど、その経緯は、犬童監督が樋口監督にアタックしたと聞きました。
犬童/そうです。
樋口/なんだか、恋愛みたいですね(笑)
かずえママ/(笑)。その相乗効果はありましたか?
犬童/映画を作る時って、準備から「こうしたらいいんじゃないか」というアイデアを出していくんです。
かずえママ/はい。
犬童/だから、たとえば衣装を決めるにしても、僕が全部アイデアを出していくんですけれど、二人だと、「それをやるんだったらこういう点もあるんじゃないか」と掛け合いになるということですね。監督が一人だと、決めたことで終わるんですよ。
かずえママ/そうなんですか。
犬童/基本的には監督が決めるので。それに対して意見が出る場合があっても、最終的には監督が決めるんです。アイデアを出せるから監督になっているんですね。
かずえママ/なるほど。
樋口/実は、なんとなくでも映画は作れてしまうんですよね。
かずえママ/シナリオがあれば?
樋口/シナリオがあって、役者がいれば。何となく、そのまま撮影していけばできちゃうんですよ。
かずえママ/ということは、お二人だとアイデアが飛び火するというか・・・
犬童/漫才の掛け合いというか。リアクションして、それが次のアイデアにつながるということなので、それがいいところではないでしょうか。
かずえママ/衝突したことは?
犬童&樋口/ないですね。
かずえママ/ないですか。
樋口/それ、意外と聞かれるんですけれど。
犬童/ありきたりな人間観ですね。監督が二人いると、ぶつかるんじゃないかというのは。
かずえママ/でも、普通考えちゃいますよね。
樋口/実際は、素晴らしい本があって、それを映画化したいということなんです。だから、仮に、もし何かあったとしても、決めることはそれが映画のためなのかどうかということですよ。だってそれが映画のためであればいいわけですよ。どっちであれ。
かずえママ/なるほど、分かります。
樋口/それは、俺の考えと違うとかではない。あくまでも映画がよくなれば、映画のために我々はあくまでもやっているということなんです。
かずえママ/個性的な監督さんが二人でビックリしたんです。でもそれがうまくいって素晴らしい作品なので嬉しく思っております。
スタッフ/それでは、貴重なお話をありがとうございました!
(おわり)
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さて、みなさんいかがだったでしょうか?
特に樋口さんはミュージアムのコレクションに目が釘付け!
「ここに泊まってもいいですか?」なんて発言も飛び出すほど
気に入ってくださり、我々スタッフも嬉しい気持ちでいっぱいでした。
次回は、「のぼうの城」番外編、
札幌駅パセオでのトークショー&ティーチインをレポートいたします。
『のぼうの城』
11月2日(金)札幌シネマフロンティア、
ユナイテッド・シネマ札幌ほか全道公開
公式サイト http://nobou-movie.jp/