今日はポカポカ陽気の札幌でした。
さて、尾道三部作などで知られる
映画作家・大林宣彦監督が昨日、シアターキノで、
北海道ロケについての講演を行いました。
本日はそのレポートをご紹介します。
この日上映したのは、1998年の函館ロケ「風の歌が聴きたい」。
聴覚障害を持つ夫婦の出会いから結婚、
トライアスロンへの挑戦を描く実話の映画化作品。
女性の実家が函館という設定で、
函館山ふもとや、函館聾学校などで撮影されました。
スクリーンで観るのは12年ぶりという大林監督。
劇中に登場する世界共通の手話「アイ・ラブ・ユー」が、
翌29日からキノで上映される
最新作「この空の花」にも登場することに触れ、
「一本一本の映画がどこかでつながっているんです」と感慨深げ。
93年の初回から毎年〝校長〟として参加する
芦別市での映画祭「星の降る里芦別映画学校」でも、
この作品が上映された出来事を振り返り、
上映前に、映画祭の立案者で中心人物だった
地元の若者が亡くなったことに触れ、
「彼が願った芦別での映画作りもいま準備しています。
そんなときに、この作品をキノで上映してもらい、
どこかでやっぱり、ちゃんとつながっているようです」と
しみじみと話してらっしゃいました。
小樽ロケ「はるか、ノスタルジィ」(92年)や
函館ロケ「三毛猫ホームズの推理」(96年)の
撮影エピソードなども披露し、
「南の国生まれの私にとって、北海道は訪ねる場所。
ですから、これまでの北海道ロケの作品は、
あこがれ、ファンタジー、異国の映画でした」と説明。
「しかし、20年間芦別に通い、〝異国〟ではなくなりました。
最新作『この空の花』を通過し、次の芦別での映画は、
3・11以降の日本の未来を手繰り寄せる、
賢く、美しい人の里を描く映画になるはずです」
と、決意を語ってらっしゃいました。
映画への、北海道への、
そしてなにより、芦別への強い想いが伝わるトークでした。
芦別で生まれようとしている大林監督の次作を、
ミュージアムも注目&応援しようと思っています!