6月14日の公開に向け、
紋別・斜里ロケ「私の男」(熊切和嘉監督)を
原作小説とともに紹介する特集第四弾です!
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少女「花」と、彼女を引き取った「淳悟」。
ふたりの関係に影響を及ぼす
北海道編のキーパーソンが、藤竜也さん演じる「大塩」です。
大塩のおじさんが立っていた。毛糸の帽子に耳当てに、分厚いマフラー。防寒が万全の服装をして、銀色のちいさなカメラをかまえている。宿舎の前の、雪柳の灰色の枝にカメラのレンズを向けたままで、こっちを振りかえっていた。わたしは思わずくすりと笑った。 (小説「私の男」より)
「大塩」は、北海道紋別で「淳悟」と暮らす
「花」を優しく見守っていました。
ところがある出来事を機に、その関係は急変するのです・・・。
大塩さんは目をそらした。どうしてこんなに年老いてしまったんだろうと不思議になるぐらい、週の初めに会ったときとはちがう姿だった。歩きだした大塩さんに、わたしも続いた。よろよろした歩き方に、思わず手をのばして、腕を支えた。 (小説「私の男」より)
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(C)2014「私の男」製作委員会
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