昨日15日、大島渚監督が亡くなりました。
享年80歳でした。
大島監督の北海道ロケ作品といえば、1969年の「少年」。
全国を旅する当たり屋一家のドラマを描き、
家族がたどり着いた北海道では、
札幌、稚内、小樽でロケされました。
大島監督は、ミュージアムの礎を築いた
故・竹岡和田男さんとの親交も深く、
竹岡さん宛ての直筆原稿が館内に展示されています。
追悼の意を込めて、一部を引用します。
「むかしの映画がよかった」という言い方がある。批評家の中にもそういう言い方をする人がいるし、一般の観客の中にもいる。私はそう言われるたびに腹を立てつづけてきた。だいたいはその腹立ちを顔に出さなかったけれど、時には正面切って反論したこともある。「今の方がずっといい!」と。私は監督になった一九五九年以来ずっと「今」の映画監督でありたいと思い続けてきたからである。
偶然にも、先日ご来館された西川美和監督も
「同世代の、今の映画を応援したい」とおっしゃっていました。
「青春残酷物語」「愛のコリーダ」「戦場のメリークリスマス」など、
社会のタブーや人間の深層に迫る作品を発表し、
世界的な映画作家として知られた大島監督。
その気骨のある映画魂が、
今の、次の監督へ受け継がれますように。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。