6月14日に公開される紋別・斜里ロケ「私の男」。
(C)2014「私の男」製作委員会
オホーツクの流氷を背景に、究極の愛を描く16年の物語。
帯広出身の熊切和嘉監督の最新作としても注目です!
そこで、桜庭一樹さんの原作の一部を、
映画のスチール写真とともにご紹介!
イメージを膨らませて、映画の公開までお楽しみください。
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主人公の少女「花」を演じるのは、二階堂ふみさん。
花は青白い肌に、黒髪。白いダウンジャケットを着てぼうっと海を見ていて、オホーツク海と花を同時に視界に入れると、なんだか寂しい、描きかけの水墨画を見ている気分だった。 (小説「私の男」より)
幼くして孤児となった彼女が、遠縁の男に
引き取られることから、物語は始まります。
「おとうさんも、むかし、自分のおとうさんとおかあさんをなくしたの。海と、陸で。わたしたち、みなしごの親子なのよ」
僕には読みきれない、迷うような、恨むような、奇妙にめばついた目つきだった。このとき、年下の地味な女の子のからだから、はるか年上の、男に慣れた年増女みたいなおかしな色気が立ちのぼっているように見えた。 (小説「私の男」より)
孤独なふたりが求めたもの。
それは衝撃の真実でしたーー。
花がどうでもよさそうにうなずいた。それから、遠い目をして海をみつめた。海のそのまた向こうの、遥かな場所に目をこらすように。暮れかけの空は確かに、暗い色の雲をともなって、不吉な紫色に染まっていた。 (小説「私の男」より)
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