今年ラストの「北のシネマ塾」を行いました

2012年最後の「北のシネマ塾」が、15日(土)に行われました。

テーマは「駅 STATION」(1981年、降旗康男監督)。

トークを担当したのは、和田由美事務局長です。

和田さんはまず、主演の高倉健さんの誕生日に

倉本聰さんがプレゼントした描き下ろしの脚本が

この作品の始まりだったという秘話を披露。

作品が生まれる大事な要素として

「倉本さんが北海道に来たこと」を挙げ、詳しい経緯を説明しました。

つづいて、撮影のウラ話やストーリー構成などを解説しながら、

「冬を描いた木村大作さんのカメラをじっくり見てほしい。

アングルが素晴らしく、北海道を愛してくれていることが伝わる」

「冒頭、銭函駅で寡黙に佇む健さんは、ほとんどセリフがないけれども、

胸に秘めた別れの切なさがひしひしと伝わる最高に素晴らしいシーン」

「(居酒屋の桐子役)倍賞千恵子さんは一升瓶をうまく扱い、

何年もお店をやった女性のよう。ディティールのうまさに感心した」

などなど、お気に入りのシーンを愛情たっぷりに紹介。

「映画のすごさは、何年経っても時代の空気を

そのまま伝えてくれること」とし、ブラウン管のテレビや石炭ストーブなど、

「昭和を思い起こさせてくれる映画」と作品の良さを力説。

また、「終着駅」「旅情」など、「駅」をテーマにした外国映画を例に挙げ、

「駅は出会いと別れ、悲しみと喜び、人と人が交差する場所。

外国では、人間関係のしがらみから抜け出す非日常として

駅が使われることが多いのに比べて、この映画は

駅にしがらみがくっついて物語が成り立つ、日本的な映画」と解説。

さらに、「最後までしがらみから抜けられなかったということは、

結局、日本人にとって駅は故郷、原点なのかなと思う」と展開し、

「居酒屋や駅など、昭和の日本人の原風景が盛り込まれている」

ということが、この作品の最大の魅力だと語りました。

最後に、改めて倉本さんの北海道に移住するいきさつを振り返り、

「北海道からもらったもの、東京への思いを込めて

脚本を書いたのではないか。本当は、東京駅も描きたかったかもしれない」

と持論を語りつつ、

「映画とラーメンは誰もが語れる分、話が合わないとケンカになる(笑)。

意見を言い合いながら、大好きな映画の話ができれば」とまとめました。

映画の誕生秘話から和田さんならではの深い解釈まで、

一年の最後を飾るにふさわしい盛りだくさんのトークでした。

というわけで、今年1月から毎月1回、計12回開催した「北のシネマ塾」。

もちろん、来年も継続します!

スケジュールは来週発表いたしますが、

さらにパワーアップした内容になるかも。

どうぞお楽しみに。

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