北海道ロケトークスペシャル第2弾レポート 『そこのみにて光輝く』編

ゆうばり映画祭3日目に開かれた

『北海道ロケトークスペシャル』のレポート第3弾です。

今回は『そこのみにて光輝く』です。

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企画・製作の菅原和博さんが登壇しました。

 

司会「この映画については前の2本と立場が違う気がしますね。ご当地を盛り上げるというよりは、人間の内面に焦点を当てていくような作品だと思うのですがどうでしょうか。」

菅原「函館はもうすでに80数本もの映画が撮られた街なんですね。なので坂道とか夜景とか綺麗な風景はよくご覧になってると思います。『海炭市叙景』(2010)では、貧しい兄弟が初日の出を見るシーンで函館山からの景色は見えます。ただあの映画ではその向こうにある瓦礫の山の方が印象に残ります。瓦礫の風景を映画で描くことは街おこしとは真逆ですが、     函館のまた別の面を描けるのではないかと思っています。」

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(『そこのみにて光輝く』予告篇上映)

 

菅原「この映画は『海炭市叙景』を書いた佐藤泰志という作家の 小説が原作です。彼は23年前に自殺して亡くなりました。 僕は『海炭市叙景』を撮影するまで彼の作品を読んだ ことがなかったんですけど、彼のアンソロジーを読んだ時、 映画の世界の末端にいる人間としてどうしてもこの映画だけは 形にしてみたいという想いが生まれました。 『海炭市叙景』の時の経緯がありまして、 今回も佐藤さんの唯一の長編小説を映画にしました。」

司会「この映画はオール函館ロケと考えてよろしいですか」

菅原「そうですね。ほとんどは函館です。海辺のシーンは原作では大森浜という場所が登場するんですが、現在は撮影には適していなかったので北斗市の七重浜という所で撮影しました。」

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司会「函館市の協力はどうでしたか」

菅原「函館市のフィルムコミッションの方はとても寛大で、台本の中に「市役所の奴らは~」というような市役所職員をおちょくるような台詞が あるんですが、そんな事は一切気にせず、全面的に協力してくれました。」

司会「その時に市側には「函館を売って下さい」 というようなテンションはあるんですか」

菅原「それは全くなかったですね。ただ、協力体制は万全でしたが行政から別の形で支援があるということはなかったですね」

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司会「映画をつくる上で、地元である函館で撮る意味というのは どう考えてらっしゃいますか」

菅原「自分が暮らしている街ですし、自分の生きている日常があります。 僕らにはたぶん皆さんが函館に持つイメージと逆の面が少しあるんですね。 佐藤さんの小説の中には、そんな函館の日常的な物語を リアルな人間で描いています。でもこれは映画においては基本ですよね。 函館とか地方発信というよりも いい映画を作りたい、自分が観たい映画を作りたいってのが一番でしたね。」

司会「ということは、この映画によって函館が という意味で作ってるわけではないのですね」

菅原「そうですね。でもご覧になったら 函館にはこういう面もあるのかと思われるでしょう。
そんな魅力を僕自身も発見しましたね。」

 

第四弾『野のなななのか』に続きます(木屋)

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