海に囲まれた観光地の各所が、
映画一色に染まる「函館港イルミナシオン映画祭」。
11月30日(金)~12月2日(日)に開催された
18回目の今年も、もちろん参加してきました!
そのレポートをご紹介します。
* * *
初日、到着してすぐに向かったのは、函館山ロープウェイ。
山頂の展望台にあるクレモナホールが
メイン会場であり、映画祭の原点ともいえる場所。
ここで上映されていたのは、
故・森田芳光監督の函館ロケ「キッチン」(89年)。
映画祭とも縁の深い森田監督への
感謝を込めた特集上映の第一弾です。
その後、森田組の美術スタッフにインタビューした
ドキュメンタリー「美術力」が上映され、
企画した小澤秀高さん(中央)と上野彰吾さん(右)、
そして、篠原哲雄監督(左)が登場。
「キッチン」で監督助手を務めた篠原監督は、
「(主演の)川原亜矢子さんのキャスティングは、
助監督やプロデューサーも反対したけれど、逆に
『お前らはキッチンの世界をわかってない!』と監督に怒られた」
と今だから明かせる秘話を披露。
「原作とは違うけれど、函館を架空の都市にしつらえ、
森田さんのキッチンの世界になっている」と語りました。
一方、森田監督の「失楽園」(97年)で美術を担当し、
日本アカデミー賞優秀美術賞などに選ばれた小澤さんは、
篠原監督と組んだ最初の作品「オー・ド・ヴィ」をはじめ、
数々の函館ロケの体験を振り返り、
「函館にとても感謝している。函館での経験から
まちは撮影所、でかいスタジオだと思った」と説明。
また、「オー・ド・ヴィ」から篠原作品を多く手掛ける撮影の上野さんは
「函館というまちを、映画界に
トレンディに知らせてくれたのは森田さん。
日活に入社時、初めて試写で観たのが『家族ゲーム』で、
その後4本の森田組に撮影助手として参加した。
そこから篠原監督とのコンビが生まれた」と振り返り、
「残念ながら森田作品のメインスタッフはなかったけれど、
篠原さん、小澤さんと仕事する中で
森田イズムを感じている」と話していました。
それぞれの立場から語られる森田監督像に、
興味深く聞き入った後、会場を出ると外は真っ暗。
見事な夜景が広がります。
次の会場は、金森赤レンガ倉庫の金森ホールです。
先ほど登場した3人が組んだ函館ロケの
ドラマ作品「尋ね人」(谷村志穂さん原作)が上映され、
出演した満島真之介さんを含めて4人が登壇。
ロケの思い出や函館への思いを語っていました。
その後、同じ会場で
開会式、オープニングパーティーが開催。
ゲストと観客が交流するその模様は、次回お伝えします。
(つづく)