映画「ごろつき船」でアイヌ民族と文化を学習

きょう21日(土)、北の映像ミュージアムで、月例「北のシネマ塾」を開催しました。アイヌ民族が登場する映画「ごろつき船」(大映作品、森一生監督。1950年公開)について、作品解説と併せて、「描かれたもの、描かれなかったもの」を内容とするトーク(約30分間)をしたあと、参考資料映像として大スクリーンで同作品を紹介しました。

 

DSCN0874 ▲北のシネマ塾で映画「ごろつき船」とアイヌ民族について学ぶ参加者たち。左端はトーク担当の喜多

2015年の1年間、私たちは「シネマの風景 北の歴史編 アイヌ民族と文化」をテーマに、ミュージアム内にアイヌ文化を代表する手工芸作品などを展示しています。これに連動して今年上半期、きょうの「ごろつき船」を皮切りに5月まで4回のシネマ塾でアイヌ民族が登場する作品を資料映像として部分上映、NPO法人北の映像ミュージアム理事らが作品と時代背景などを解説することになっています。

初回担当の筆者は、まず、「アイヌ民族とはー」からひも解き、彼らは17世紀までに北海道のみならず、北はサハリン南部から千島列島、カムチャツカ半島までを交易、活動圏として持った海の「ノマッド」(遊牧民=移動民)であった、と紹介しました。

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中世から近世にかけてのアイヌ社会の広がりを示した地図=瀬川拓郎著「アイヌの歴史 海と宝のノマド」より

この作品のアイヌ民族の描き方に不適切さ、不十分さは否めず、製作された1950年当時のアイヌ民族への理解水準を示したものだといわざるを得ません。アメリカの西部劇が当初、白人からの視点から描かれていたが、やがて先住民族の視点から描かれた優れた作品が次々と産み出された。他方日本の映画はまだその実績は上がっておらず、これからアイヌ民族を主人公にした「北方ノマド」の壮大な歴史ドラマの出現を待ちたい。

30分の短いトークでしたが、筆者なりにこの日に備えてアイヌ民族についてにわか勉強し、以上のような言葉で締めくくりました。

DSCN0876-1▲アイヌ民族と文化について。これからも勉強しなければいけまぜん

参加したのは、ミュージアム会員と一般市民ら十数人。資料映像を観終わったあとの感想は、「面白かった」「大河内伝次郎と月形龍之介の対決などチャンバラ映画の醍醐味があった」と総じて好評。ほっと胸をなでおろしました。

次回の北のシネマ塾は3月21日(土)午後2時から。資料映像は「カムイの剣」。シネマ塾初めてのアニメ作品です、トークは当NPOきっての映画通、高村賢治理事です。振るってご参加ください。お待ちしています。(この項 文責・喜多義憲)

 

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