ゆうばりファンタ2015レポート②

ゆうばり国際ファンタステック映画祭2015
写真をあまり撮ることが出来ず、文章中心になります、すみません。

【2日目】
この日は高倉健主演の北海道ロケ2作品
11:00 夕張ロケ『幸福の黄色いハンカチ』
15:00 南富良野町ロケ『鉄道員』が上映されました。
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(会場のあちこちにメッセージの書かれた黄色いハンカチが)

『鉄道員(ぽっぽや)』の上映後には
降旗康男監督と坂上順プロデューサーが登壇し
高倉健さんへの思い出について語られたようです。

11:00 オフシアター・コンペ作品『うつろう』
中年女性と中学生男子の恋を描いたメロドラマ。
上映後は久保裕章監督とプロデューサーが登壇。
二人とも80年代メタルバンドのような革ジャン姿で現れ、
作っている映画とあまりにもかけ離れた格好であることを
塩田時敏さんにツッコまれていました。
ファンタ色は薄いけれど
個人的にはコンペ作品の中で一番好みの作品でした。

13:00 フォアキャスト作品『お江戸のキャンディ』
札幌出身の女優 広田レオナ監督作。

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出演者で旦那さんでもある吹越満さんと共に登壇。
こちらは観に行けず、紹介のみで。

 

14:00 オフシアター・コンペ作品『歯まん』

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山下敦弘、豊島圭介らの作品に助監督として
現場経験を積んできた岡部哲也の初監督作。
タイトル通り、絶頂に達すると性器から歯が出て
相手の性器を噛み切ってしまう少女が主人公。
ファンタっぽいグロテスクな題材にも関わらず
コンプレックスを抱える人間が
人を愛することへの葛藤が描かれており、意外にも繊細な映画でした。
同コンペ作『鼻目玉幸太郎の恋!』とテーマが近いですが
それぞれ全く違うテイストで、映画表現の幅広さを感じさせられます。

17:30 オフシアター・コンペ作品『MIZO』
ゆうばりのヤングコンペ部門で受賞歴もあるナム・ギウン監督の新作。
捨て子の少女が大人になり、父親へ復讐を遂げる姿を描いた韓国映画。
容赦のない鋭い描写が続く、精神的な痛々しさをもった映画。

21:00 フォアキャスト企画 『井口昇のワンダーグラビティ』

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(左:福田裕彦(映画音楽作曲家)、右:井口昇)

毎年ゆうばりで西村喜廣監督と共に
濃厚なファンタ映画でお腹を一杯にさせてくれる井口昇監督の
新作短編『自傷戦士ダメージャー』、
クリトリック・リスの『バンドマンの女』のMV、
ワークショップのキャストで作った『変態団』の3本立て。

『自傷戦士ダメージャー』は
一般の会社員が制作費を全額出すので
自分を主演にヒーロー映画を作るよう
井口監督に依頼したことから出来た不思議な映画。
ヒーロー物のパロディかと思いきや
愛する人のため究極の自己犠牲を選ぶという
実はとても切ない映画でもあった。

『バンドマンの女』は
全編ワンカット、画面分割をして
幾つかのカメラを同時進行で見せる
ブライアン・デパルマの映画のような手法。
上映後には、クリトリック・リス本人による生ライブ。
電光パンツ一丁で汗だくになって歌う
彼の全力の姿に打ちのめされた。
来場者の多くは彼のファンになったのでは?

そして『変態団』。
井口監督曰く「商業映画では出せなかった
自身の中に溜まり続けていたものを全て発散させた映画」
様々なフェチシズムをもった男女たちがぶつかりあい
それぞれ予想もつかない所へ行き着く群像劇。

22:30 「西村映造プレゼンツ 西村喜廣の審査員から怒られナイト!」
こちらは深夜の3:00まで豪華ゲストを招いて
ゆうばりでしか聞けないオフレコトーク満載。
トークの内容はここには書けないものばかりですが
オフシアターコンペ部門の監督を集めて、
製作費、予算をどう集めたか等
監督たちのウラ話が聞けたのは興味深かった。

3日目につづきます。

文・木屋拓真(学生スタッフOB)

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